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2026年4月29日水曜日

追悼・マイケル・ティルソン・トーマス―わが家にあるガーシュイン,ベートーヴェンのCD+潮博恵著の関連書籍を紹介

 先日亡くなった,指揮者のマイケル・ティルソン・トーマス(MTT)さんをしのんで,本日はわが家にあるCDを聞いています。MTTといえば,私よりもかなり年上なのですが,「いつまでも若手」という印象があります。非常に明確で整理された音楽。老いとは無縁の新鮮さの漂う音楽を聞かせてくれていたので,その死が信じられないようなところがあります。

MTTの名前を最初に聞いたのは,1970年代中頃のガーシュインのラプソディ・イン・ブルーの録音です。ガーシュイン自身が演奏したピアノ・ロールにMTT指揮のジャズバンドがピタリと付けた演奏。ピアノ・ロールの方は容赦のないテンポ設定なので,猛スピードになっている部分もあり,MTT自身の意図とは違う部分もあると思いますが,その意地でもつけようという職員技が見事です。カップリングされている「パリのアメリカ人」でのしなやかに弾む感じが本来のMTTなのかもしれません。

このラプソディ・イン・ブルーをMTT自身のピアノの弾き振りでロサンゼルス・フィルと再録音したCDも持っています。こちらは正真正銘のお気に入りのCDです。上記の「ガーシュインとの共演盤」同様,ジャズバンド編成(一般的に使われているグローフェ編曲版よりは,もっとコンパクトな感じ)での演奏で,どこか粋でスマートな雰囲気に溢れています。その他,ガーシュインが作曲した断片的な作品などをMTTが復元したり編曲した曲が色々と入っています。メランコリックで甘い感じの曲があったり,ちょっとフランス音楽風の曲があったり,ガーシュインのピアノ曲の面白さと同時に,ピアニストとしてのMTTの素晴らしさも実感でいます。


もう一つ持っているのが,セント・ルークス室内管弦楽団を指揮した,ベートーヴェンの「英雄」交響曲です。こちらは数年前,中古音盤市でたまたま見つけて購入したものです。古楽器演奏が台頭してきた1980年代中頃に録音された現代楽器によるベートーヴェンなのですが,今聞いても古くさいところは全くありません。メリハリの効いた推進力のある演奏は,オーケストラ・アンサンブル金沢のベートーヴェンにも通じるところもあります。第1楽章終盤のトランペットが主題を演奏する部分は,オリジナルの楽譜だとメロディが途中で消えてしまうのですが,以前はここを「正しく」補うのが一般的でしたが,現在ではオリジナルどおり演奏するのが主流だと思います。この部分については,1980年代ということで,当時主流だったメロディを補った形で演奏しています。


最後に紹介したいのは次の本です。

潮博恵著『オーケストラは未来をつくる:マイケル・ティルソン・トーマスとサンフランシスコ交響楽団の挑戦』アルテスパブリッシング, 2012年

このコンビの演奏や活動に感銘を受けた,石川県立音楽堂のコンサートでの解説や司会でもお馴染みの潮さんが音楽面だけでなく,オーケストラの経営面や教育活動など多角的な角度からその素晴らしさをまとめた本です。実はこの本は潮さんからご恵贈いただいた本です。が,内容についてはほとんど忘れてしまっているので,MTT追悼の意味も込めて再読してみようと思っています。

2026年4月12日日曜日

この週末は恒例の中古音盤市へ。ハイドン,モーツァルト,スメタナ,アンコール・ピース集...今回はピアノ曲を中心に購入

この時期恒例の中古音盤市がこの週末に石川県教育会館で行われたので出かけてきました。割引券があるとついつい来てしまいます。特に意識をしていたわけではありませんが,今回はピアノの入る曲ばかり買ってしまいました。まだ全部聞いていないのですが,概要を紹介しましょう。

ダ・カーポ!ピアノ・アンコール・ピース / ミヒャエル・クリュッカー


ピアノの小品を集めたCDです。何となく収録曲を眺めてみると...結構こだわりの選曲。CDとして持っていない曲ばかりだったことと,ものすごく安かったので(もともとARTE NOVAレーベルは廉価ですが)購入。最初に収録されているモーツアルトの「バターのついたパン切れ」をはじめ,聞けそうで聞けない曲が集まっていて楽しいですね。

