2016年12月14日水曜日

新潮文庫の夏目漱石がお洒落なジャケットを着用中。没後100年記念で「それから」を購入。さらに西田幾多郎記念哲学館と鈴木大拙館の展示チラシでオリジナルブックカバーも付けてみました

今年は夏目漱石没後100年のメモリアルイヤーということで,NHKではスペシャル・ドラマを色々やっています。先週土曜日に放送していた「漱石悶々」も面白かったですね。漱石の夢と現実が交錯したような独白に独特の面白味がありました。ちなみに「悶々」というのは,漱石の小説の「門」に由来しているのでしょうか?

このドラマに触発されたわけではないのですが,書店の文庫本コーナーに,カラフルなジャケットを着ている漱石が「ももクロZ」のように並んでいたので,ついつい1冊購入してしまいました。購入したのは「それから」です。
実は,漱石の小説の中ではこの作品が好きです。大学は卒業したけれども,就職せずに親のすねをかじって生きている若者を主人公にした恋愛小説ということで...ろくでもない話なのですが,学生時代に読んだとき,どういうわけか波長が合ってしまいました。

新潮文庫版を既に持っているのですが,今の時代の標準からすると活字のポイントが小さく,行間も狭いので,「読むのは厳しいな」という状況でした。というわけで,購入しました。

ちなみにこのジャケットという言葉には2つの意味があります。漱石の着ている「ジャケット」と本が着ている「ジャケット」の二重の意味です(日本では本の「カバー」と呼んでいますが,英語ではジャケットと呼ぶのが普通です。Coverというと表紙の意味になります)。

この文庫本ですが,調べてみると2枚ジャケットを着ており,はがしてみると...通常のジャケットが出てきました。2枚重ねというのも「100周年記念」ならではでしょうか?
ちなみに 30年前に買ったのは次のデザインです。漱石の作品は全部このデザインでしたね。
厚さを比べると,かなり違っていました。

活字の大きさと行間を比べると次のとおりです。写真だと分かりにくいのですが,見た目も紙の色も(すっかり変色していました)結構雰囲気が違います。

文庫本に次のチラシが入っていました。

その裏には,漱石作品を読み進む「順番」を示すガイドが入っていました。確かに「吾輩は猫である」というのは,初心者向けでないと思います。「大人向け」ということで,時間があればのんびり読んでみたいものです。

以下は全く別の話になるのですが,文庫本のカバーにぴったりのチラシを発見したので,試してみました。

現在,鈴木大拙館と西田幾多郎記念哲学館で行っている展示のチラシです。次のような感じで,両館共同で「お揃い」のチラシにしたようです。全体の色づかいがシンプルなのに加え,紙の質がとても良い感じで,こだわりが感じられます。表面がザラザラ,裏面がツルツルという面白い紙でした。

というわけで,ブックカバーを作って,2冊の「それから」に掛けてみました。なかなか良い感じです。 お暇な方はお試しください。