2012年9月30日日曜日

わかってください,迷い道,パリのあやつり人形

最近,車の中ではラジオを聞いています。以前はCDを聞くことが多かったのですが,特にAMラジオの音が車の中の空間にはいちばん合っている気がします。ラジオの場合,基本的に生でしゃべっていることが多いので「何が出てくるか分からない」というのが面白さがあります。

昨日のお昼は,NHKの「ひるのいこい」を聞いていました。絵に描いたように古臭い,「第1楽章 田舎の風景」といった雰囲気のテーマ曲なのですが,調べてみると昭和27年から続いていることが分かりました。ずっと同じ音源を使っている気がします。
ここまで来たら,このテーマ曲は永遠に使って欲しいものです。

こういった「何気ない番組」で「何気なく流れてくる歌謡曲」を聞くのが好きだったりします。

まず流れてきたのが,因幡晃の「わかってください」でした。曲名は聞いたことがあったのですが,じっくりと聞くのは初めてでした。まず,イントロでパイプオルガンのような音が出てきて,バッハのコラールのような感じになっていたのが驚きました。歌謡曲でこういう感じで始まる曲は珍しいと思います。

この方のジャンルのとしては,ニューミュージックなのかと思っていたのですが,歌が始まった途端,結構,演歌っぽい感じになりました。アリスの堀内孝雄などもそうですが,ニューミュジックとか演歌とかレッテルを貼り分けること自体にあまり意味はないようですね。じっくりと聞くと実に良い感じの曲でした。

次に渡辺真知子の「迷い道」になりました。こちらの方は,私にはすっかりお馴染みの曲です。中学校の英語の時間に,先生が「現在形,過去形,未来形」という言葉を使った後,「歌謡曲にもありますが...」などと枕詞で言っていたのを懐かしく思い出します。

この曲を聞きながら,なぜか思いついたのが,ポール・モーリア・オーケストラの演奏する「パリのあやつり人形」という曲です。「迷い道」の曲調はマイナーなのですが,リズムは軽快で,シンプルなノリの良い2拍子です。この基本リズムが最初から最後まで続くあたり,「パリのあやつり人形」と結構似ているのではないかと思いました。

「迷い道」は,イントロの部分でピアノが印象的なメロディを演奏しますが,「パリのあやつり人形」も最初の方にピアノが出てきます。間奏部分でも半音で下がってくる印象的なメロディが出てきますが,「パリのあやつり人形」もそういう動きが出てきます(ただし,これは,フチークの「剣士の入場」のメロディですが)。

音楽を聞くとついつい似たもの探しを始めてしまうのが,すっかり習慣になっています。

ジャンルを問わずに音楽を楽しむ,という点では次の「世界の快適音楽セレクション」という番組も好きです。この時間帯,車に乗ることがあればいつも聞いていますが,本当にいろいろなジャンルの曲が出てきて楽しめます。

というわけで,基本的にNHKラジオ中心で楽しい時間を過ごしております。結構,これだけで十分かもしれません。

残念ながら中秋の名月は見られず

昨晩は「中秋の名月」ということで,夜7時から兼六園を無料開放し,次のとおり「秋の城と庭のもてなし事業 中秋の名月観賞の夕べ」をやっていたようなのですが,曇ってしまいました(雨も降っていた?)。

http://www.derideri.jp/cgi-bin/derideri/town.cgi?mode=mpbmid&site=derikana&sid=103683

晴れていたら参加してみようかな,とも思っていたので残念です。そういうことを考えながら寝たのですが,今朝はやけに早く目覚めました。

四季による気象の変動の大きな日本のような国の場合,「自然の動きをしっかり感じ,それを愛でながら毎日を生きる」ということが大切なのではないかと思います。このことは,「枕草子」,「徒然草」,数多くの俳句や和歌をはじめ日本の古典文学作品の基本になっていますが,文明の発達とともに,軽視されてきています。

テレビやインターネットばかり見ているのではなく,自然の動きに直接触れ,いちいち,「美しいなぁ」とか「秋だなぁ」とか,反対に「雨ばかりで嫌だなぁ」といったことを感じ,色々と自然に対して反応をしながら生きることに価値を置くことが,地球環境問題に対する基本姿勢なのではないか,とひらめきました。それと連動させて旬の料理を食べることも大切だと思います(好きなものを偏食しがちな現代人にとっては,意外に難しいことかもしれませんが。)。

テレビのニュースや天気予報ではこういう季節の話題を工夫を凝らしてしっかり取り上げていますので,これからも日本人の基本的な感性として維持はされていくと思いますが,そのことにもう少し意識的になっても良いのではないか。いちばん良いのは,季語を入れる必要のある俳句をもっと多くの日本人が日常的に作ることではないか...

といったことを夢の中で考えていたようです。我ながら結構いいことを思いついたなぁと感じたので,つれづれなるままに書き記してみました。

2012年9月29日土曜日

今晩は宴会。そのせいか夜景がピンクに見えたのですが...

