今週末の金沢は土日とも快晴。11月下旬以降,曇天(激しい雷雨も)が増えるのは必至なので,市内の紅葉めぐりをしつつ,美術館めぐりをしてきました。
行って来たのは,オープンしたばかりの国立工芸館「工の芸術」,石川県立美術館「いしかわの工芸」,金沢21美「世界は今:アートとつながる」でした。国立工芸館が新規オープンした後は,それぞれ設置母体(国立・県立・市立)が違う,この3館が柱となって,どういう展示が行われていくのか期待をしています。
朝9:30頃だと,これぐらいの列でした。
国立工芸館石川移転開館記念展「工の芸術」ということで,この館で所蔵する,近代工芸の「粋」が集められたような展示でした。撮影も可能となっていましたので,その雰囲気を伝えるような感じで紹介しましょう。
写真だとクールな感じに見えますが,思わずじっと集中してみたくなるような感じの照明で,素晴らしいと思いました。そもそも,それぞれの作品の色合いや材質感に何とも言えない,高級感・緻密さ・精緻さがあり,「本物のお宝」が次々出てくるような見応えがありました。
展示されている作品の解説は全くなかったのですが,インターネットのアプリをダウンロードすれば,そこから解説を読めるようになっていました。こういうシステムはこれから普及していくと思いますが...少々手間取りました。
1階の展示を観た後,階段を上って2階へ。それほど大きな建物ではなく,展示点数も「ものすごく多い」という感じではないのですが,これぐらいの規模の方がじっくりと鑑賞できて良いのではと思います。階段の途中の窓から見える紅葉と青空。窓のレトロな感じもこの館の魅力の一つですね。
2階に上るとまず,石川県出身の漆芸の大家・松田権六の仕事場再現コーナーがありました。結構狭い畳敷きのスペースで,茶室を思わせる雰囲気もありました。トイレや風呂の中だとアイデアが出てくるという話はよく聞きますが,それに通じるような場所かもと思いました。
2階の展示の中では,鈴木長吉「十二の鷹」がいちばんの目玉でしょうか。リアルに鷹を再現した迫力のある作品でした。この作品は,九谷焼の人間国宝,吉田美統さんの作品。この色合い石川県立美術館でもお馴染みの作家ですね。
国立工芸館は2つの建物を渡り廊下でつないだ形になっています。今回の展示スペースは向かって左側だけでした。この廊下を渡ると右側に行きます。その渡り廊下から,入ってすぐのところにあったオブジェが見えました。
反対側は石川県立能楽堂方面を気持ちよく見渡すことができました。この景観も工芸館の魅力の1つだと思います。
これは階段上にあった照明。これも明治時代の意匠でしょうか。
先ほど上から眺めたオブジェです。
小規模なミュージアムショップもありましたが,こちらも「これから」ということになるでしょう。
もともと石川県出身の工芸作家は非常に多いので,この2つの展示で共通する作家もかなりいました。今後,どういう形で相乗効果が出てくるのか楽しみです。
さすがに2つをハシゴすると歩き疲れた感じになりました。芸術の秋+スポーツの秋といったところでしょうか。
自転車で帰る途中,石川県立歴史博物館の近くにあった木です。木の上の方と下の方で色合いが違うのが面白かったので撮影。そうしているうちに,近くに居た人も撮影を始め...こういうのは連鎖するものですね。