2012年10月28日日曜日

穏やかな秋の土曜日。金沢市立玉川図書館,鈴木大拙館,金沢21世紀美術館を巡りました。やはり金沢は絵になる街です。

今日の金沢は,大変穏やかで過ごしやすい一日でした。昼ごはんを親戚と一緒に食べたのですが,午後からも外に出かけたくなるような気候でしたので,一緒に大型スーパーに買い物に出かけたりして過ごしました。夕食も一緒にすき焼きを食べることにしたのですが,時間があったので,図書館に本を返すついでに市内を自転車で一回りしてきました。

金沢の市立図書館と言えば,最近では,海みらい図書館が全国的に注目を集めていますが,個人的には昔からある玉川図書館の方が落ち着きます。金沢出身の建築家,谷口吉郎と息子の谷口吉生の共同設計ということで,昨年,鈴木大拙館がオープンした後,再度注目を浴びているところもあります。
上の写真は,図書館の中庭辺りです。

図書館の隣には玉川公園があるのですが,徐々に紅葉が始まり,なかなか良い雰囲気になっていました。秋の夕方の日差しも良い感じです。

その後は,鈴木大拙館に行くことにしました。10月18日に行ったばかりでしたが,この建物は何度でも行きたくなる魅力があります。夕方の水鏡の庭の雰囲気を味わってきました。


こちらも建物の回りの紅葉が始まっていました。下の写真は思索空間から見た紅葉です。額縁の中の絵のようにも見えます。

 この博物館は展示物や解説が非常に少ないのが特徴です。現在は,「仙厓と大拙」という展示を行っていましたが,作品が少ないと一つずつをじっくり見ることになるので,悪くないと思います(入場料が300円と安いこともありますが)。展示を見た後,記念スタンプを押してみたのですが,次のとおり,○△□のゴム印が置いてありました。


仙厓の書に「○△□」を書いたものがありますが,大拙もこの書の影響を受けているということで,なかなか洒落た「記念スタンプ」だと思いました。

大拙館ですが,建物の外に出てしまった後も,遊歩道から水鏡の庭を見ることができます。静かな水面に時々波紋(人工的に作っています)が広がるのが何とも言えず,禅的です。
この光景は, 実は建物に入らなくても無料で見れてしまいます。考えてみると,結構大らかな建物ですね。その点でも禅的(?)なのかもしれません。

せっかくなので,帰りに21世紀美術館にも寄って行きました。夕空に飛行機雲が重なっていました。何もかもアートに見えてしまいます。
こちらも数日前にも行ったばかりでしたが,取りあえず「タレルの部屋」に行ってきました。夕暮れのタレルの部屋というのは,金沢名物の一つになっているようです。この日も結構沢山のお客さんが居ました。

11月4日で「ソンエリュミエール:物質・移動・時間」の方の展示が終わるので,今回はこちらの方を見てきました。現代美術も見慣れると愛着が沸いてきます。例えば,ペーター・フィッシュリ&ダヴィッド・ヴァイスによる「無題(コンクリート・ランドスケープ)」などは,”ただのコンクリートの塊”なのですが,クリンコクロンという音と合わせて,何回か見ているうちに,妙にしっくりと馴染んでしまいました。

美術館の外に出てみると,空がかなり暗くなっており,月が出ていました。
これもなかなか,面白い写真になりました。「新しい金沢らしい」光景だと思います。ちなみにこの写真の雰囲気ですが,エドワード・ホッパー「夜ふかしをする人たち(Nighthawks)」という作品とちょっと似ている気がします。

というようなわけで,晴れた秋の夕暮れの金沢市内というのは絵になる場所ばかりです。