2022年9月24日土曜日

「鎌倉殿の13人」と「王様のレストラン」の関係には以前から気づいていたのですが(役名が御家人の苗字ばかり),番組が進むにつれて,じわじわと三谷幸喜さんのすごさを感じています。この際「王様のレストラン」も観たくなってきました

 三谷幸喜さんのファンなら多くの人が気づいていると思いますが,NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」と三谷さんの出世作で1990年代中頃に放送していたフジテレビのドラマ「王様のレストラン」には明らかにつながりがありますね。このドラマはとても面白い作品で,リアルタイムで全部観たのですが,その役名が明らかに「鎌倉殿+御家人を意識」したものになっています。当時「三谷さんは鎌倉時代に関心が強いのかな?」と漠然と思っていたのですが,25年以上後の2022年に「その関心の強さ」が作品として見事に実現しており,あらためて三谷さんのすごさを実感しています。

というわけで,我が家に残っていた「王様のレストラン」関連本を久しぶりに眺めてみました。そうしたところ,その役名が載っているページが出てきました。


経営者側が源氏系の名前で,使用人側が梶原,稲毛,和田,畠山,大庭と御家人の名前。今見ると「鎌倉殿...」に出てくる名前ばかりで,改めめて「面白いなぁ」と思います。この御家人たちですが,これからドラマ後半に向けてさらに殺害されていくことになるのですね。

今まで,多くの人にとって親しみの薄かったこれらの御家人に分かりやすいキャラクターを割り振り,色々な細かいエピソードで人間味を感じさせ,そして一人一人の死に意味を感じさせる....この時代への思い入れの強い,三谷さんでないと実現できない脚本だったのではと思います。

この時代についてもう少し調べてみようと,かつて子供が使っていた高校日本史の資料集を観てみました。


調べてみると,このドラマにぴったりの表が載っていました。史実に基づく時代劇にこの言葉があてはまるか分かりませんが....この表は「ネタバレ」です。

あの和田義盛,そして源実朝の殺害も迫っていますね。

さらに「13人による合議制になる」などいう説明も載っています。高校の頃,この表を観ていたとしても,きっと何も感じなかったと思うのですが,「鎌倉殿の13人」を観ながらだと色々な感慨があります(そもそも,鎌倉殿という言葉は,以前は教科書に載っていなかったかも?)。

「王様のレストラン」と「鎌倉殿」の両方に出演している役者さんは,梶原善さん(鈴木京香さんもですが)でしたが,今回は架空の「プロの殺し屋」という,これもまた三谷さん以外思い浮かばないような設定。この活躍も嬉しかったですね。ちなみに「王様のレストラン」に出ていた,小野武彦さん演じる「梶原」は,「カジハラ」という読み方で,それにこだわりを持っていたのも思い出します。

「王様のレストラン」では,ヒロインと言っても良い山口智子さん演じるシェフが,橋幸夫ファンだったという意表を突く設定も可笑しかったですね。ドラマ中で頻繁に出てきたので,この橋幸夫のCDまで買ってしまいました。次のようなCDです。

もちろんサントラ盤も持っています。このテーマ曲は,「今でも現役」の音楽ですね。服部隆之さん作曲のテーマ音楽は,料理番組などでも,結構使われていると思います。

この「王様のレストラン」には,「伝説のギャルソン」という呼称で松本幸四郎(現松本白鸚)さんが出演していましたが,この「王様のレストラン」自体,「伝説のドラマ」なのかなと感じているところです。というわけで,「鎌倉殿」に便乗して,「王様のレストラン」も再放送して欲しいですね。