今日の日中は結構暑かったのですが,夕方になるとすっかり秋です。そろそろ9月も終わり,季節の区切り目の金曜日ということで,今晩は,職場関係の宴会に参加して来ました。変なお酒の飲み方をしたので,二日酔いになりそうな気配です。

その時,広坂~香林坊付近を通ったのですが,ちょっと不思議なライトアップになっていたのでご紹介しましょう。まず石川四高記念文化交流館です。こちらは普通のライトアップでした。


しいのき迎賓館の方は次のとおりでした。
こちらの方は,かなりピンクっぽくなっていました。これは,ピンクリボン・プロジェクトに関連しての特別バージョンのようです。ただし,この色を見ると,どうも「8時だヨ!全員集合」の「ちょっとだけよ。あんたも好きねぇ」というムードになってしまいます(そういう年代なのです)。


次のブログにライトアップについての記事が書いてありますが...
http://onair-blog.jp/shiinoki/index.html
上の写真とほぼ同じ写真が掲載されていたのにもびっくりしました。同じ角度から撮影したようですね。

2012年9月23日日曜日

泉鏡花「高野聖」(抄)の朗読を聞いてきました。

今日の金沢は,絶好の行楽日和でした。平年よりは気温は高かったのですが,夏の暑さとは違い,空気全体が爽やかな感じです。ようやく過ごしやすい季節になってきました。

今年は泉鏡花文学賞制定40周年記念ということで,金沢泉鏡花フェスティバルを例年よりも盛大に行うようです。それに併せて,石川近代文学館で「泉鏡花という名のファンタジー」という企画展をやっているということを知り,散歩を兼ねて見に行くことにしました。

行ってみると,丁度,鏡花作品の朗読会が始まるところでした。北陸放送のベテランアナウンサー,西川章久さんによる「高野聖」の抜粋ということで,「これは,なかなか面白そうだ」と思い,飛び入りで聞いてきました。昨年,池辺晋一郎さん作曲のオペラ版で観たことのある作品ですが,原作をきちんと読んだことがなかったので,丁度良い機会でした。

10~11月に文学のまちを歩こうというイベントもあるようです。
 さすがに全部読むと長いので,今回は,旅僧が山奥の一軒家にたどり着いて,謎めいた美女に出会う...という辺りから最後までが読まれました。文章については,スラスラとは意味は分かりませんでしたが,鏡花作品ならではの怪奇的だけれども艶っぽい気分が伝わってきました。西川アナウンサーによる,抑制の効いた落ち着いた語りもとても良かったですね(外でやっていた,地元の大学の合同学園祭の音がちょっとうるさかったですが)。

その後は企画展を見てきました。 こちらの方は,結構,「手作り感」あふれる展示が多く,それが新鮮でした。金沢出身の波津彬子さんによる鏡花作品を題材にしたマンガが飾られていたのも,これまでの展示とは一味違う感じでした。その他,鏡花に関連のある方が鏡花について語った「平成鏡花事始」というパンフレットが置いてありましたが,これも面白そうでした(今から読んでみようと思います。)。昨年の「高野聖」に続いて,鏡花作品の「天守物語」をオペラ化し,OEKが上演する予定もあるようなので,鏡花についてもう少し勉強をしてみようと思います。

石川近代文学館での朗読ですが,担当の方が「熟女シリーズ」と言われていたとおり,10月5~8日に掛けて,石井かおるさん,大橋のり子さん,高輪真知子さん,横田幸子さんによる朗読が4つ行われます。いずれも地元ではお馴染みの実力のある方ばかりですので,じっくりと文学作品を楽しめそうです。最近,「読むよりも,聞く方が楽。しかも,集中できる」ということが分かってきたので,時間があれば,行ってみようと思います。
鏡花の等身大パネル。大変小柄な方です。左側は波津さんによる企画展のポスター



2012年9月16日日曜日

秋刀魚と冷酒

まだまだ日中は真夏のような暑さが続いていますが,朝夕はすっかり秋のようです。そうなってくると,秋刀魚の季節ですね。

今年の夏は非常に暑かったので,「オリンピックを見ながら缶ビール」というパターンが多かったのですが,このところスーパーのお酒のコーナーで売り出している「冷おろし」という日本酒が,いかにも秋刀魚に合いそうなので,買ってきました。

というわけで夕食は,焼いた秋刀魚と冷酒です。


グルメとは無縁の生活を送っていますが,旬の料理と日本酒というのが,やはりいちばんかなと思います。「冷おろし」には,各メーカーから出していますので,他の銘柄も飲んでみたくなります。この辺が,作り手側の狙いですが,まんまとはまってみたいと思います。

2012年9月9日日曜日

「祝・金 松本薫選手」の横断幕・のぼりあれこれ

明日はロンドン五輪で金メダルを受賞した女子柔道の松本薫選手が,金沢市内でパレードを行うことになっています。実は,松本選手の実家と我が家とは「同じ方角」ということで,自転車で市内を通るたびに,「祝・金」の横断幕やのぼりを見つけると撮影をしていました。私が発見したのは次のものです。

金沢市役所前   
兼六園下交差点  
 
金沢市立味噌蔵町小学校前(出身小学校)

金沢市立兼六中学校前(出身中学校)
 兼六中学校の方は,五輪の開催前から「健闘を祈る!」という横断幕があったのですが,五輪後は,次のとおり「応援ありがとうございました」が追加されていました。

その他,もういくつかありそうですね。明日はきっと全国ニュースでも取り上げられることでしょう。

2012年9月8日土曜日

大きな虹が出ていました。上を向いて撮影していると,次々とフォロワーが...

