2014年2月8日土曜日

例の「作曲家」の曲が収録された「氷上の名曲」CDが付録についている「家庭画報」3月号。某書店で見つけて,ついつい買ってしまいました。

これまで「家庭画報」という雑誌など買ったことはなかったのですが...例の佐村河内氏の「作品」が収録されたCDが付録についている3月号が店頭に残っているのを見つけ,物好きな私は買ってしまいました。

まず,この雑誌ですが付録は別にしても,写真が美しく,ずしりとした重量感があり,手に取っているだけで,優雅な気分にさせてくれます。1200円もしたのですが,付録CDの装幀もしっかりとしたものだったので,「リッチな気分」にさせてくれるということで,意外にお得だったかもしれません。その他,吉野杉の箸というのも付いていました。

このCDですが,本体から解説書部分をカッターできれいに切り取ると,市販のCDのような感じになります。こういう「工作」もなかなか楽しいものです。次のような感じになりました(プラスチックのケースは自分で用意しないといけませんが)。


さて,CDの内容の方は,「氷上の名曲」というタイトルどおり,ソチ五輪と連動した企画で,フィギュアスケートの演技で使われる曲が12曲収録されています。その長さなのですが,どの曲も「実際の演技での使用をして短く編集しています」ということで,ほぼ5分以内になっています。解説書には,パトリック・チャンとかアデリーナ・ソトコワとか,各曲を使っている選手名が書かれているので,実際の演技と本当に同じ編集の仕方か調べてみても面白いかもしれません。

音源はコロンビアのものばかりです。ちなみにサン=サーンスの序奏とロンドカプリチオーソは,ジャン=ジャック・カントロフの演奏で,伴奏は...井上道義指揮新日本フィルでした。

さて問題の佐村河内氏の「作品」ですが,高橋大輔選手がショート・プログラムで使う,ヴァイオリンのためのソナチネ嬰ハ短調が収録されています。これは,高橋選手が実際に演技に使っている音源と全く同じもので,大谷康子さんがヴァイオリン,藤井一興さんがピアノを演奏しています。

曲の雰囲気は,「いつの時代の曲だろう?どこかで聞いたことがあるかな?」という感じです。ただし,とても誠実なムードを持っています。今回,五輪直前に,ゴーストライターの新垣隆氏が真相を明らかにしましたが,その”地味な風貌”や”明らかにせざるを得なかった心情”などとついつい重ね合わせてしまいます。高橋選手がこの曲を使うことによって,かえって人気が出てしまうのでは,と思わせるような曲です。

というわけで,この事件ですが,高橋選手が五輪でこの曲を実際に使うことによって,また,別の展開を見せる予感もします。


 
現代音楽の作曲家を描いた小説に鹿島田真希さんの『ハルモニア』がありますが,ここまで来たら(興味本位ですみません),今回の騒動をもとにしたノンフィクション的小説を鹿島田さん辺りに書いて欲しい気もします。