このドラマは,鎌倉にある「代筆屋」の話です。毎回毎回,主人公の鳩子(ポッポちゃん)が,お客さんからの依頼に応じて,依頼者に成り代わって手紙を書くのですが,この執筆過程が毎回違っていて面白いなと思います。
次のような流れが基本ですね。
- 発注者と宛名になる人のプロファイリングとリサーチ
- その後,一見関係なさそうなエピソードが入るが,その間も考え続けている。
- エピソードの中の言葉をきっかけにポッポちゃんが発注者またはポッポちゃんの先代に憑依(ひょうい)する。
- 表現方法や文房具を選択して,身を清めて執筆
文章やアイデアが生まれる瞬間を視覚化しているのがとても面白いと思います。
今回の場合,鎌倉の「七福神めぐり」をして御朱印をもらう,という大人の遠足みたいなことをしている途中,長谷寺から眺めた景色にインスピレーションを得ていました。その後,ポッポちゃんは「書きたくて書きたくてたまらなくなる」のですが,そういう刺激の受け方にはリアリティを感じます。歩き回っているとひらめくというのは私にもよくあります。
そして,テレビドラマ的には,4.の表現の部分が文字通り見せ場ですね。この部分に来るたびに,自分でも何か書いてみたくなります。手紙というのは文学作品の原点なのだな,と感じます。
主要なキャラクターには,ポッポちゃんとかバーバラ夫人とか男爵とかいちいちニックネームが付いている上,そもそも「代書屋」という仕事自体,現在にはほとんどあり得ない仕事なので,全体にファンタジーを思わせる優しい気分もあるのも好きです。
毎回毎回,別のドラマなのですが,ドラマ全体としても大きなストーリーを持っています。それが一体どうなるのか?最終回に近づきつつあるので,こちらの方も大変楽しみです。
PS. 鎌倉七福神めぐりの最後に出て来た長谷寺ですが,数年間に行ったことがあります。確かに大変眺めの良い場所でした。それにしても,「さわり大福」という楽し気な神様がいたとは気づきませんでした。
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今度,行く機会があれば挑戦してみたいものです。