2024年6月8日土曜日

この週末は金沢駅もてなしドーム地下で行っている中古音盤市へ。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集,ポリーニ追悼...色々買ってしまました。

金沢駅もてなしドーム地下での「中古音盤市」の割引券付きハガキが送られてきたので,昨晩(金曜の夜)出掛けてきたのですが...週末の気の緩み(?)もあり,結構買ってしまいました。

例によって「運だめし」の積もりで買ったものもあったのですが,パッと聴いたところ,どれも良い感じです。今回は次のようなディスクを買いました。


1.ハンガリー弦楽四重奏団によるベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集
アルバン・ベルク・カルテットの全集は持っているのですが,きっちりしすぎていて「結構疲れるかな」という所もあります。それではと別のセットが欲しくなり衝動的に選んだものです(3000円以下と思ったのですが,税込みで3000円を少し超えました)。パッケージがきれいだったのでもっと新しい録音かなと思ったのですが...モノーラル録音でした。ただし、録音は悪くはなく、緊密さと手触りの暖かさが両立している感じです。ここ数年「金澤弦楽四重奏団」による全曲シリーズをライブで聴いているので,それに合せてじわじわと聴いていきたいと思います。

2.クララ・ハスキルのピアノによるシューマンのピアノ協奏曲など

これはまず、500円以下という値段に引かれて買ってみました。シューマンのピアノ協奏曲のディスクは数枚持っていますが,この曲は「クララのための曲、そしてクララが初演した曲」ということで「クララの演奏で聴きたい」と連想してしまいました。こちらもモノラル録音で,ちょっと人工ステレオ的な感じの音ですが,クララハスキルのピアノの気品の高さのようなものが漂っています。その他,「子供の情景」「森の情景」なども入っています。

3.マウリツィオ・ポリーニとイタリア弦楽四重奏団によるブラームスのピアノ五重奏曲
このディスクについては,ずっと「持っていたつもり」だってのですが,先日ポリーニが亡くなった時に調べていると,実は持っていないことが判明。ポリーニによる室内楽録音は,非常に珍しく,1980年代に最初に聴いた時(友人の家で聴いたはず)から,心引かれるものがありました。45分以下の収録時間ですが,1曲で十分といったカロリーの高さのある演奏です。

4.C.P.Eバッハのヴィオラ・ダ・ガンバのディスク
これは運試しで買ったもの。1年ほど前に行われたC.P.E.バッハ特集のオーケストラ・アンサンブル金沢の定期公演以来,「C.P.E.バッハ」の名前が頭の中の「買い物リスト」に追加されました。以前、シンフォニアを買ったことがあるので,今回は室内楽に。一聴した感じゆったりとした中低音の魅力を楽しめそうですが...C.P.E.バッハならではの意外性もありそう。チェンバロ奏者のクリスティアーヌ・ジャコテの名前にも反応。フォルテピアノを演奏している曲もあったりするのも注目です。

5.ゼレンカの6つの室内ソナタ集のVol.1
こちらもゼレンカという作曲者名に反応したものです。以前,実演で聞いて良いなと思ったのですが...同じ曲かどうかはよく分かりません。編成が結構変わっており,オーボエ2本,ファゴット,ヴァイオリン,コントラバス,チェンバロ奏者がジャケットに写っています。知らない人たちばかりですが...ダラス交響楽団のメンバーなどのようです。コントラバスやファゴットが入っているので,音に独特のどっしり感があり,気分が落ち着きます。読書しながら聞くのに良い感じかもしれません。

6.イザベラ・ファウストの2枚組録音

実演では聞いたことはありませんが,現代を代表するヴァイオリニストの一人がイザベラ・ファウストだと思います。1枚もディスクを持っていなかったことに加え,ジャケットの写真と「目があってしまった」ので購入。ベートーヴェンの協奏曲,シューベルトのソナタ,バルトークのソナタ1番,マルティヌーの協奏曲第2番が収録されています。ベートーヴェンだけまず聴いてみたのですが,ビエロフラーベク指揮プラハ交響楽団ともども,虚飾を排した美しさのある正統的な演奏という感じ。そのうちに実演を聴く機会があることを期待しています。

