今週の週末は大人しくしていようと思っていたのですが...金沢駅もてなしドーム地下広場では,「いしかわ古書フェス2021」を行っていたので出かけてきました。
次の写真のとおり,入口で体温チェック+消毒+住所記入後,マスク着用で入場。その後はひたすら本+CDを眺めていました。
古書フェスという名前でしたが,中古CDもかなり販売していました。某書店の箱(棚でなく箱でした)の中にCDが結構あったので見ていると,ピアソラのCDが非常に充実していました。何となく,「今年は生誕100年。クラシックなピアソラを聴いてみたい」などと見ているうちに気になったCDが2点。
気になったというよりは,CDの背が目立つから手に取ってしまったのですが(DENONの黄色とONDINEの水色),値段が書いてありません。それほど高くないはずとレジに持って行って確認すると,蓋を開いたところに値段が貼ってありました。各550円ということで,手に取ったものを戻すのも悪いと思い,購入しました。
その結果ですが...どちらも気に入りました。
ONDINEの方は,フルートとギターでピアソラの「タンゴの歴史」などを演奏しているものです。恐らくフィンランドのアーティストが演奏しているのですがとても爽快。晴れた休日の朝の気分といったところです。
DENONの方は,加藤知子さんのヴァイオリンとシュテファン・フッソングさんのアコーディオンによる,ピアソラとバッハの作品集。ヴァイオリンもアコーディオンも音の流れが美しく,幸せな気分になります。それとバッハとピアソラが全く違和感なく融合しているのが素晴らしいですね。これはやはりアコーディオンを使っていることが大きいと思います。
古本の方は,どうしようか迷ったのですが,結局,100円で売っていた遠山一行著「名曲のたのしみ」という本を購入。「名曲のたのしみ」といえば,以前,吉田秀和さんが出演していたNHK-FMの番組を思い出すのですが,それと同じタイトルが同時代に活躍していた遠山さんの著作のタイトルになっているのがまず面白いと思いました。
内容の方は,遠山さんが選ぶ名曲100選というものです。吉田秀和さんの著作に同様の本があったはずなので(「LP100選」みたいなタイトル),読み比べると面白いかもしれません。
1960年代後半に書かれた本ということで,LPレコードやFM放送の普及とともに,クラシック音楽が広まっていく時代にふさわしい「良き時代のクラシック音楽エッセイ」といった気分がたっぷり感じられます(最初の数ページ読んだだけですが)。例えば,
ショパンは,ひたすらにピアノの音の美しさを追った。ついには,その美をおいこして,音の堅い表面に打ちあたった。
といった文学的な表現が次々出てきます。正直なところ,よく分からないのですが,こういう風に音楽を表現できたら気持ちが良いだろうなと思ったりします。
というわけで,この週末は1960年代の気分を味わってみたいと思います。