本日は石川県立美術館で昨日から始まった「生誕150年記念 板谷波山の陶芸」を観てきました。
板谷波山は近代日本を代表する工芸家で,東京美術学校(現・東京芸大)で彫刻を学んだ後,まず石川県工業学校(現・石川県立工業高校)で教鞭を取っています。本格的に陶芸を始めたのは石川県ということで,その人生にとっても石川県は特に縁の深い土地と言えます。
以前からその名前は知っていましたが,その作品をまとめてじっくりと鑑賞したのは今回が初めてでした。展覧会は,3つの展示室を使った,序章+3章の構成。最初に代表的な作風の大型の陶芸作品の展示があった後,ほぼ時代順に作品が展示されている感じでした。
やはり波山の作品の中では,マットな感じだけれども品の良い鮮やかさが美しい,「葆光彩磁」と呼ばれる作品群が素晴らしいですね。この作風が波山の人生の中では「期間限定」だったことも今回知りました。
看板の写真をアップで撮影。内側から光っているような感じが美しいですね。 |
陶器の形はオーソドックスで,描かれているモチーフは花や鳥などで,その装飾的な感じが当時流行していたアール・ヌーヴォーに通じる雰囲気があります。100年以上前の作品でも全然古さを感じさせない瑞々しさが感じられます。
元々,彫刻科出身ということで,モチーフの花などをただ描くのではなく,彫っている作品もかなりありました。それでいて端正な雰囲気が失われないのも特徴だと思います。完璧主義者ということで,完成していながら割ったものも多数あったようで,その破片も展示されていました(だれかが集めていたのでしょうか?)。
というわけで,大変充実した内容でした。グッズの方も色々ありました(巡回展なので色々あったのかもしれません)。図録の不思議な光沢のある表紙にも惹かれたのですが,本日はパスし,俵屋の飴とコラボした格好良い缶に入った飴を購入。結構高かったのですが(1000円!),今後も飴玉入れとして使おうと思います。