どれも「聞き飽きない」感じのディスクなので,梅雨の期間など,家の中で過ごす時にはじっくりと(作業しながらということもありますが)聴いてみたいと思います。

この音盤市ではLPジャケットを展示するのも恒例。今回も色々飾られていました。
テーマは「遊び心」た

ビートルズのLPジャケットには惹かれるものがあります。
「サージェント・ペパーズ...」の方は特に凝った遊びという感じですね。

懐かしの映画「クレイマー・クレイマー」。
ヴィヴァルディのマンドリン協奏曲が人気になりましたね。



2024年3月30日土曜日

マウリツィオ・ポリーニをしのんで,モーツァルト,ベートーヴェン,ショパンのCDを聴いています。

 ピアニストのマウリツィオ・ポリーニが先日亡くなりました。ポリーニの実演に接したことはなかったのですが(非常に残念),私がクラシック音楽を聴き始めた1970年代後半以降ずっと聴いていたピアニストだったので,大きな喪失感を感じています。

ただし...正確には21世紀になってからはあまり熱心に聴いてはおらず,1970年代~1980年代にかけてドイツグラモフォンから新譜が定期的に出ていた時代が私にとってのポリーニの演奏のイメージです。クラシック音楽のメディアがLPからCDに移行して,全盛期を迎え,それが衰退していったのとポリーニの音楽人生は重なる気もします。

ポリーニのピアノ演奏を聴くと,いつもその回りだけ空気が澄んでいるような潔癖さを感じ,身を正して聴かないといけないかなと思ってしまいます。「冷たい」と呼ばれることもありましたが,その裏には芸術作品としての各曲に対する強い敬意と熱さが感じられました。新譜のほとんどがドイツ・グラモフォンから発売されていたこともあり,「ピアニスト中のピアニスト」といった別格のステータスを持ったアーティストだったと思います。

ポリーニの残した,奇をてらった部分のない,ゆがみなく,強く美しい音楽の数々は不滅の輝きを持ち続けると思います。というわけで我が家にも1970年代から1990年代に掛けて録音されたCDがかなりあります。その中で特に印象に残っているものを3つ紹介しましょう。

1つ目モーツァルトのピアノ協奏曲第23番と第19番の1976年の録音。カール・ベーム指揮ウィーン・フィルとの共演です。まず,ウィーンフィルが演奏したモーツァルトのピアノ協奏曲...というのは以外に多くない気がします。23番の序奏部分から品格の高さのある美しい音が聞こえて来て,すがすがしい気分になります。そこにポリーニのけれん味のないピアノが加わります。ベームとポリーニはかなり年齢差がありますが(当時どちらも大人気でしたね),どこかかっちりとした硬質感に共通点があり,非常に完成度の高い世界が広がっていると感じます。緻密にまとまってるけれども,自由な広がりもある見事な演奏だと思います。

2つ目ベートーヴェンの後期ピアノソナタ集(28番~32番。こちらは1975~1977年の録音。こちらも私にとっては,ザ・スタンダードという感じ。CDというメディアが登場して間もない頃,まず買いたいと思った演奏でした。2枚で6600円もしたのですが,今聞いても新鮮。「ハンマークラヴィーア」ソナタの冒頭部の輝きと力強さのある音を聴くと「これだ!」と感じます。

3つ目はやはりショパンの練習曲集(op.12,25全曲)。誰もがポリーニの代表作と感じる1972年の録音。今から50年以上の録音とは思えない,永遠の若々しさを持った演奏だと思います。第1番ハ長調の練習曲から,勢いのある音の流れが続き,すべてが鮮やかな世界に圧倒される思いになります。

