今年は20年に一度の伊勢神宮の式年遷宮の年で,本日はそのメイン・イベントが行われました。行事の詳細は知りませんが,20年に一度建物を建て替えることで,永遠の命を保つというこのシステムは,生命活動とのアナロジーが感じられ,昔から関心がありました。
生命活動を細胞レベルで見るか,固体レベルで見るかでは全然違ったものになります。反対に固体レベルより大きな「家族」「日本人」「人間」...といったレベルから見ると個々の人間の人生など小さなものに見えてきます。伊勢神宮の式年遷宮のことを考えると,いつもこういったことを考えてしまいます。
それと故岩城宏之OEK音楽監督が書いたエッセーのことを思い出します。詳細は忘れたのですが,確か伊勢神宮にならって,OEKも20年に一度解体して作り直したらどうか,といった内容だったと思います。岩城さん一流の「やんちゃ」な発想ですが,安易に伝統だけに頼らない姿勢というのは,OEKに受け継がれていると思います。
このエッセーが一体何だったか気になって探してみたことろ,右のような対談記事が出てきました。
丁度20年前の式年遷宮の時,岩城さんは民間代表の「奉仕者」として,儀式に参加したとのことです。この記事以外にも何か書いていたような気がしてならないのですが,取りあえずは20年に一度の日にちなんで,この対談記事を読んでみたいと思います。
ちなみに,本日のBGMはハイドンの「天地創造」です。聖書にちなんだ音楽を聞きながら,神道の儀式についての対談を読むというのも,日本人的かもしれませんね。
この「伊勢神宮遷宮を巡って」という古田武彦さんと岩城宏之さんの対談は,1993年10月の「話の特集」に掲載されたもののようです。私が持っているのは,『岩城宏之の特集』(話の特集ライブラリー).自由国民社,1997年9月6日刊(←ひそかに岩城さんの誕生日ですね)という本です。OEKの応援団をされているような著名人との対談や岩城さんのエッセーが散りばめられいます。