少し前に申請中だった高速道路用のETCカードが届いたので,本日はその確認(?)も兼ねて,北陸自動車道経由で富山市まで行き,富山県美術館で行われている期間終了間近(11月3日まで)の展覧会を観て来ました。
いつもどおり金沢森本ICから高速道路に入りましたが,無事ETCのゲートは開いてくれました。その後,30分ちょっとで富山市に到着。この日の富山ですが,立山連峰が非常にくっきりと見えました。運転しながら,立派な山並みがどんどん近づいてくるので,「あの山は何という名前なのだろう?」ということがだんだんと気になってきました。カーナビならぬ「山ナビ」が欲しいと思いました。
というわけで,富山市に着く直前に,いかにも眺めがよさそうな呉羽PAに入ることにしました。その予想どおり立山連峰が良く見えました。しかも「山ナビ」もあったので,「やはりあれが剣岳か」「立山の方は複数峰があるので,よく分からないな」といったことを確認できました。
さらに,ここでカーナビの設定を変更し,富山西ICで降りてみることにしました。少しでも節約してやろうという魂胆です。お陰で,高速料金は片道770円に節約できました。この金額ならば,高速バスの金額とあまり変わらないかもしれません(その他にガソリン代はかかりますが)
しかも,富山県美術館の駐車場ですが,2時間無料でした。混雑していたらやっかいですが,これからもこの策で行こうかと思いました。
駐車場から美術館への入口 |
さて,お目当ての展覧会ですが,富山県美術館(TAD)で所蔵する作品を新たな切り口から紹介する「TADのベスト版コレクション+:あなたならどう見る?」というものでした。TADには,富山県立近代美術館時代から収集していた20世紀の世界美術史を俯瞰できるようなコレクションがありますが,そのすごさを改めて実感できました。
ミロ,ピカソ,クレー,マティス,レジェ,ブラック,ルオー,マグリット,デュシャン,ウォーホール...美術の教科書に出てくる画家の作品が多数展示されていました。フォンタナの「空間概念」は写真でみると平面に見えますが,実物を見るとキャンバスを切り裂いた「立体」だと分かります。ブリジット・ライリーの「オルフェウスの歌I」も実物だと微妙に動いて見える「錯視」効果がよりはっきりと分かります(多分)。やはり実物を見ると面白いなぁと思います。
展示の中には撮影可能な展示室もありました。左がミロ,右がウォーホールの作品 |
こういった作品をただ並べるのではなく,4人のゲスト・キュレーター(開発好明,山内マリコ,林道郎,とに~)による展示コーナーも作り,現代作品の見方を示してくれていました。金沢21世紀美術館の方は,正真正銘の現代アートばかりですが,TADの方は,「既に古典になっている現代作品」といった趣き。21美の方が建物の雰囲気も含め,オリジナリティはあるけれども,TAD所蔵作品の方が「安心して観られるなぁ」という実感です。これは好みの問題で,この2つの美術館は互いに補完し合っているような気がします。
今回の展示の中で面白かったのが,ゲスト・キュレーターのとに~さんのコーナーでした。鑑賞者格付けチェックコーナーというのがあり,「AとBどちらが本物のマティスの作品(切り絵)でしょう?」という問いかけ。私はBがマティスかな?と思ったのですが...正解はA。Bはとに~さんが,マティスの「ジャズ(切り絵の代表作)」っぽく真似して作ったものでした。まんまと引っかかってしまったのですが,過去何となく観たことのある名作に似ていると,それに引っ張られてしまうと言えそうです。いずれにしても,キャプションがないと真偽の区別がつきにくい,「怪しげな世界」と言えそうです(これは,クラシック音楽の世界にも言えそう)。
この展覧会のパンフレットですが,とても薄く,480円という安さ。ゲスト・キュレーターによるエッセー風の文章と展示作の写真が雑誌記事のような感じでバランス良くレイアウトされており,「読んでみたい」という気分にさせてくれます。というわけで,記念に1冊購入。こういう形は,21美の展覧会でも試してみても面白いのではと思いました。
上の写真のとおり非常に薄いパンフレットで,気軽に読めそうでした |
上階は常設展コーナー。この中では,最晩年を富山で過ごした,往年の大ヴァイオリニスト,シモン・ゴールドベルクと富山出身の詩人,瀧口修造のコーナーが良いなぁと思いました。それぞれの遺品が展示されているのですが,居室の雰囲気がしっかりと伝わってきました。ゴールドベルクが愛用していた椅子が置いてあったのですが...深く座れるような角度が付いており,ちょっと座ってみたいなと思いました。
さらには,この日は美術館から見える立山連峰の眺めが見事でした。晴れていなかったのですが,稜線がくっきり見えました。呉羽PAよりも近いので迫力もありました。山の名前の書かれた案内と写真を合成してみました。
剣岳と立山が有名ですが,上の写真のいちばん左側の「3つの峰」が見える部分も面白いと思いました。「山」という字が象形文字だということを示しているような感じです。
パノラマモードで撮影してみました。運河の向こうに見えるのも良いですね。
本日は,帰宅時間が遅くならない方が良かったので,すぐに金沢に戻りました。行きと同様,富山西ICから高速に入ったのですが,カーナビの設定がなかなか難しかったですね。普通の設定だと「富山IC」に行かせよう行かせようとするので,「経由地」を入れる必要があったのですが...これがよく分からず,しばらくカーナビに逆らいながら運転。
富山西ICに入る直前で見かけた,謎の力士たち 朝乃山とか書いてあった気が... |
昼食は高速道路のSAで食べてみようと思い小矢部川SAへ。しかし...レストランはお休み。そういえば8月に来た時もそうでした。同じことを繰り返しています。
仕方がないので,お隣の不動寺PAで軽く天ぷらソバ。
今後も富山県には何回も行くことがあると思うので,今度は小矢部ICから乗り降りできないか(どれぐらい時間が増えるか)試してみようと思います。