そういう時,時々,金沢21世紀美術館に行きます。金曜日だけは開館時間が長いので,仕事が終わってから行っても展覧会スペースに入ることができるのです。お客さんの数は土日とは比較にならないほど少なく,かといって誰もいないわけでもなく,ちょうど良い感じでゆったりと時間を過ごすことができます。
昨晩は,現在やっている「ソンリュミエール,そして叡智」の中のいくつかの作品をゆっくり見てきました。日中慌ただしく観るのとは違い,夜静かな雰囲気でみると,この展覧会のタイトルどおり「音(Son)」にポイントがある展覧会だと分かります。夜だと「光(Lumiere)」の方も効果もよく分かります。
印象に残ったのは,梅田哲也「ほとんどすべて忘れている」(多分)という展示室6の作品です。真っ暗な部屋の中に動いている電気機器がいくつかあり,時々音を出したり,光りながら動いたり...という不思議な作品です。最初,さっと見た時は,正直なところ,わけが分からなかったのですが,しばらく見ているうちに,不規則な動きの中から生命力のようなものを感じてしまいました。暖かみは感じないけれども,どこか嬉しくなり,不思議と気分が落ち着きました。
その後,タレルの部屋に行って一休みしました。部屋を撮影してみたのですが...
高感度設定で撮ったせいか,わけの分からない写真になりました。タレルの部屋といえば「青空(正式名はBlue Planet Sky)」なのですが,真っ黒の夜空というのも,これはこれで面白いので,載せてみました。
最後にミュージアム・ショップに寄って,本を1冊買いました。21世紀美術館の有料の展示室に入るたびに友の会メンバーはスタンプを押してもらえるのですが,それを溜めて,7月頃に「ミュージアム・ショップ500円割引券」に交換しました。その期限が迫ってきたので,何か買うことにしたものです。
普通のグッズでも良かったのですが,1500円以上のものにする必要があったので,久しぶりにハードカバーの本を買うことにしました。買ったのはホンマタカシ著「たのしい写真」という本です。数年前,この人の展覧会をやっていた時に見て,面白そうだと思った本です。現代美術については,は写真を使ったものが多いのですが,この本を読みながら,アーティストたちは,どういう意図で写真という手段を使っているのか考えてみようと思います。