今年の2月は石川県内で行われたアマチュアオーケストラの演奏会で,滅多に演奏されないような交響曲が次々と演奏されました。メンデルスゾーンの交響曲第2番「讃歌」,ブルックナーの交響曲第6番,そしてチャイコフスキーの交響曲第1番と第3番。それぞれCDは所蔵しているのですが,やはり実演で聞きたくなり,全部出かけてきました。
この中のチャイコフスキーの2曲ですが,NAXOSレーベルに入っている2枚のCDが私にとっての定番です。
NAXOSは「クラシック音楽の文庫本」といった感じで,1980年代後半に1000円以下の廉価盤シリーズとしてスタートし,人気集めていました。現在はCDというメディア自体のあり方が変わってきているので,別のコンセプトになってきているようですが,私自身当時,よくこのレーベルの録音を買っていました(俵孝太郎さんの著作の影響も受けていますが)。
このチャイコフスキーの交響曲2曲の録音も,大げさなところや派手な感じはないのですが,それが”寒い国の交響曲”といったムードにぴったりです。オーケストラはポーランド国立放送交響楽団(Polish National Radio Symphony Orchestra),指揮は第1番がエイドリアン・リーパー(Adrian Leaper),第3番がアントニ・ヴィット(Antoni Wit)です。リーパーの方は,ほとんど知られていない方ですが,「派手な演出をしない」という点で,この2曲を気楽にあまり神経質にならず,ゆったりと楽しむには丁度良いのではと思います。
何より録音の雰囲気が好きです。どちらもカトヴィツェにあるポーランド放送のホールでの録音で,どちらもほの暗い感じの落ち着いたトーンがしっとりと広がる心地よさがあります。この録音を聴きながら,窓の外に雪が降っているのが見えたりすると...まさに「冬の日の幻想」といった趣きです。
というわけで,現在は冬が終わり,もうすぐ春という季節ですが,冬になると(暖かい部屋の中でですが)聴きたくなる,お気に入りの2枚です。