子どもの学校の冬休みの宿題として「英語の映画を見て印象的なセリフをまとめよう」というものが出されました。いくつか課題映画が挙げられていたので,そのリストを見せてもらったところ,「ローマの休日」が含まれていました(なぜか,「燃えよドラゴン」も入っていましたが... どういうセリフがあるのか気になります)。
我が家に,この映画のシナリオ付きDVDがあったので(宝島社から出ているムックを中古で買ったものです。たまたま持っていました),「これが良い」と子どもに薦めてみたところ,珍しく素直にこの映画を見ることになりました。
実はもう一人の子どもの方も英語の時間にこの映画を教材にした授業をしている,ということだったので「もう見るしかない」という状況でした。
久しぶりに「ローマの休日」を見たのですが,やはり面白いですね。子どもたちも,それぞれに笑うべきところで笑っていました。60年前の作品がそのまま楽しめるというだけですごいと思います。まさにロマンティック・コメディ+観光地映画の古典ですね。
外国映画の場合,字幕や吹き替えの日本語をどうするかというのが難しいところでもあり面白いところでもあります。「ローマの休日」では,王女の“活躍”を小型カメラで撮影した後,「現像してくれ」と友人のカメラマンに,王女に分からないように頼む場面で,そういう部分がありました。
字幕では,「ネガわくば仕事を頼む」となっており,「現像してくれ」と遠回しに伝えていました。実は,「ローマの休日」については,日本語吹き替え版をテレビから録画していたものも持っていたので,この部分を比較してみたのですが,「ミスター・ゲンゾーによろしく」という驚きのセリフになっていました。「ネガ」と言っても分かりにくいのでそうしたのかもしれません。「随分,考えたけれども,結局そのままにしました」といった苦心の後が見えるセリフです。
その他,吹き替えでお馴染みの部分は,王女の髪の毛を切る理髪店の主人のセリフでしょうか。広川太一郎さんが吹き替えて以来,なぜかオネエ言葉で吹き替えるのが定番になっているようで,「なんでそうなる」と子供たちにも受けていました。
この部分,吹き替えでは「バッサリ,バッサリ」と言っていますが,英語では「Off, Off, Off ...」と言っていました。日本語のバッサリと語感がとてもよく似ており,ぴったりだと思いました。
この映画で印象に残ったセリフは...という宿題ですが,恐らく,「ローマです。何と言ってもローマが印象に残りました」という部分を書いていたのではないかと思います。アン王女と新聞記者ジョーとの間で隠語的にやりとりするために,二重の意味になっているようなセリフもいくつかあり,英文付きで見るとさらに面白く見られる作品ですね。
ちなみに私が好きな場面は,映画のいちばん最後の場面でグレゴリー・ペックが去りがたい雰囲気の中で,会場を歩いていく部分です。すごく広い場所だという空気感が伝わってくる名シーンだと思います。
最近,家族そろって同じ映画を見るということがなかったので,今回のように一緒にみる機会があったはとても良かったと思います。というわけで,学校の先生に感謝です。こういう課題なら毎年出して欲しいですね。