この時期恒例の中古音盤市がこの週末に石川県教育会館で行われたので出かけてきました。割引券があるとついつい来てしまいます。特に意識をしていたわけではありませんが,今回はピアノの入る曲ばかり買ってしまいました。まだ全部聞いていないのですが,概要を紹介しましょう。
ダ・カーポ!ピアノ・アンコール・ピース / ミヒャエル・クリュッカー
この時期恒例の中古音盤市がこの週末に石川県教育会館で行われたので出かけてきました。割引券があるとついつい来てしまいます。特に意識をしていたわけではありませんが,今回はピアノの入る曲ばかり買ってしまいました。まだ全部聞いていないのですが,概要を紹介しましょう。
ダ・カーポ!ピアノ・アンコール・ピース / ミヒャエル・クリュッカー
今年の2月は石川県内で行われたアマチュアオーケストラの演奏会で,滅多に演奏されないような交響曲が次々と演奏されました。メンデルスゾーンの交響曲第2番「讃歌」,ブルックナーの交響曲第6番,そしてチャイコフスキーの交響曲第1番と第3番。それぞれCDは所蔵しているのですが,やはり実演で聞きたくなり,全部出かけてきました。
この中のチャイコフスキーの2曲ですが,NAXOSレーベルに入っている2枚のCDが私にとっての定番です。
NAXOSは「クラシック音楽の文庫本」といった感じで,1980年代後半に1000円以下の廉価盤シリーズとしてスタートし,人気集めていました。現在はCDというメディア自体のあり方が変わってきているので,別のコンセプトになってきているようですが,私自身当時,よくこのレーベルの録音を買っていました(俵孝太郎さんの著作の影響も受けていますが)。
このチャイコフスキーの交響曲2曲の録音も,大げさなところや派手な感じはないのですが,それが”寒い国の交響曲”といったムードにぴったりです。オーケストラはポーランド国立放送交響楽団(Polish National Radio Symphony Orchestra),指揮は第1番がエイドリアン・リーパー(Adrian Leaper),第3番がアントニ・ヴィット(Antoni Wit)です。リーパーの方は,ほとんど知られていない方ですが,「派手な演出をしない」という点で,この2曲を気楽にあまり神経質にならず,ゆったりと楽しむには丁度良いのではと思います。
何より録音の雰囲気が好きです。どちらもカトヴィツェにあるポーランド放送のホールでの録音で,どちらもほの暗い感じの落ち着いたトーンがしっとりと広がる心地よさがあります。この録音を聴きながら,窓の外に雪が降っているのが見えたりすると...まさに「冬の日の幻想」といった趣きです。
というわけで,現在は冬が終わり,もうすぐ春という季節ですが,冬になると(暖かい部屋の中でですが)聴きたくなる,お気に入りの2枚です。
1月下旬にギター奏者の山下和仁さんが亡くなられたという訃報を聞いて,多くの音楽ファン同様,びっくりしました。1970年代,山下さんが10代だった頃から,オーケストラ曲をギター1本で演奏する驚異の編曲と演奏で多くの人を魅了。何となく「超人的な人」という印象を持っていたので,60代前半という若さで亡くなられたということが信じられない気持ちです。
その追悼の意味を込めて,我が家にあるCDを聞いています。まずはムソルグスキーの「展覧会の絵」とストラヴィンスキーの「火の鳥」(組曲版)を組み合わせた1枚。オーケストラの多彩な響きをギターで表現。精妙さと激しさではオーケストラ版以上かもしれません。2つの声部を1本のギターで演奏するたたり,「どうやっているのだろう?」という感じです。2重録音ならば可能だとは思いますが,リアルに1本で演奏している緊迫感が漂います。
山下さんの公式サイトに「展覧会の絵」を演奏している動画が公開されていました。
最初の方しか見ていませんが,これを見ると,よく「天才」と言われる山下さんですが,その一言では済まないような気がします。才能に努力や執念のようなものが加わらないと実現できないような演奏だと思います。
もう一つ持っているのが,中古CDとして何気なく買ったバッハの小品集です。こちらは2003年ころの録音です。
こちらもすべて山下さんのアレンジですが,「展覧会の絵」とは一味違う凄みが漂っています。曲によっては,音数は少なく,テンポも速くないのですが,その一音一音に魂がこもっている感じがします。バッハと言えば対位法ですが,メロディの線と線とが独立していながら,しっかりと絡み合っていく感じに聞き流せない凄みが漂います。
山下さんは亡くなられましたが,その演奏は不滅だと思います。個人的に聞いてみたいのは,ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の録音。独奏部をギターで演奏したものです。大昔,NHK-FMで聞いた記憶があるのですが,もう一度聞いてみたいですね。これを機会に追悼盤の発売を期待したいと思います。