その他,シューマン,シューベルト,ブラームス,プロコフィエフ,ストラヴィンスキーの曲の録音も持っています(どれもドイツ・グラモフォンですね)。書いているうちに全部を聞き返してみたくなったのですが,ポリーニの演奏ばかり聴くのも疲れそう(時間もないので)。これからも折に触れ,気持ちを引き締めたくなった時などに聞き返していこうと思います。

2024年3月23日土曜日

たまに無印良品にいくと,ついつい文房具に目が行き...丸軸万年筆と「おえかきマグネットハンガー」を購入。その後,岩波新書の新刊マイク・モラスキー著『ピアノトリオ:モダンジャズへの入り口』も購入。とても面白そうな本です。

 本日の午前中は金沢フォーラスへ。久し振りだったので無印良品にも行ってみました。行くと必ず文房具が欲しくなってしまいます。本日もついつい,丸軸万年筆(以前から気になっていた商品)と「おえかきマグネットハンガー」(こちらは衝動的に)を買ってしまいました。

丸軸万年筆は次のとおりアルミニウムの胴体のクールな感じの商品。既に万年筆は何本か持っているのですが,色々と試したくなるのは悪い習性です。手に取った感じ心地よい重みがあり,他の1000円代の万年筆よりはちょっと高級感がある感じです。書いてみると結構,硬い感じ。日記を書くのに使ってみようと思います。


インクはヨーロッパ標準のもので,ペン先はFでした。
蓋は本体の後ろにくっつけられますが,結構長くなるので
外したまま書いた方が良い感じかもしれません。

商品名どおり丸軸です。

もう一つの「おえかきマグネットハンガー」の方は,新しい商品かもしれません。2枚のマグネットの間に紙をはさんで飾る...という商品で実は目的をよく考えずに買ってしまったのですが...A4チラシを挟むとぴったりでした。私の場合,日常的に演奏会に通っているので,次に行く公演などを飾り,「気分を盛り上げる」のに良いかもしれません。次のような感じで使ってみようと思います。

結構マグネットが強力なので,1枚だけでなく数枚挟むこともできました。

最後は岩波新書の新刊。某商品券をもらったので,それを使って購入しました。実は現在,「岩波新書新赤版2000点突破記念読者プレゼント」というのを行っており,それに応募することが主目的でした。

https://www.iwanami.co.jp/news/n55235.html

本日買ってみたのが,マイク・モラスキーさんというアメリカ出身の早稲田大学教授(3月末で丁度定年退官とのことですが)が書いた『ピアノトリオ:モダンジャズへの入り口』という本です。


今年の春の連休中に行われるガルガンチュア音楽祭ではジャズも結構演奏されるということで,「より深く楽しむための入門書」として買ってみました。まだざっと内容を眺めただけなのですが,1950~60年代の主流派のピアノ・トリオの名盤の楽しみ方を非常に具体的に示しているということで...「70年前ならばほぼクラシック音楽と変わらない」のではと思いました。「渋い」「グルーヴ」とか日頃,感想を書くときに気軽に使っている用語をしっかりと定義しているなど「さすが岩波新書の中の1冊」という感じでした。

1950~60年代頃の演奏はYouTubeで聴けるものばかり,という点でジャズの基本的な楽しみ方を体感するのにも良さそうです。というわけで,少し時間をかけてじっくり読んでみたいと思います。

2024年3月7日木曜日

本日は一日休暇。ユナイテッドシネマ金沢でヴィム・ヴェンダース監督 #PERFECT DAYS をようやく鑑賞。私にとってもパーフェクトな世界でした。

本日は一日休暇。ユナイテッドシネマ金沢で上映していた,ヴィム・ヴェンダース監督の映画「PERFECT DAYS」を観てきました。

この作品はカンヌ映画祭で主役の役所広司が男優賞を受賞し,米国のアカデミー賞で国際長編映画賞の候補になっている話題作です。今年の正月休みに映画館に観に行こうと思っていたのですが...1月1日に能登半島地震が発生し,観に行くタイミングを逸してしまいました。が,よくよく調べるとまだまだ上映している館があることが分かり,本日の午後からゆっくりと観てきました。

