2022年1月10日月曜日

金沢は快晴。国立工芸館で「めぐるアール・ヌーヴォ展」を鑑賞。もともと日本の美術・工芸は「アール・ヌーヴォー」みたいなものなのだな,と実感。その後は21美へ。青空と白い壁面がぴったりマッチしていました。

 本日(成人の日)の金沢は,雲が全くない快晴。雪もほとんど残っていないので,午前中,自転車で国立工芸館に出かけてきました。昨晩Web予約したのですが,このスタイルにもすっかり慣れました。


観てきたのは「めぐるアール・ヌーヴォ展:モードの中の日本工芸とデザイン」というものです。
アール・ヌーヴォーを直訳すると,「新しい芸術」ですが,実質的には19世紀末から20世紀前半に流行した美術運動を指します。ミュシャのポスターのような,植物をあしらった曲線的なデザインが特徴でしょうか。トンボなどの昆虫や動物などもモチーフによく出てきます。100年以上前の「新しさ」ということで,新しさと古さが一体となっている点が魅力だと思います。

陶器などの工芸作品に加え,リトグラフのポスターも沢山展示されていましたが,このリトグラフのざらっとした暖かみのある質感も好きです。

展示室は3つに分かれていましたが,実用品として欲しくなる感じの作品も多いなと思いました。例えば,次のような棚が展示されていました(今回の展示では,撮影OKの展示物と不可の展示物が混ざっていました)。

書類棚ということで,シャーロック・ホームズの部屋にありそうと思いながら観ていました(現在,NHK-BSPで再放送中です。)。

次はエミール・ガレの作品。少し茶色っぽい感じのガラスが良い感じでした。

杉浦非水による「三越百貨店」のポスター。当時の「新しさ」が今では「レトロ」と感じられます。

展示室の途中の休憩コーナー。この椅子のデザインも,建物の雰囲気によくあっています。

花がデザインされた皿。水の流れなどの動きが感じられて良いなと思いました。背景にあるのは,杉浦非水による「百花譜」の一部です。

国立工芸館の展示ケースのガラスは透明度が高く,枠もないので,とても見やすいですね。(その分,頭をぶつける人も...本日も数人みかけました)。しっかり間近で見られるのが大変贅沢だと思います。

今回の展示を観て感じたのは,もともと日本の美術・工芸には「アール・ヌーヴォー」みたいなものなのだなということです。松田権六とか石川県でもおなじみの作家の作品と違和感なく並んで展示されているのが良いなと思いました。

といった感じで展示を観終わりました。次の写真は,国立工芸館から出たところです。毎回,展覧会を観終わった後,少し高い位置から,この景色を観るのがとても好きです。

せっかくの好天だったので,広坂を降りて,金沢21世紀美術館のコレクション展「BLUE」なども眺めてきました。この美術館にも青空が似合います。白い壁面とぴったりマッチしていました。


タレルの部屋から見る空にも雲がまったくありません。

「雲を測る男」にも測るべき雲がありません。

21美を観た後は,兼六園と石川門の前を通り抜けて帰宅。

いかにも「絵はがき」という感じの写真になりました。

お土産は,国立工芸館で買った,杉浦非水デザインの植物の入ったクリアファイル。背景にも植物が描かれているのもよい感じでした。「ヌー坊主式」という文字が入っているのは,この展覧会の解説(無料)。とても充実した内容だったので,今から読んでみようと思います。