ドイツの指揮者でオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)にも客演したことのある,ヘルムート・リリングさんが亡くなられました。
私自身,最初にリリングさんの演奏を聴いたのは,かなり昔のことでオルガニストとしてだったのですが,その業績は何と言っても大量に残されたバッハの合唱曲の録音でしょう。2010年1月24日,リリングさんがOEKを指揮した時の曲もバッハのロ短調ミサ曲の全曲が演奏されました。
実はリリングさんが中心になって2000年頃にドイツのヘンスラー・レーベルが作ったバッハ全集(輸入盤)が我が家にあります。何かの懸賞で「見事当選!」していただいたものです。いまだに全部聴いていないのですが,その中のカンタータや受難曲などの宗教音楽を一手に引き受けているのがリリングさんです。
2010年の演奏会後にも,このバッハ全集の中に含まれているロ短調ミサ曲のジャケットにサインをいただいきました。
そしてこの録音を追悼で聴いています。晴れた冬の朝の空気感にぴったりの清々しい演奏です。この録音のソリストなどを確認してみたのですが...声楽家の中にはジュリアーナ・バンゼ,アンドレアス・シュミット,トーマス・クヴァストホフなどその後国際的に活躍している人が含まれていました。粒ぞろいのソリストという感じです。
そして演奏しているバッハ・コレギウム・シュトゥットガルトのソリストです。よくよく見ると,12月にOEKの特別定期公演に登場したラデク・バボラークさんの名前がホルンに入っていました。
フルートのジャン・クロード=ジェラールさんの名前も見覚えがあります。オーボエ奏者のヘッダ・ロスヴァイラー ( Hedda Rothweiler)さんは茂木大輔さんのエッセーの中に登場していた気がします(今度確認してみます。リリングさんも登場していましたね)。リリングさんの下にベテランから若手まで色々な名手が結集したアンサンブルのようですね。
というわけで追悼の意味も含め,茂木さんのエッセーを読みながら,ヘンスラーの全集を久しぶりにコツコツと聞いてみようと思います。
本日は大晦日ということで,2025年に行われたクラシック音楽関連の公演を振り返ってみたいと思います。
私の場合,オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の公演を中心に石川県立音楽堂で聞くとのが「定番」で,今年も年間60日以上の実演を聞きました(ガルガンチュア音楽祭のようなケースもあるので,公演数にするともっと増えます)平均すると週1回以上何か聞きに行っている計算になります。常識(?)的に考えるとやや多過ぎるかもしれませんが,コンサートホールで生演奏を聴くこと以上に贅沢なことはないのでは思っています。
基本的に「生の音楽(マイクを通さない方通い)を聞ければ何でも良い」という面もあるのですが,その中でも特に印象に残ったものをいくつか上げて行きたいと思います。
OEKの定期公演では3月8日の沖澤のどかさん指揮,牛田智大さんの公演,3月20日の広上淳一さん指揮の公演がともに編成的にもプログラム的にも「OEKらしいな」と思わせる内容。広上さん指揮のベートーヴェンの7番での余裕たっぷりの演奏が素晴しかったですね。
5月15日のファンタジー定期では,人気ピアニストの角野隼斗さんが登場。グルダの協奏曲は,ジャンルを超えて活躍する角野さんのピアノにぴったり。大盛り上がりでした。
5月24日の鈴木秀美さん指揮の「天地創造」全曲公演。この曲の面白さを体感できました。このところOEKが宗教曲の大曲を演奏する機会が少なかったのですが,これを機会にバッハの大曲なども再度聞いてみたいものです。
6月21日のイェルク・ヴィトマンさん指揮の公演。メンデルスゾーン「宗教改革」の生き生きした表現が忘れられません。個人的にはこれが今年いちばん印象に残った公演です。
10月4日の川瀬賢太郎さん指揮によるマーラーの交響曲第4番。こちらはOEK初挑戦の曲でしたが,曲想的にもぴったりでした。OEKのマーラーといえば,11月末に高崎で行われた飯森範親さん指揮群馬交響楽団定期公演への参加も面白い試みでした。今度は石川県立に来ていただいて,マーラーの「何か」(6番とかどうでしょうか?)の合同演奏に期待したいと思います。
オペラやステージ公演では,何と言っても11月23日に行われた「高野聖」の再演が舞台の美術の素晴らしさもあって完成度の高い作品になっていました。鏡花作品のオペラ化をシリーズ化し,レパートリーを増やしていけば,将来的にはOEKの大きな財産になっていくのではと思いました。オペラ以外でも野村萬斎さんプロデュースによる,メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」2月22日の真冬公演でしたが)もオリジナリティ溢れる美しい公演。このシリーズも好調ですね。
