最近,金沢21世紀美術館に行くたび,軽快なリズムに惹かれて,ついふらふらとスプツニ子!「ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩」の展示室に入ってしまい,このミュージックビデオを見ています。どうも中毒性があるような気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=6P1uFNdKdQA
このスプツニ子!さんが書いた「はみ出す力」という,やや自己啓発本っぽいタイトルの本をついつい買ってしまい(Book Offですが...),一気に読んでしまいまいた。とても面白い内容でした。
まず,本の版型がタイトルどおり企画外で,微妙に「はみ出し気味」なのが,さすがです。
内容はスプツニ子!さんの今に至るまでの数々のエピソードと思いをストレートに描いたものです。両親とも数学者ということもあり,アカデミックで自由な雰囲気の中で成長。その一方,日本の学校ではなじめず,プログラミングという武器を持ちながらアートの世界へと入って行きます。
ニュートンの「巨人の肩の上に立つ」という言葉に通じる,「人類みんなで作る学問の山がもっと高くなるようにこ少しでも貢献する」というご両親の教えもいいですね。この精神がスプツニ子!さんのベースにあるのだと思います。
スプツニ子!さん自身は,絵を描いたり,彫刻を作ったり...という狭い意味でのアートの勉強をしてきたわけではなく,ある時期,自分のアイデアを素に,実際の作業は得意な人に任せる方が効率的にアートを作ることができることに気づきます。こういうことが可能なのも,インターネットが普及した現代社会ならではだと思います。
スプツニ子!さんは,現在,MITメディアラボの助教という地位にありますが,非常にグローバルに”出世(?)”できたのも,「目立っていれば,ネットを使えば誰かが拾ってくれる」という楽天的で挑戦的な精神があったからだと思います。
というようなわけで,グローバルにたくましく生きる女性の半生(?)を描いた本となっています。結構,NHK朝ドラの世界に近いかも,と思ったりしました。ただし...NHK朝ドラで扱うには,作品名が刺激的過ぎるのが難点ですね。この本を「新しい時代の朝ドラのヒロインみたいだ」と思いながら読むのが楽しいのではないかと思いました。その他,新しい時代の教育書,またはビジネス書として読むこともできそうです。
21美では,スプツニ子!さんのインタビューの動画も展示されていたので,今度はこちらの方も聞いてみようかなと思います。