モーツァルト/ピアノ協奏曲第9,20,23,24番 / ミハイル・プレトニョフ(ピアノと指揮)ドイツ・カンマーフィルハーモニー

こちらは2枚組ですが,700円ぐらいの廉価盤でした。モーツアルトのピアノ協奏曲の中では「ジュノム(近年の研究の結果,「ジュナミ」「ジェナミ」など別の呼称の方が正しいようですが)」のステレオ録音を持っていなかったので購入。ピアノのプレトニョフもドイツ・カンマーフィルもどちらもクールな感じで,透き通るような美しさがあります。好みとしては,もっとウェットで「愛想らしい」感じの演奏が好きなのですが,モーツァルトのピアノ協奏曲は大好きな分野なので,色々なタイプを揃えるのも楽しいのではと思います。


スメタナ:ピアノ三重奏曲ト短調op.15他 / スーク・トリオ

こちらはスメタナのピアノ三重奏曲に惹かれて購入。1年少し前の竹田理琴乃さんの「リサイタル」で演奏されたのがこの曲。とても良い曲だったので,もう一度聞いてみたいと思います。スークのピアノ三重奏曲とカップリングですが,こちらは聞いたことのない曲。本家スーク・トリオの演奏というのも注目です。


ハイドン:ソナタ&変奏曲集 / アンドレアス・シュタイアー(フォルテピアノ)
ハイドンのピアノ・ソナタもCDでは持っていなかったので購入。最近,家の中で聞くならば,古典派以前の鍵盤音楽をチェンバロやフォルテピアノなどで聞くのが良いなぁとしみじみ思うようになってきたので,このジャンルに力を入れています。3枚あるので,少しずつ聞いていこうと思います。


というわけでセットものもあったので,合計枚数としては7枚。合計3000円だったので...1枚あたりの金額は500円以下ということになります。結構良い買い物だったかもしれませんね。



2026年3月21日土曜日

NAXOSレーベルのチャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」&第3番「ポーランド」...お気に入りの録音です。

 今年の2月は石川県内で行われたアマチュアオーケストラの演奏会で,滅多に演奏されないような交響曲が次々と演奏されました。メンデルスゾーンの交響曲第2番「讃歌」,ブルックナーの交響曲第6番,そしてチャイコフスキーの交響曲第1番と第3番。それぞれCDは所蔵しているのですが,やはり実演で聞きたくなり,全部出かけてきました。

この中のチャイコフスキーの2曲ですが,NAXOSレーベルに入っている2枚のCDが私にとっての定番です。

NAXOSは「クラシック音楽の文庫本」といった感じで,1980年代後半に1000円以下の廉価盤シリーズとしてスタートし,人気集めていました。現在はCDというメディア自体のあり方が変わってきているので,別のコンセプトになってきているようですが,私自身当時,よくこのレーベルの録音を買っていました(俵孝太郎さんの著作の影響も受けていますが)。

このチャイコフスキーの交響曲2曲の録音も,大げさなところや派手な感じはないのですが,それが”寒い国の交響曲”といったムードにぴったりです。オーケストラはポーランド国立放送交響楽団(Polish National Radio Symphony Orchestra),指揮は第1番がエイドリアン・リーパー(Adrian Leaper),第3番がアントニ・ヴィット(Antoni Wit)です。リーパーの方は,ほとんど知られていない方ですが,「派手な演出をしない」という点で,この2曲を気楽にあまり神経質にならず,ゆったりと楽しむには丁度良いのではと思います。


何より録音の雰囲気が好きです。どちらもカトヴィツェにあるポーランド放送のホールでの録音で,どちらもほの暗い感じの落ち着いたトーンがしっとりと広がる心地よさがあります。この録音を聴きながら,窓の外に雪が降っているのが見えたりすると...まさに「冬の日の幻想」といった趣きです。

