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2018年8月5日日曜日

#21美 で #伊藤郁女 さんと父上の #伊藤博史 さんによるダンスパフォーマンス #私は言葉を信じないので踊る を観てきました。言葉に溢れた公演でしたが,ダンスからは言葉以上のものが伝わって来ました。

本日は金沢21世紀美術館で伊藤郁女(かおり)さんと父上の伊藤博史さんによるダンスパフォーマンス「私は言葉を信じないので踊る」を観てきました。伊藤さんはフランスを中心に拠点に活躍するダンサーで,今回の公演は2015年にフランス語で作られたものを,日本語訳したものでした。

ホールに入ると,既に伊藤さん父娘は,パフォーマンスを初めていました。「娘から父に対する質問(録音された音源)」が延々と流れる中,郁女さんが,お客さんの顔を眺めながら,ゆっくりとした不思議な動きを続けていました。この質問は,過剰なぐらいに多く,だんだんと息苦しくなってきたところで,ダンスが始まりました。言葉の限界を示しているようにも思えました。

最初の部分は,郁女さんだけのパフォーマンスで,面をかぶっての不思議な動きが続きました。その後,面を取って,博史さんと絡み合いながらの動きが続きました。郁女さんのダンスは,かなり独特でしたが,時折,クラシカルなバレエ風のダンスを交えつつ,ビシッと引き締まった,鍛えられた強さを持ったパフォーマンスを見せてくれました。

父上の博史さんの方は,はじめは穏やかな感じでしたが,だんだん娘に乗せられる感じで,フレンチポップス的な音楽を含む色々な音楽に合わせて,時にユーモラスなダンスを見せてくれました。

途中,音楽がゆったりとしたクラシカルな雰囲気になり(バッハの音楽だった?),父娘が手を取って,踊るシーンがありました。この部分が見せ場だったでしょうか。その後,父上が質問に答えるような音声が続きました。

いつもは日本とフランスに分かれて暮らしている父娘が,今回のダンスを通じてコミュニケーションを取り,最後に「別れの言葉」と「感謝」をダンスでさらりと伝えるといった感じでした。特に最後の方で,音声として流れていた父上の言葉がとても哲学的に響いていました。「生きようと思うからプレッシャーがかかる」とか「近くに暮らしていても近いわけではない」といった,さらりと飄々とした人生観が良いなぁと思いました。

終演後,お2人を交えての「アフタートーク」がありました。フロアから出てきた質問のそれぞれが,素晴らしいもので,観たパフォーマンスの内容が深められた印象を持ちました。郁女さんのは,ダンス・カンパニーには所属せず,個人で自立して,自由に活動しているようです。その言葉は,どこか哲学的で,自分のパフォーマンスに対して,しっかり分析をされていることも伝わってきました。

郁女さんは,ダンスをしている時だけでなく,質問に答える時の姿も魅力的な方で,格好良い生き方をしている方だなぁと思った人も多かったと思います。ライブパフォーマンスだけでなく,映像作品にも関心があるというこごで,今後は「Web上でのパフォーマンス」にも注目したいと思います。

ちなみに,この公演については,友の会割引があり,さらには「年間ポイント」による割引もあったので,合計1000円引きぐらいで観ることができました。現代のダンス公演を自ら進んで観ることはなかったのですが,この友の会制度を使って,最先端のパフォーマンスに触れられることは,私にとっては,とてもありがたいことです。今後の企画にも期待したいと思います。
この日もご覧のとおり,絵に描いたような快晴でした。

2016年10月8日土曜日

ヴェルテダンス CORRECTION @金沢21世紀美術館。足を固定された7人のダンサーによる”自由な”舞踊は象徴的でイマジネーションに溢れていました。周辺では月見光路とKOGEIフェスタ

本日の午後は,オーギュスタン・デュメイとオーケストラ・アンサンブル金沢の共演を聞いた後,夕方からは,金沢21世紀美術館シアター21で行われた,チェコのダンスカンパニー,ヴェルテダンスの公演を観てきました。

21美「友の会」の来館ポイントの特典で割引券を持っていたことと,クラリネット四重奏の生伴奏付きで,足を固定された状態でダンス(?)をするというアイデアに引かれ,観に行くことにしました。

まずシアター21に入ると,7人のダンサーたちが,既に暗いステージ(ただの床ですが)に1列に直立不動で立っていました。照明が明るくなり始めると,ロボットのようだったダンサーが段々と動き始めます。

「作用/反作用」という感じで,隣のダンサーをツンとつつくと左右に揺れる...といった左右の小さな動きで始まった後,前後に倒れて,一生懸命立ち上がろうとしたり,小競り合いを始めたり...ちょっとスラプスティックコメディのような感じで無言のマイムが続きました。

その間,クラリネット四重奏(バスクラリネットや小クラリネットなどいくつか種類が混ざっていたようです)がミニマルミュージック風の音楽を演奏し,動けど動けど自由にならない気分が延々と続きます。見ているうちに,客席の方から手を差し伸べて,助けたくなるほどでした。

そのうち,なぜかステージ上に置いてあった1本のバナナを皆で分け合って食べる場が出てきたリ,しかし,実はそのほかに沢山バナナを隠し持っていたり...だんだんと現代社会の縮図のような象徴的な雰囲気になっていきます。

さらに進むと,全員が一斉に同じような動きを始め,さらには,ストロボが点滅するような照明の中,ディスコの中で陶酔するような陶酔的で狂ったような雰囲気になります。自由な世界を目指してもがいていたけれども,その「もがき」自体が快感になっていくような,倒錯したような面白さがありました。


ホール前には,プロモーション用ビデオが流れていました。
全体を観た感想ですが,足が動かない不自由さが延々と続くと,いつの間にか「自由のようなもの」が出てくるというのが面白いと思いました。「不自由」というよりは,「隣人を選べない」というシチュエーションになっているのも,現代的だと思いました。実社会で考えると,物理的な自由さはあっても,隣人を選べないという人間関係面での不自由さはよくあります。そちらの方が大変なのかも...と隣人ダンサーとの「いさかい」の激しいパフォーマンスを見ながら感じました。

約55分の「拘束されたダンス」ということで,7人のメンバーは非常な重労働だったと思います。最初はロボットのように無表情だった7人が,最後には汗にまみれて,疲労感と同時に生き生きとした表情になっていたのも凄いと思いました。

終演後,演出のイジー・ハヴェルカさんとヴェルテダンスの創設時からのダンサーのテレザ・オンドロヴァーさんへのインタビューがありました。不自由な設定にすることで,新しい表現が出てきた,と語っていたのが特に興味深かったのですが,このことは,俳句や短歌などの定型詩にも通じると思いました。今回のような小ホールだと,ダンサーと一緒になって「不自由さの中の自由さ」を味わうことができるのがとても面白いと思いました。

さて,この日の21美~しいのき迎賓館周辺ですが,月見光路やKOGEIフェスタなどいろいろなイベントをやっていました。KOGEIフェスタの方は,日中にじっくりと見ていたいと思います。以下,雰囲気を写真で紹介しましょう。
しいのき迎賓館裏ではKOGEIフェスタ....この日のイベントは終わっていました。

しいのき迎賓館のイベント情報
KOGEIフェスタのタペストリ―
外には月見光路のオブジェ




21世紀美術館周辺にも沢山のオブジェが出ていました。



これは,21美の新しい野外展示物だと思います。銀色のブドウのような感じ?
お客さんが自由に紙の花をさせるようになっていました。


現在やっている展覧会のポスター
以下はヴェルテダンスの公演終了後の21美~しいのき迎賓館周辺の様子。すっかり日は暮れていました。