この映画は,東京の公衆トイレ清掃を仕事とする,古アパートで一人暮らしをしている中高年男性の日常生活を描いた作品です。この主役男性を演じるのが役所さんです。この生活が非常に魅力的に撮られていました。

役所さんが演じる平山は,東京スカイツリーの近くにある,都会にしては結構静かな感じの場所に暮らしています。早朝,近所の寺のお坊さんがホウキで掃除する音で目覚め,歯を磨き,植物にスプレーで水を掛け,玄関にセットしてある持ち物を順に身に付け,朝食代わりにアパートの前の自動販売機で缶コーヒーを買って,仕事用の軽自動の中で飲み...というルーティンがしっかりと描かれます。特に変わったことはしていないのに,毎日同じことをきっちりとやっている感じがリアルに伝わって来て,すっかり引き込まれてしまいました。

平山の部屋は,しっかりと掃除され,すっきりと片づいているので,どこか禅寺の修行僧のような感じもしました。朝のルーティンをきっちり撮影している点で小津安二郎の映画に通じる感覚もありました。

その後も平山のルーティンは続きます。仕事に行く途中の車の中では,1970年代のブルース(?)っぽい感じの音楽のカセットテープ(沢山所蔵)を聴きます。この音楽も良かったですねぇ。映画を通じて何回も出てくる,車中でカセットテープを聴くシーンはこの映画の基調とリズムをしっかりと作っていました。

都内の色々なトイレの清掃シーンもきっちりと描かれていました。平山の仕事ぶりは丁寧かつスピーディ。職人気質のようなものが伝わってきました。昼食は神社の境内でコンビニで買ったサンドイッチを食べ,その後,木漏れ日をカメラ(フィルムのカメラです)で撮影するのが日課。仕事が終わった後は,自転車で銭湯まで出かけ(平日夕方に空いた風呂に入るのは気持ちよさそう),その後は,馴染みの駅地下(多分)にある一杯飲み屋へ。

面白いのは,どの場所にも常連が居ることです。神社には平山同様一人でサンドイッチを食べているOLがいるし,銭湯には常連の老人2人組がいるし,一杯飲み屋では主人が何も言わなくても,「おかえりなさい」と言ってチューハイを出してくれる...という感じで,映画のタイトルどおり,パーフェクトな世界が出来上がっています。孤独な人たちだけれども,丁度良い距離感で何となくつながっているというのは,実は東京のような大都市でないと実現できないことなのかもしれません。

夜は就寝前に布団に寝そべって,スタンド照明の下で文庫本を眠くなるまで読むという毎日。レトロな照明の暖かな色合いが大変魅力的でした。その後は夢を見る場面(ここはモノクロになっていました)までしっかりと描かれていました。そして,最初の早朝のシーンに戻ります。

休日は休日でルーティンがあります。昼休みに撮影した「木漏れ日写真」を写真屋さん(こういう店は金沢にはないかも)に現像に出し,前週に出したものを受け取り,フィルムを購入してカメラにセット(なじみの店員さんとは言葉なしで通じる世界),その後,古書店に行き,夜に読む本を立ち読みした上で1冊購入(店員が毎回,一言コメントを付けてくれるあたりに「本への愛」を感じさせます),そして馴染みのスナックへ。この店のママが石川さゆり。このキャスティングは意外でしたが,その後,しっかり歌唱シーンもありました。生ギターの伴奏で歌っていたのは「朝日のあたる家」(この曲は車の中でも聴いていたかも)。これもまたいい味を出していました。

その他,トイレの近くでいつも踊っている不思議な人(田中泯さん。そのものの役柄)がいたり,トイレの目立たない場所に三目並べの書かれた紙が挟まっていて,不思議な交流ができたり...気に入ったシーンを書いているうちに,ほとんど映画全部になってしまいそうです。「ルーティーン」と書いたのですが、全く同じ日はないというのも面白い点です。その象徴が、平山が毎日撮影していた、「木漏れ日」の写真でした。同じように見えて違う。その違いを味わうというのが,生活を楽しみの極意なのだと思います。