というわけで,現在は冬が終わり,もうすぐ春という季節ですが,冬になると(暖かい部屋の中でですが)聴きたくなる,お気に入りの2枚です。

2026年2月15日日曜日

1月末に亡くなった山下和仁さんをしのんで,ギター編曲版「展覧会の絵」とバッハ小品集のCDを聞いています。 

 1月下旬にギター奏者の山下和仁さんが亡くなられたという訃報を聞いて,多くの音楽ファン同様,びっくりしました。1970年代,山下さんが10代だった頃から,オーケストラ曲をギター1本で演奏する驚異の編曲と演奏で多くの人を魅了。何となく「超人的な人」という印象を持っていたので,60代前半という若さで亡くなられたということが信じられない気持ちです。

その追悼の意味を込めて,我が家にあるCDを聞いています。まずはムソルグスキーの「展覧会の絵」とストラヴィンスキーの「火の鳥」(組曲版)を組み合わせた1枚。オーケストラの多彩な響きをギターで表現。精妙さと激しさではオーケストラ版以上かもしれません。2つの声部を1本のギターで演奏するたたり,「どうやっているのだろう?」という感じです。2重録音ならば可能だとは思いますが,リアルに1本で演奏している緊迫感が漂います。


山下さんの公式サイトに「展覧会の絵」を演奏している動画が公開されていました。

最初の方しか見ていませんが,これを見ると,よく「天才」と言われる山下さんですが,その一言では済まないような気がします。才能に努力や執念のようなものが加わらないと実現できないような演奏だと思います。

もう一つ持っているのが,中古CDとして何気なく買ったバッハの小品集です。こちらは2003年ころの録音です。

こちらもすべて山下さんのアレンジですが,「展覧会の絵」とは一味違う凄みが漂っています。曲によっては,音数は少なく,テンポも速くないのですが,その一音一音に魂がこもっている感じがします。バッハと言えば対位法ですが,メロディの線と線とが独立していながら,しっかりと絡み合っていく感じに聞き流せない凄みが漂います。

山下さんは亡くなられましたが,その演奏は不滅だと思います。個人的に聞いてみたいのは,ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の録音。独奏部をギターで演奏したものです。大昔,NHK-FMで聞いた記憶があるのですが,もう一度聞いてみたいですね。これを機会に追悼盤の発売を期待したいと思います。

2026年2月14日土曜日

追悼・ヘルムート・リリング ヘンスラーのバッハ全集中のバッハのロ短調ミサ曲をレクイエムとして聴いています。この録音,実はとても豪華なメンバーが参加...

 ドイツの指揮者でオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)にも客演したことのある,ヘルムート・リリングさんが亡くなられました。

私自身,最初にリリングさんの演奏を聴いたのは,かなり昔のことでオルガニストとしてだったのですが,その業績は何と言っても大量に残されたバッハの合唱曲の録音でしょう。2010年1月24日,リリングさんがOEKを指揮した時の曲もバッハのロ短調ミサ曲の全曲が演奏されました。

実はリリングさんが中心になって2000年頃にドイツのヘンスラー・レーベルが作ったバッハ全集(輸入盤)が我が家にあります。何かの懸賞で「見事当選!」していただいたものです。いまだに全部聴いていないのですが,その中のカンタータや受難曲などの宗教音楽を一手に引き受けているのがリリングさんです。

2010年の演奏会後にも,このバッハ全集の中に含まれているロ短調ミサ曲のジャケットにサインをいただいきました。

そしてこの録音を追悼で聴いています。晴れた冬の朝の空気感にぴったりの清々しい演奏です。この録音のソリストなどを確認してみたのですが...声楽家の中にはジュリアーナ・バンゼ,アンドレアス・シュミット,トーマス・クヴァストホフなどその後国際的に活躍している人が含まれていました。粒ぞろいのソリストという感じです。


そして演奏しているバッハ・コレギウム・シュトゥットガルトのソリストです。よくよく見ると,12月にOEKの特別定期公演に登場したラデク・バボラークさんの名前がホルンに入っていました。


フルートのジャン・クロード=ジェラールさんの名前も見覚えがあります。オーボエ奏者のヘッダ・ロスヴァイラー ( Hedda Rothweiler)さんは茂木大輔さんのエッセーの中に登場していた気がします(今度確認してみます。リリングさんも登場していましたね)。リリングさんの下にベテランから若手まで色々な名手が結集したアンサンブルのようですね。

というわけで追悼の意味も含め,茂木さんのエッセーを読みながら,ヘンスラーの全集を久しぶりにコツコツと聞いてみようと思います。

2025年12月21日日曜日

今年の年末は第九もメサイアも実演では未聴。かわりに「トリトン晴れた海のオーケストラ」他による意欲満々の第九を聴いています。メサイアの方は...