今日の夕方,石川県立音楽堂から自転車で帰る途中,空を見上げると東南の空に虹が出ていました。かすかに雨が降ったようで,その名残のようです。

どうせなら,なるべく全体が入るように撮影してみようと,ちょっと遠回りして,しいのき迎賓館辺りまで行ってみました。撮影したのが次の写真です。やや空が暗かった上, 虹自体,消えかけていたので,鮮明には写りませんでしたが,それでも立派なアーチを見ることができました。

堂形のしいのきの上です。

面白かったのは,私が上に向かって撮影をしていると,他の人も振り返って,撮影を始めたことです。自分の背後に虹が出ていても意外に気づかないようで,私がすれ違った人に教えてあげた形になります。

皆さん,虹を撮影してどうするのだろう?と気になります。ブログに掲載しているのでしょうか?家に帰って家族に見せているのでしょうか?一人で反芻しているのでしょうか?

虹というのは,誰にとっても,「美」や「幸運」の象徴のように感じられるのだと思います。 私の真似をして,次々といろいろな人たちが虹を見上げる光景を見ながら平和だと感じました。

2012年9月5日水曜日

仕事で東京まで日帰り...その割に,松丸本舗,印刷博物館,ドビュッシー展とあれこれ見て回ることができました。

昨日,仕事で東京まで日帰りで出かけてきました。要件はそれなりにハードで、かなり疲れたのですが、東京に行くのは、考えてみると久しぶりだったこともあり、便乗して、以前から行ってみたかったところに行ってきました。

東京へは始発で出かけたので朝10時には東京に着きました。

まず、JR東京駅の丸の内口の丸の内オアゾにある丸善に行って、松岡正剛さんとの共同企画で営業している「松丸本舗結構、安易なネーミング?)に行ってきました。期間限定の店舗で,あと1カ月ほどで閉店するということなので,行くことにしたものです。


書架ごとにテーマがあり、独特の配列をしていたのが面白く、ゆっくり眺めてみたかったのですが、最初に本を買うと荷物になるのでザッと眺めるだけにしました。

次に飯田橋付近(といっても少し歩きましたが)にある印刷博物館に行ってきました。トッパンが作った印刷技術の歴史についての博物館で、かなり新しい建物でした(トッパン・ホールのすぐお隣でした。このホールでは日本音楽コンクール(予選?)をやっていたようです。こちらも面白そうでしたが...)。







最近は電子書籍のことが話題になることが多くなってきましたが、私自身は、反対に印刷の歴史への興味の方が強くなっています。本物よりは複製の方が多いような感じでしたが、百万搭陀羅尼、グーテンベルクの四十二行聖書など、全部の解説をしっかり聞きながら廻れば、印刷の歴史はしっかり理解できる、という内容でした。

ミュージアムショップも充実しており、家族へのお土産を含め、あれこれ買い込んでしました。その後、午後から仕事の関係の打ち合わせに行きました。

四十二行聖書のハンドタオルとスタンプを押して作ったカレンダー

その後、夕方からはJR東京駅前にあるブリジストン美術館に行き(立地条件の良い美術館です)、「ドビュッシー:音楽と美術を観てきました。この美術館は、もともと印象派の絵画の立派なコレクションがあり、過去、2回ぐらい行ったことがありますが、今回はさらにオルセー美術館やオランジュリー美術館の作品なども加わっていました。


ドビュッシーの人生や代表的な作品ごとにコーナーが分かれており、楽譜や写真なども交えて、ドビュッシーの芸術について視覚的な観点から実感してもらおう、といった内容になっていました。今年はドビュッシー生誕150年ということで、平日にも関わらず、かなりに賑わっていました。

さて、ここでもミュージアム・ショップで買い物をしてしまいました(旅先の博物館や美術館のミュージアム・ショップで買い物をする、というのが大好きだったりします)。ここで目に付いたのが次の2つです。
  • ドビュッシー楽曲入り「プレイボタン」
  • ドビュッシー金太郎飴
 プレイボタンの方は2800円だったのでどうしようか迷ったのですが(曲の追加・削除などはできません)、「CDを買ったと思えばよい」「150年に1回のことだし」「話のタネ(ブログのタネ)にもなるし」などと、沢山理由を考えて、結局買ってしまいました。ちなみにこのドビュッシーのキャラクターはドビュ君と言います。

真ん中にあるのがプレイボタン。通常の缶バッチぐらいの大きさ
その後、JR東京駅から金沢に戻ったのですが、松丸本舗が気になり、「もうすぐ閉店なので,何か記念に」ということで、文庫本用ブックカバーをつけてもらうために1冊、文庫本を買いました。

オリジナルブックバンドも購入
というわけで、どっちが本当の要件か分からない感じになりましたが、なかなか充実した日帰りになりました。