映画を全体を通じて,「一人暮らしの良さ」「アナログな生活の充実感」が非常に魅力的に描かれていましたが,これは逆に言うと,常にネット(他人)とつながり,情報がどんどん入って来て,休む間もなく色々な選択を続けていかないといけない現代社会が非常にストレスフルだということを示しているのだと思いました。

その中で,このパーフェクトな日常を揺さぶる「いまにも現代の若者」といった人たちも登場します。平山の同僚の若い男や平山の姪の若い女性などが,平山の過ごす安定した世界に入ってくると,平山視点で少しヒヤヒヤしながら見てしまいました。こういった若い人たちとの,ちょっとぎこちないけれども,暖かみのある交流シーンも面白かったですね。それぞれ違う世界に住んでいるのですが,みんな平山に敬意を持ち,一目置いているのが良いなと思いました(姪との関係については,映画「男はつらいよ」の寅さんに引かれる甥の満男といった感じだったかも)。

映画の終盤,お気に入りのスナックのママが別の男性(三浦友和が登場!)と抱き合っているところをたまたま観て,ショックを受け,河原で缶チューハイを一気飲みするというシーンが出てきます(結構純情な平山ですね)。その後,この男性はママの元夫で,治療中のがんが転移していることが分かって会いに来たということが分かります。少し酔った2人が河原で「影踏み」遊びを始める意外性も面白かったですね。この部分は,この映画では,数少ないルーティンから外れた部分で,それが人生の哀感であるとか,パーフェクトな存在もいつかは壊れるといった儚さのようなものにつながっていると感じました。

主役の平山役を演じていた役所広司は,異例なほどセリフが少ない役柄でした。過去に何か色々と事情があったのでは,と思わせる寡黙さは往年の高倉健さん的でもありましたが,もっと自然体な感じでした。映画の最後のシーンはいつもどおり車を運転する平山の表情のアップで終わっていたのですが,こちらも異例なほどの長回し。役所さんの表情は満足しているようにも見えるし,少し寂しそうにも見えるし...という何ともいいようのない微妙さでした。この表情が映画全体をまとめていたと思いました。

というわけで,私自身の波長とぴったりと合った作品でした。同じようなシーンが繰り返し出てきましたが,それが実に味わい深く,いつまでも観ていたくなるような作品だと思いました。

PS.この映画で気になったのは,車の中でカセットテープで聴いていた音楽の数々と,寝る前に読んでいた文庫本。本の方は,フォークナー,幸田文,パトリシア・ハイスミスの作品でしたが,実際に自分自身で聴いたり,読んだりしてみたくなります。気持ちの良い部屋と本と音楽があれば,それが良い人生と思ったりもしますが...現実的にはそう単純にはいかないと思います。そういう点で現実を描いているようでありながら,理想を描いた作品なのかなと思いました。

PS2.平山が畳の部屋を掃除する時,濡れた古新聞をちぎって丸めたものを部屋に撒き,それをホウキで集めるというやり方をしていましたが,一度実験してみようかなと思いました。

2024年2月12日月曜日

いしかわ生活工芸ミュージアムで七尾の高澤ろうそくの菜の花ろうそくとミニ燭台を購入してみました。

昨日,石川県立美術館に行った後,その近くにある,いしかわ生活工芸ミュージアムに行ってみました。石川県内の工芸品をずらっと展示し,ショップも充実している博物館なので,復興支援も兼ね「何か買ってみようかな」と思い行ってみました。