 年末のクラシック音楽公演といえば第9,メサイアが定番。金沢ではオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)が年末に第9公演を行わない方針(?)ということもあり,主に北陸聖歌合唱団によるメサイア公演を聴くのを恒例としていました。が,今年はOEKのPFUクリスマス・チャリティ・コンサートとメサイア公演とが重なってしまい,PFUの方を選択。

第9もメサイアも聴かないのも寂しいかなということで,今週末はCDで第9を聴いています。第9のCDは何枚か持っていますが,本日聴いたのは次のCDです。

矢部達哉さんがコンサートマスターをつとめる「トリトン晴れた海のオーケストラ」他による2021年のライブ録音CDです。この演奏に興味を持ったのは,数年前にNHKの特集番組でこの演奏の練習の様子を詳細に取り上げていたからです。指揮者無しで各パートのトップ奏者たちを中心に解釈や奏法について細かく意見交換しながら音楽を作っていく過程が放送され,「すごいなぁ」と思った記憶があります。

その記念に購入したのがこのCD。聞いてみると第1楽章の冒頭からいつも聴いている演奏と一味違う部分が続出。ティンパニの強打をはじめとして意欲満々の演奏です(オーケストラ名にちなんで,「天晴れ」とか声を掛けたくなりますね)。その点で少々疲れる部分もあるのですが,数ある第9のCDの中でも強い存在感を放っている録音だと思います。

たたし第4楽章で声楽が入ってからは,ちょっと別の方向性になっている気もします。生々しく喜びに溢れた声の迫力はあり,東京混声合唱団は素晴しいのですが,独唱者の方についてはオーケストラの精緻さと比べると,結構自由というか少々雑な感じもします。

というわけで,テレビ放送を見たこともあり,ほとんど実演で聴いたのも同然という実感を持つことができる演奏だと思います。

もう一つの「メサイア」の方については,こちらはあまり選択肢がなく,トレヴァー・ピノック指揮イングリッシュ・コンサートの演奏を聴こうかと思っています。こちらは個人的な定番になっている演奏です。


年末(というかクリスマスの)定番の曲として,チャイコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」もありますが,こちらについてはOEKの演奏でしっかり実演・ステージを観てくる予定です。

2025年10月23日木曜日

2025年秋の音盤市,今回買ったのはバーンスタインのストラヴィンスキー,ピレシュ&グシュルバウアーのモーツァルト,謎のフェドセーエフの録音。LPレコードの展示も楽しめました

定期的に金沢市内で行われている音盤市がこの前の週末,金沢駅もてなしドーム地下行われたので出かけてきました。購入したCDを紹介しましょう。


1枚目はバーンスタイン指揮による「春の祭典」と組曲「火の鳥」(1919年版)の録音。10月下旬のオーケストラ・アンサンブル金沢の定期公演にちなんで購入。

自分でも意外だったのですが,1919年版の組曲「火の鳥」のCDを持っていませんでした。実演では何回か聞いているのですがCDでも欲しくなって購入。このCDですが,「春の祭典」の方がロンドン交響楽団,「火の鳥」の方がニューヨーク・フィルハーモニックの演奏です。それぞれ1972年,1957年の録音ということで,生きの良い演奏。「春の祭典」の最後の部分は2つの音で終わるはずですが,ほとんど1音のようにズバッと終わっているあたりが独特です。「火の鳥」はさらに若い時の録音で,軽快な爽快さのある演奏。終曲などは,晩年のバーンスタインのイメージからすると,結構あっさりした印象かもしれません。

2枚目は指揮者のテオドール・グシュルバウアーの名前を見て懐かしくなり購入。1970年代,クラシック音楽を聴き始めた頃,FM放送でよく耳にした名前です。そしてピアノは若き日のマリア・ジョアン・ピレシュ。この頃は日本語表記が一定していない感じで,「マリア・ジョアオ・ピリス」とか書かれていることが多かった記憶があります。


