シュトラウスといえば,ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート。我が家にもいくかCDがあるので,久しぶりに聞き比べをしてみました。近年,世界的にCD新譜のリリースは減少していますが,このコンサートについては,現在でも即座に発売されていますね。我が家には次の年のCDがありました。
1989年クライバー盤
2002年小澤盤
1975年ボスコフスキー盤
2002年マイケル・ダウス&OEK盤
- 1975年ウィリー・ボスコフスキー指揮
- 1987年ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
- 1989年カルロス・クライバー指揮
- 2002年小澤征爾指揮
ボスコフスキーのCDは中古で安かったので買ったのですが,それ以外は発売直後に買ったものです。近年はずっと買っていませんが,カラヤン,クライバー,小澤盤はそれぞれ発売時に話題になったものです。この3枚の選曲を比較してみると,最後の「ドナウ→ラデツキー」に加え,最初の方で「こうもり」序曲,中締め(少々意味が違いますが)で「春の声」(小澤盤には入っていません),というのも「パターン」と言えそうです。そして今年の松井慶太さん指揮によるOEKのニューイヤーコンサートがまさに「これ」でした。カラヤン盤には,当時大人気だったキャスリーン・バトルが「春の声」のソリストとして参加していますが,今年のOEKのコンサートでもソプラノの鈴木玲奈さんがソロを担当。お馴染みのカラヤン盤の再現のような形になっており嬉しく感じました。
というわけで,これらの公演のプログラム,CDのジャケット写真などを比較してみたいと思います。
1987年カラヤン盤
「こうもり」「春の声」「ドナウ」「ラデツキー」以外に皇帝円舞曲も入っており,まさに王者の風格あふれるアルバム。ヨーゼフ・シュトラウスの「天体の音楽」「うわごと」など,カラヤンの好みがしっかり入っている感じですね。
こちらは,人気のクライバーが初登場ということで異例の2枚組。「こうもり」は前半の途中に登場(カラヤン盤もCDアルバム的に最初に置いたのかもしれません)。クライバーの指揮は,粋でスマートでダイナミック。「騎士パスマン」のチャールダーシュも定番曲ですが,この曲でのイキイキした感じなど素晴らしいですね。ちなみにラデツキー行進曲は,最初の小太鼓によるイントロなしです。
小澤さんがニューイヤーコンサートに登場するということでクラシック音楽としては異例のヒットをしたアルバムですね。とても丁寧で,全体に暖かな空気感のある演奏だと思います。「新年の挨拶」ではVPOメンバーがそれぞれの出身国の言葉で新年の挨拶をしています(こういうのが入っているのはこの年だけ?)。小澤さんの前にコンサート・マスターのライナー・キュッヒルさんが挨拶をしているのですが,小澤さんを前に日本語で挨拶。小澤さんは困ってしまい(?),中国語で挨拶しています。この辺は当時の放送でも見覚えがあります。
これは中古CDで安かったので買ったのですが,なんと「美しく青きドナウ」が入っていません。全曲盤だと入っていたのかもしれませんが,アルバムとしては大胆ですね。ボスコフスキーは大変厳しいコンサートマスターだったと聞いていますが,演奏を聴いた感じはとてもリラックスしたさっぱりした感じの演奏に思えます。
そして最後はウィーン・フィルの演奏ではありませんんが,懐かしのマイケル・ダウスさんの弾き振りによるOEKのニューイヤーコンサートのライブ盤です。このアルバムにもしっかり,「こうもり」「春の声」「ドナウ」「ラデツキー」が入っています。さらには,「ウィーンの森の物語」「皇帝円舞曲」も入っており,有名曲満載といった感じです。