4月末から5月上旬にかけてのガルガンチュア音楽祭の方も定着していますが,こちらの方はオーケストラ公演の方は,「幅広い聴衆向け」という感じになってきているので,私についてはアーティスト中心にチョイス。ファゴットのソフィー・デルヴォーさん,オーボエのシェレンベルガーさんなど注目のアーティストの演奏を色々楽しめましたが,中でも印象に残ったのが,ベテランピアニスト,エル=バシャさんのピアノ。ピアノの聖人といった落ち着きと完成度の高さをもった素晴しい演奏に感服しました。
現在,石川県立音楽堂コンサートホールの方はパイプ・オルガンの改修のため休業中で,代わりに邦楽ホールで特別定期演奏会が行われています。この試みも注目です。以前,交流ホールでOEK団員プロデュースによる「マニアックな企画」をよく行っていましたが,今回のシリーズをリニューアルしたようなマニアックなシリーズを邦楽ホールで行ってみても面白いのではと思います。
というわけで,OEKと石川県立音楽堂というソフトとハードを使って,いろいろなアイデアの盛り込まれた公演を楽しめた1年でした。能登半島地震からの復興が完全に終わっていない状況ではありますが,来年もまた,毎週のようにクラシック音楽を中心とした生演奏を楽しめるとよいなと思っています。
皆様良いお年をお迎えください。
年末のクラシック音楽公演といえば第9,メサイアが定番。金沢ではオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)が年末に第9公演を行わない方針(?)ということもあり,主に北陸聖歌合唱団によるメサイア公演を聴くのを恒例としていました。が,今年はOEKのPFUクリスマス・チャリティ・コンサートとメサイア公演とが重なってしまい,PFUの方を選択。
第9もメサイアも聴かないのも寂しいかなということで,今週末はCDで第9を聴いています。第9のCDは何枚か持っていますが,本日聴いたのは次のCDです。
矢部達哉さんがコンサートマスターをつとめる「トリトン晴れた海のオーケストラ」他による2021年のライブ録音CDです。この演奏に興味を持ったのは,数年前にNHKの特集番組でこの演奏の練習の様子を詳細に取り上げていたからです。指揮者無しで各パートのトップ奏者たちを中心に解釈や奏法について細かく意見交換しながら音楽を作っていく過程が放送され,「すごいなぁ」と思った記憶があります。
その記念に購入したのがこのCD。聞いてみると第1楽章の冒頭からいつも聴いている演奏と一味違う部分が続出。ティンパニの強打をはじめとして意欲満々の演奏です(オーケストラ名にちなんで,「天晴れ」とか声を掛けたくなりますね)。その点で少々疲れる部分もあるのですが,数ある第9のCDの中でも強い存在感を放っている録音だと思います。
たたし第4楽章で声楽が入ってからは,ちょっと別の方向性になっている気もします。生々しく喜びに溢れた声の迫力はあり,東京混声合唱団は素晴しいのですが,独唱者の方についてはオーケストラの精緻さと比べると,結構自由というか少々雑な感じもします。
というわけで,テレビ放送を見たこともあり,ほとんど実演で聴いたのも同然という実感を持つことができる演奏だと思います。
もう一つの「メサイア」の方については,こちらはあまり選択肢がなく,トレヴァー・ピノック指揮イングリッシュ・コンサートの演奏を聴こうかと思っています。こちらは個人的な定番になっている演奏です。
年末(というかクリスマスの)定番の曲として,チャイコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」もありますが,こちらについてはOEKの演奏でしっかり実演・ステージを観てくる予定です。
昨日,金沢歌劇座で観たオペラ「高野聖」公演のステージがあまりにも美しく変幻自在だったので,その勢い(?)でお土産として山本タカト,鏡花絵ハガキセットを買ってしてしまいました。
# 以下の画像は文章を補足するための「引用」として,画質を落としたものを掲載しています。
| 帯のマークは源氏香図。鏡花が好んだ 「紅葉賀(もみじのが)のデザインが入っています |
| 左から「高野聖」「薬草取」「天守物語」 「草迷宮I」「草迷宮II」「夜叉ヶ池」というラインナップ |
いきなり飾り出すと家人からは「何事か?」と思われそうですが,部屋の中に彩りが増しますね。ちなみにこの額ですが,6枚ぐらいは収容できるので,そのまま保存場所としても使いたいと思います。
といわけで皆様もお試しください。