後から気づいたのですが...表紙の写真はなぜか盆栽。エラートの録音ですが,BONSAIという再発盤シリーズのようです。収録されている曲は,ピアノ協奏曲第13番と第14番+交響曲第29番。20番以降のCDは結構持っているので,10番台の曲を聞いてみたいと思い購入しました。

もう一つ後から気づいたのが,「AAD」の表記。アナログ録音をCD化した場合,「ADD」のものが大半なので,今どき珍しい...と書こうと思ったのですが「今どき」ではなかったですね。中古盤ならです。ピレシュもグシュルバウアーも大げさなパフォーマンスをするアーティストではなく,瑞々しく端正な演奏を聴いていると,とても落ち着きますね。

3枚目は,まず指揮者のウラディーミル・フェドセーエフの名前に目が行ったのですが,よくよく見ると収録されているのはヴァイオリン協奏曲などソリストが主役の曲ばかり。まずこの「表記のアンバランスさ」に注目してしまいました。


ジャケットの表記では目立たないのですが,アンドレイ・コルサコフというヴァイオリニストの見事な技巧が楽しめる録音になっています。若くして亡くなったヴァイオリニストのようですが...それならば,この方の名前の方を大きくしてあげれば良いのにと思わせる録音です。「チャイコフスキー交響楽団」というオーケストラの名前も目立ちます。日本では現在でも「モスクワ放送交響楽団」という名前で呼ばれているようですが,こちらがソヴィエト連邦崩壊後(もう35年ぐらい前になりますが)正式名称のようです。

ソリストよりも指揮者の名前の表記が大きい理由は謎ですが,それだけ(特にロシア国内では)フェドセーエフが尊敬され,人気が高いということなのでしょうか。聞いたこともないレーベルの録音なので,その点でも貴重な音盤かもしれません。

解説書内の写真も指揮者の方が大きくカラーです

3枚ともざっと聞いただけなので,これからじっくりと聞いてみたいと思います。

音盤市でもう一つ楽しみにしているのが,LPレコードのジャケットの展示です。今回のテーマは「おいしいもの」。こういう展示ができるのもLPレコードの楽しさですね。


財津和夫さんが水の中(?)で食事中という結構シュールなジャケット

チューリップということで,こちらも財津和夫さん関連。かなり初期のLPのようです。

大関・増位山。最近お亡くなりになられました。お相撲さんには,歌の上手い方が多いですが,歌手(まげを結っている写真なので二刀流ですね)としてもっとも売れたのはやはりこの方。琴風さんもレコードを出していましたね。

服部克久さんの音楽畑。これはシリーズものだった記憶があります。

北海道といえばカニ。写真のカニは毛蟹でしょうか?

スペインの歌を集めたLP。何かを飲んでいますね。アルコール類でしょうか。

これはよく分からないレコードだったのですが,昔懐かしい歌手・俳優の顔が並んでいます。

ジューシィ・フルーツという名前のグループ。この名前からしてテーマにぴったりですね。

最後は渡辺貞夫さんのレコード。直筆のサイン入り。最後に「。」が付いているのが面白いですね。
というわけで,この音盤市ではジャケット展の方も楽しみにしています。

2025年9月27日土曜日

NHK朝ドラ「あんぱん」最終回にちなんで「それいけ!アンパンパン:ベストヒット'96」というCDを久しぶりに取り出してみました

 NHKの朝ドラ「あんぱん」も昨日で終了。半年間楽しませてもらいました。

主人公・のぶは最後難病にかかりますが,亡くなって終わりとするのではなく,夫・たかしの尽力もあり,最後の数年間は「いきるよろこび」を持って生きることができた...といった終わり方にしていたのが良かったと思いました。「命をつないでいく」という「アンパンマン」のお話に合ったエンディングだったと思います。

というわけで,我が家に残っている,テレビアニメ「それいけ!アンパンマン」で使われていた音楽を集めたベスト盤を久しぶりに取り出してみました。「幼児はみんなアンパンマンが好き」という法則(?)どおり,我が家の子どもも大好きで,その流れで買ったものですが...30年近く前のものということに感慨を感じます。次の写真のとおり相当ボロボロです。