まず入口付近で,金属工芸コレクション展というのをやっていました。


販売品なのですが金額的にはほぼ展示品という感じでした。富山県高岡市のお店の金属製品を色々売っていました。その中でいちばん目を引いていたのが,次の鐘でした。


この鐘は恐ろしくてなかなか叩けなかったので,音階が出る次の写真の方を軽く叩いてみました。澄んだ音が気持ち良かったですね。

ショップの方では,石川県の工芸品関連のお土産を色々と売っているのですが,この日は七尾市の高澤ろうそくの商品を買うことにしました。

実は自宅の仏壇用に,既に「ろうそく消しあひる」というグッズを持っており,愛用しています。

https://takazawacandle.stores.jp/items/6039b01c6728be38072bf038

ろうそくに火を付けた後,炎を消す必要があるのですが,団扇などであおいで消すと,灰が舞い散るので,実用的にも必要なグッズです。ピンセットでも代用できるのですが,よく使うので,数年前に購入しました。

今回はこの高澤ろうそくの菜の花ろうそくというのを買ってみることにしました。せっかくなので,小型の燭台も購入。並べてみると次のような感じに。小型の燭台ですが,重みがあり安定感があります。

部屋が暗くなってから灯けてみました。やはり安心しますね。


ちなみに右側にある「おりん」ですが,ミュージアムにあったような澄んだ音が出ないか,久し振りに掃除をして試してみました。確かに掃除する前よりは,音の伸びがよくなった気がしました。

というわけで,毎日この蝋燭を付けてあれこれ祈ることにしたいと思います。

2024年1月1日月曜日

新年あめましておめでとうございます。2024年の正月三が日は自宅にこもる予定。金沢は快晴です。おせち料理は一気に消費でれ,水書セットで年賀状を書いてみました。

 新年あめましておめでとうございます。2024年の元旦,金沢は快晴です。社会全体の状況がほぼコロナ禍前に戻ったこともあり,今年は昨年よりは大人数で新年を迎えています。昨年と同様のおせち料理を食べているのですが,朝だけで一気に半分以上なくなりました。


今年は,諸般の事情で金沢市内まで初詣に行けないので,金沢名物の「辻占」がおみくじ代わり。出てきた言葉は,「酔わせて聞きたい事ががある」。この言葉,見覚えがあります。昨年と同じような気がします。

上の写真に写っている金沢名物の福梅ですが,今年は森八のものを購入してみました。今から食べたいと思います。

最後に,話のネタになるかと思って買った書道練習用の「あかしや水夏セット」。


児童用の商品ですが,こういうのは結構普遍的に楽しめる気がします。といわけで,年賀状代わりに書いてみました(少々水分不足で,すぐに消え始めてしまいました)。

今年もよろしくお願いします。

2023年12月24日日曜日

シネモンド開館25周年記念 映画「秋聲旅日記」を鑑賞。金沢らしさ秋聲らしさあふれる映画の後は,甫木元空監督を交えたトークイベント。シネモンドならではの上演&企画でした

本日の午後は,シネモンド開館25周年記念,青山真治特集として行われた,映画「秋聲旅日記」をシネモンドで観てきました。

シネモンドが開館したのは1998年12月。この時,映画「ムトゥ:踊るマハラジャ」を観たことは今もしっかり覚えています。あれから25年,金沢の香林坊には「無くてはならない場所」であり続けていると思います。

今回上演された「秋聲旅日記」は,昨年3月に亡くなった青山真治監督が,20年以上前に金沢で行われた映画のワークショップがきっかけとなって生まれた中篇(43分)です。タテマチ商店街とシネモンドなどが中心となって作られた作品ということで,25年を振り返るのには相応しい作品と言えます。

この作品ですが,ストーリーはシンプル。「訳あり」の秋聲が金沢に戻って来て,なじみの女性の営業する東茶屋街の宿に数週間滞在した後,東京に戻る...といったものです。独特なのは,ドラマの内容自体は,セリフなどはほぼ原作どおりなのに(複数の秋聲作品を組み合わせたもの。調べてみると「挿話」「籠の小鳥」「町の踊り場」「旅日記」が原作),映像の方は現在の金沢という点です。

