2020年10月17日土曜日

#秋は金沢三文豪 スタンプラリー。今年も参加してきました。景品は紙製のブックカバー×3枚セット。金沢蓄音器館では,「エール」にちなんで,古関裕而作曲,伊藤久男歌の「百万石音頭」のCDを購入

10月になると毎年,金沢三文豪の記念館を巡るスタンプラリーが行われます。今年も(今日ではないのですが)参加してきました。毎年のお目当てはオリジナルの景品なのですが,今年の紙製ブックカバー(文庫本サイズ)というのは,実は,いちばん実用的で良いのではと思いました。

今年は,いつも後回しになっていた,室生犀星記念館からスタート。

犀川大橋を越え,


犀星ゆかりの雨宝院の前を通り

室生犀星記念館へ。
まずは,ワンデイチケットを購入。520円でこの日は市内の博物館関係は,どこでも入れます3つ行けば元を取った形になります。

企画展のテーマは,「旅する犀星:伊豆編」ということで,伊豆の温泉旅行の記録などを中心とした展示でした。「犀星は実は旅嫌い」と展示の中に書かれていたのですが,その割に,軽井沢,東京・田端など色々な場所で執筆活動をしているようです。

展示の中では,「ゐねむり」という大正9年12年に伊豆で書かれた詩が良いなぁと思いました。よくよく見ると,チラシの裏面にも書かれていました。次のような詩です。

ゐねむり

山峡の温泉は澄んでゐる

ひるさがりではあるが何の音もない。

 

わたくしはゐねむりがしたくなる

永いあひだしたことのない居睡りを。

 

温泉の涌くおをとがする

誰かがわたしを呼ぶやうな気がする。

 

やさしい温泉はひたひたと胸にくる

さざなみのやうに柔和に。


非日常生活での居眠りというのは,温泉ならではでしょうか。伊豆の温泉にゆっくりと逗留したくなります。

ハガキも沢山展示されていましたが(これは他の記念館でも同様ですが),現代で言うところのSNSなのかもしれませんね。

続いて,金沢市中心部を一気に横断し,金沢蓄音器館へ。ここは三文豪とは関係ないのですが,鏡花記念館の隣にあるので,いつもセットで出かけています。

いつもどおり蓄音器のデモに参加(別に目指していた訳でなかったのですが,ピタリとその時間に到着)。今回の収穫は,NHK朝ドラ「エール」でお馴染み,古関裕而作曲の「船頭可愛いや」をオリジナルの音丸さんの歌唱によるSP盤で聞けたことです。もともと味のある曲ですが,蓄音器で聞くとさらに味が増している感じでした。

どうしようか迷ったのですが,せっかくなので「百万石音頭」のCDを購入。

この曲,金沢での盆踊りでの定番曲ですが(多分,今もそうだと思います),作曲が古関裕而で,歌が伊藤久男(「エール」では山崎育三郎演じる役)です。金沢の踊りといえば...「若い力」という説もありますが,この「百万石音頭」もかなり親しまれていると思います。「お城取ろうか...」という歌詞は,丘灯至夫によるもの。古関とは,「高原列車は行く」が有名な名コンビですね。

子どもの頃からずっとこの音源で聞いていたので(参加しなくても,町内会の盆踊りの日になると遠くから聞こえてきていました),これ以外はあり得ないというぐらい刷り込まれています。その他,一緒に収録されている「加賀ばやし」も懐かしい曲です。金沢方言満載の楽しい曲で(「金沢なまりは いってらっし ごきみつあんな おゆるっしゅおゆるっしゅ...」という歌詞が懐かしい),子どもの頃はこちらの方が好きでした。

ちなみにこのCDですが,懐かしのCDショップ,ヤマチクさんの製作のもの。その記念の意味も込めて購入。

さて続いて,鏡花記念館へ。この日は,記念館のすぐ近くの久保市乙剣宮では,秋祭をちょうどやっていました。



企画展は鏡花の「絵本の春」という作品がテーマです。金井田英津子さんが絵を描いた,まさに「絵本」が出版されたのですが,それにちなんでの企画のようです。金沢で取材をして絵を描かれたとのことで,何となく金沢らしい雰囲気が漂う本になっています。

「時代を越え,遠い憧憬を呼びさます鏡花の傑作短編」「異界を覗く愉悦と甘美な慄き!(澁澤龍彦)」と宣伝文に引かれ...ついつい買ってしまいました。

丁寧作られたハードカバーが手元にあると,それだけで嬉しくなるところがあります。というわけで...まだ読んでいません。

その後,浅野川大橋の方へ。ちなみに浅野川大橋付近の左岸は「鏡花のみち」(写真の標識はよく読み取れませんが)。

右岸の方は,「秋聲のみち」ということになっています。

最後は,秋聲記念館へ。こちらは開館15周年記念ということで「思い出(いず)るまま」という自伝を特集した企画展示を行っていました。秋聲には,自伝的作品は色々あるようですが,本当の自伝というは珍しいようです。雑誌「文芸春秋」に連載された後,単行本化されたもので,リアルな秋聲を知るには重要な文献なのではないかと思いました。



というわけで,鏡花も買ったので...秋聲の方も著作を買ってしまいました。
スタンプラリーでいただいた,景品のブックカバーを掛けてみたかったということもあります。装着してみたら,次の写真のような具合になりました。あまりにも違和感なくはまったので,ブックカバーをしているように見えないかもしれません。,

GOTOトラベルがそれなりに盛況なようですが,私自身は,なかなか遠くに「GOTOトラベル」という気分にはならないので,「金沢市内でGO AROUND」して,色々購入という感じで,当面は過ごそうかなと考えています。