2016年10月8日土曜日

ヴェルテダンス CORRECTION @金沢21世紀美術館。足を固定された7人のダンサーによる”自由な”舞踊は象徴的でイマジネーションに溢れていました。周辺では月見光路とKOGEIフェスタ

本日の午後は,オーギュスタン・デュメイとオーケストラ・アンサンブル金沢の共演を聞いた後,夕方からは,金沢21世紀美術館シアター21で行われた,チェコのダンスカンパニー,ヴェルテダンスの公演を観てきました。

21美「友の会」の来館ポイントの特典で割引券を持っていたことと,クラリネット四重奏の生伴奏付きで,足を固定された状態でダンス(?)をするというアイデアに引かれ,観に行くことにしました。

まずシアター21に入ると,7人のダンサーたちが,既に暗いステージ(ただの床ですが)に1列に直立不動で立っていました。照明が明るくなり始めると,ロボットのようだったダンサーが段々と動き始めます。

「作用/反作用」という感じで,隣のダンサーをツンとつつくと左右に揺れる...といった左右の小さな動きで始まった後,前後に倒れて,一生懸命立ち上がろうとしたり,小競り合いを始めたり...ちょっとスラプスティックコメディのような感じで無言のマイムが続きました。

その間,クラリネット四重奏(バスクラリネットや小クラリネットなどいくつか種類が混ざっていたようです)がミニマルミュージック風の音楽を演奏し,動けど動けど自由にならない気分が延々と続きます。見ているうちに,客席の方から手を差し伸べて,助けたくなるほどでした。

そのうち,なぜかステージ上に置いてあった1本のバナナを皆で分け合って食べる場が出てきたリ,しかし,実はそのほかに沢山バナナを隠し持っていたり...だんだんと現代社会の縮図のような象徴的な雰囲気になっていきます。

さらに進むと,全員が一斉に同じような動きを始め,さらには,ストロボが点滅するような照明の中,ディスコの中で陶酔するような陶酔的で狂ったような雰囲気になります。自由な世界を目指してもがいていたけれども,その「もがき」自体が快感になっていくような,倒錯したような面白さがありました。


ホール前には,プロモーション用ビデオが流れていました。
全体を観た感想ですが,足が動かない不自由さが延々と続くと,いつの間にか「自由のようなもの」が出てくるというのが面白いと思いました。「不自由」というよりは,「隣人を選べない」というシチュエーションになっているのも,現代的だと思いました。実社会で考えると,物理的な自由さはあっても,隣人を選べないという人間関係面での不自由さはよくあります。そちらの方が大変なのかも...と隣人ダンサーとの「いさかい」の激しいパフォーマンスを見ながら感じました。

約55分の「拘束されたダンス」ということで,7人のメンバーは非常な重労働だったと思います。最初はロボットのように無表情だった7人が,最後には汗にまみれて,疲労感と同時に生き生きとした表情になっていたのも凄いと思いました。

終演後,演出のイジー・ハヴェルカさんとヴェルテダンスの創設時からのダンサーのテレザ・オンドロヴァーさんへのインタビューがありました。不自由な設定にすることで,新しい表現が出てきた,と語っていたのが特に興味深かったのですが,このことは,俳句や短歌などの定型詩にも通じると思いました。今回のような小ホールだと,ダンサーと一緒になって「不自由さの中の自由さ」を味わうことができるのがとても面白いと思いました。

さて,この日の21美~しいのき迎賓館周辺ですが,月見光路やKOGEIフェスタなどいろいろなイベントをやっていました。KOGEIフェスタの方は,日中にじっくりと見ていたいと思います。以下,雰囲気を写真で紹介しましょう。
しいのき迎賓館裏ではKOGEIフェスタ....この日のイベントは終わっていました。

しいのき迎賓館のイベント情報
KOGEIフェスタのタペストリ―
外には月見光路のオブジェ




21世紀美術館周辺にも沢山のオブジェが出ていました。



これは,21美の新しい野外展示物だと思います。銀色のブドウのような感じ?
お客さんが自由に紙の花をさせるようになっていました。


現在やっている展覧会のポスター
以下はヴェルテダンスの公演終了後の21美~しいのき迎賓館周辺の様子。すっかり日は暮れていました。