冒頭,秋聲は小松空港に飛行機で到着するのですが,着ている衣装は当時の秋聲のまま。その後,現代の車で金沢まで移動し,鮎を現代のお店で食べます。その後,芸妓の歌や三味線を聴いたりします。いちばん面白かったのは,秋聲がジャズボーカルを昔なじみの芸妓などと一緒に聴くシーンでした。ここで出てきた店が,柿木畠の「もっきりや」(この店には何回も行ったことがあるので嬉しくなりました)。そして,ケイコ・リーさんによる情感たっぷりのボーカルをしっとりと聴かせてくれました。中篇作品なのに,この曲は1曲全部入れるなど,たっぷりと時間を取っていたのも大胆。時の流れ方が分からなくなる感じのする作品です。

そして,時空を飛び越えた映像なのに,全く違和感を感じさせないのは,やはり金沢でロケをしているからだと思います。金沢の観光地には,江戸時代から続く茶屋街だけでなく,金沢21世紀美術館などもありますが,その「金沢らしさ」がそのまま映像化されていると思いました(ただし21美がオープンしたのは,この映画の撮影後です)。そして,秋聲自身のキャラクターの「和洋折衷」感にも合っていると思います。同じ金沢出身でも,犀星や鏡花については,和服のイメージですが,秋聲の方は洋装のイメージが強いですね。その辺の「茶屋街を描きつつも,モダンさも持った雰囲気」が,秋聲らしいと思いました。

というわけで,物語的には大きなドラマはなくとも,時空を超えた不思議な雰囲気に浸れるというのが金沢人にとっては嬉しい作品です。恐らく,金沢在住者以外が観ても,怪しげな魅力が伝わり,金沢に来てみたくなるのではと思いました。

役者さんでは,秋聲役の嶋田久作さんの無骨で飄々とした感じが,秋聲に合っていると思いました。ただし,実際の秋聲よりはかなり長身ですね。相手役・お絹は,とよた真帆さん。故・青山監督の奥さんということで,映画後のトークでは,「明らかにとよたさんを丁寧に映していますね」といった話題が出ていました。確かに「もっきりや」の場で,とよたさんの「うなじ」を結構長く映していました。というわけで...とよたさんの美しさも見所の一つです。

この日は青山監督との弟子である,甫木元空監督も来館しており,上演後この作品のことを中心としたトークが行われました。こちらも興味深いものでした。次のようなことが特に印象に残りました。

  • 20年ぶりに上演して,フィルムの劣化で色が変わっていた。いつの時代か分からない感じがさらに強くなって,作品にマッチしているかもしれない。
  • 「風景はその時にしか撮れないもの。映画はそれを記録している」といったことを,酔った青山監督が語っていたとのこと。
  • 20年前,試写会をした際,「映画の中に金沢の湿度の高さが写っている」という感想があり,嬉しかった(トークイベントに登壇されていた,シネモンド開館時に支配人だった土肥さんのお話)

その他,「劇場で映画を観ることの良さ」について質問された甫木元監督が語った言葉については,私自身,「そのとおり,同感」と思いました。次のようなことをおっしゃられていました。

  • 自分以外の違ったお客さん観られることが楽しみの一つ。「ここで笑うんだ」など自分の感覚との違いが分かる。それも毎回違う。
  • 映画の前後の風景などの方が記憶に残ることもある(例えば,今日だと外に雪が残っているとか)が,それで良いと思う。映画が色々なことのきっかけになれば良い。
  • 映画館ごとに音の響き方が違う。ここもライブっぽい点だと思う。

私もこの「ライブ感」が好きです。自宅でテレビを観ても,映画館ほどには集中できないということもありますね。

トークの最後は,シネモンドの25年を振り返るスライドショー。色々と懐かしい写真が出てきました。上映された作品+トークということで,シネモンドでないと味わえない,上演&企画だったと思います。


映画を観た後は,久し振りに東急スクエアをブラブラ。世間はクリスマス・イブということで,賑わっておりました。その後は,久し振りにバスで帰宅。いつもしないことをたまにするのも新鮮な気分になって良いものだと思いました。