朝ドラの最後の方でも「アンパンマンのマーチ」は重要な役割を果たしていましたが,この曲のイントロのシンバルの鮮烈な音が聞こえると,「パッ」と画面を見てしまいますね。朝ドラの最終回前日では,「無事アニメがスタートできました」というシーンで使っていましたが,この明るい画面を見るだけで泣けてきそうになります。

歌詞カードにはこの曲に合わせて踊る
振付けも描かれていました。

このベスト盤に収録されているのは次のような曲です。すべて,やなせさん自身が作詞しています。


実はアニメ自体,私自身はあまり見たことはないのですが,ばいきんまんとかドキンちゃんといったキャラクターはお馴染み。それぞれに人気がありますね。

明るいキャラクターが多い中,一味違うのがロールパンナ。ドラマでは蘭子(Rの音が共通しますね)が担当。他にも色々なキャラクターが出てきましたが,「アンパンマン」の世界観と「あんぱん」の世界観がとてもうまく重なり合っていた(誰が誰のイメージか探すのも)のも面白かったと思います。

それにしても蘭子役の河合優実さんは良かったですね。助演女優賞だったと思います。何とも言えない「冷めているような燃えているような感じ」「昭和の感じ」は,妻夫木さんの抑えた演技ともども,ドラマ全体の中で明るいアンパンマンの世界の対旋律のようにずっと続いており,それが「見応え」を作っていました。

そして今田美桜さん。ドラマの最後に行くほどドキンちゃんに顔つきが似てきたように感じてしまいました。ちなみに次の「私はドキンちゃん」は,いずみたくさんの作曲です。


好むと好まざるに関わらず,色々な人たちが重なり合い,つながり合い,時にはアンパンパンのようなヒーローに救ってもらいながら,結構生きるのが大変な人生を生き抜いていく。ある意味メルヘンの世界なのかもしれませんが,その世界観は多くの人にとって,生きる力になっていると改めて感じさせてくれるドラマでした。

2025年9月25日木曜日

先日のOEK定期公演でトム・ボローさんがアンコールで演奏した、バッハ,J.S.「羊は安らかに草を食み」。大好きな曲を聴き比べしてみました。

 先日のオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)第496回定期公演で、ピアニストのトム・ボローさんがアンコールで演奏した曲が、J.S.バッハ作曲の「羊は安らかに草を食み(Schafe Können sicher weiden)」でした。もともとは「狩のカンタータ」と呼ばれている宗教曲に含まれるソプラノのアリアですが、とても親しみやすく美しい曲ということもあり、色々な形に編曲されて演奏されることも多い曲です。

個人的には、NHK-FMでかつて放送していた「あさのバロック」という番組のテーマ曲として聞いたのが印象に残っています。正確にいうとこのテーマ曲でこの曲を知りました。朝6時代の静かな空気にぴったりの曲で、それ以来、大好きな曲となりました。

このFM放送では、オリジナルの歌入りではなく、ソプラノの部分をヴァイオリンに変えた管弦楽曲版を使っていたので、この曲の管弦楽版を含む「バロック音楽名曲集」的なCDを買ってみたことがあります。それが次のCDです。

懐かしい名前ですが、カール・ミュンヒンガー指揮シュツットガルト室内管弦楽団の演奏が中心です。ただし...その中に入っている演奏ですが、どうも「あさのバロック」のテーマ曲の音源とはちょっと違う感じ。FMのテーマ音楽だと、通奏低音のオルガンが下降するフレーズを演奏するのですが(このフレーズがなぜか好きなのです)、ミュンヒンガー版には入っていませんでした。

「残念」というわけで、YouTubeで探してみました。私の印象では、次のネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団の演奏のような気がします。

https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=B1nyzGR3tUE

真偽はわかりませんが、マリナー版のオルガン担当の奏者が勝手に付け加えたのかなと勝手に想像をしています。この音源、中古CDなどで見つけたら入手してみたいと思っています。

さてこの曲のピアノ版ですが、今回演奏されたのはエゴン・ペトリという人が編曲したもので、ピアノ版の定番のような感じです。我が家にある音源は、今年5月のガルガンチュア音楽祭に出演した、實川風(じつかわ・かおる)さんがバッハの曲を集めたCDです。このアルバムにこの曲が収録されていたので聞いています。とても実直に演奏された安心して聴ける演奏です。


演奏後、サインもいただいています。

ちなみにこのCDですが、背の表記は次のとおり「實川風バッハ」。ヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ」のパロディのようで、そのネーミングセンスも気に入っています。

CDの背の部分にしか書かれていません。

ピアノ演奏版ではレオン・フライシャーがこの曲を演奏するのをテレビ(フライシャーの追悼番組)で見たことがあります。フライシャーは右手の故障のため「左手のピアニスト」として活躍していたのですが、リハビリで右手の機能も回復し、両手でこの曲を演奏したという演奏。この演奏ももう一度聞いてみたい気がします。

その他、シンセサイザー版バッハの先駆者、ウェンディ・カーロスが編曲したものも聴いた記憶があります。これも探せば音源がWebに乗っているかもしれません。

最後はオリジナル版です。ヘンスラーというレーベルから2000年頃にリリースされたバッハ全集の中に入っているヘルムート・リリング指揮のCDを持っています。この演奏はオリジナル楽器による演奏ではないのですが、例えば現代のフルートではなくもっと素朴な音のするブロックフレーテを使っていたり、バッハ時代に近い雰囲気を持った演奏だと思います。ソプラノはエヴァ・キルヒナーという方で、耳が洗われるような瑞々しい声です。

「狩のカンタータ」はBVW.208の方です



No.9が「羊は安らかに草を食み」です。

ちなみにバスはマティアス・ゲルネ。1990年代後半の録音ですが、この方は今では世界を代表する歌手になっていますね。その若き日の歌です。「狩のカンタータ」に先立って、ブランデンブルク協奏曲第1番の第1楽章と同じ音楽が序曲として収録されているのですが(上の写真のトラック番号です)、このカンタータ用に使われていたという説を踏まえて一緒に演奏しているようです。ホルンの雰囲気など狩の気分によく合っていますね。

というわけで、この曲、世界中で色々な人に愛されている曲のようです。今後も色々なアーティストがアンコールで演奏してくれるのではないかと思います。

2025年9月11日木曜日

追悼・吉行和子さん OEKの応援団でもあった吉行さんの語りで演奏された、岩城宏之指揮 武満徹「系図(ファミリー・トゥリー)」を久しぶりに聞いています。

 9月2日に俳優の吉行和子さんが亡くなられたという訃報がありました。吉行さんは、岩城宏之さんが音楽監督だった頃からオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の「応援団」として、プログラムにずっとお名前が掲載されていました。


ここ数年はOEKとの共演はありませんでしたが、グリーグの「ペール・ギュント」と武満徹の「系図」のナレーターとして実演を聴いたことを思い出します。このうち「系図」の方は次のとおりCD化されています。

三善晃さんの作品とのカップリング。
その曲でピアノを演奏している木村かをりさんのサイン入り。


この曲はもともとは大編成オーケストラのための曲ですが、この時は岩城さんがOEK用にアレンジした版で演奏されました。谷川俊太郎さんの詩は「むかし、むかし」で始まりますが、吉行さんのちょっとハスキーな声で聞くと、おばあさんが昔話を読み聞かせるような雰囲気になります。淡々とした中に温かみのある語りを聞くと落ち着きますね。岩城さん指揮もあっさり気味ですが、やはりその中に滋味深さが漂っています。個人的には、あまりにも情感たっぷりの朗読を聞くと...ちょっと引いてしまうようなところがあるので、この曲についても、「これぐらいの感じ」がちょうど良い気がします。というわけで、私にとってのこの曲の定盤がこの演奏です。

その他、色々OEK関連の資料を調べてみると、次の本の中にエッセーを書かれているのを見つけました。




「ペール・ギュント」の時の写真も掲載されていましたが、「9月6日=岩城さんの誕生日で、ハッピーバースデーの音楽を聞いたなぁ」と思い出しました。やはり、紙の本やCDなど、形のあるものの方が懐かしさが増すものですね。