2016年10月15日土曜日

神明宮のあぶり餅神事へ。素朴なあぶりちの味も良かったけれども,境内の樹齢千年以上の災難大ケヤキに癒されました。中原中也ゆかりの場所です。その後,西茶屋街へ

本日の金沢は,大変過ごしやすい爽やかな一日でした。一日中快晴でした。

お昼のローカルニュースで,「今日から金沢市内になる神明宮であぶり餅神事が始まりました」という話題に,家族がピッと反応し,「これに行ってみよう」ということになりました。家族の友人が病気になってしまい,その回復を願うために,どこかの神社でお祈りをして,お守りを買ってあげたい,と朝から言っていたので,非常に良いタイミングでした。

神明宮は,市内の犀川大橋のすぐ近く,野町広小路交差点付近にある神社です。通称「お神明さん」とのことです。



リーフレットによると,江戸時代からある神社で,日本三神明の一つとのことです。ちなみに神明というのは,辞書を調べてみると,「伊勢神宮の特称」とのことで,天照皇室と豊受姫神を祀っています。いずれにしても,金沢市内でも由緒のある神社の一つです,

この「あぶり餅神事」は,「全国只一の悪事災難厄除け伝統特殊行事」で,毎年春と秋に行われています。ニュースでは見覚えがあったのですが,この神社に行ったのは初めてでした。

行ってみると,ニュースで取り上げていただけあって,良い感じに賑わっていました。列にならんで,まず,「あぶらもち」を買いました。どういう具合で買うのが良いか分からなかったので,前の人を見ていると...一気に50本も買っていました。真似して50本を買うわけにもいかないので,「あぶりもち10本+かざりお守りのセット」を買うことにしました。


まとめて買った人には,あぶりもち1本+お茶のサービス券を発行していたので,それをもらって,境内に設置されていた休憩コーナーで一服しました。私たちの一つ前の人が,親切にも「この券,使ってください」と言われたので,ありがたく使わせてもらうことにして,2人で餅とお茶をいただいてきました。
こうやって見ると...焼肉のシロのような感じですね。
味はみたらし団子風でしたが,甘すぎない素朴な味が,歴史のある「神社の団子」らしく,境内の雰囲気に合っていました。食べながら境内を眺めると,巨大な目に付きました。パンフレットによると,「神明の大けやき」という名前とのことです。

この神社の御神木で,まさにパワースポットとなっていました。昭和18年に史跡名勝天然記念物の指定を受け,金沢市指定保存樹の第1号とのことです。順番としては,神社よりも先にこの着があったのかもしれませんね。

この大けやきは,詩人・中原中也にもゆかりのあるとのことです。中也は,幼少時代を金沢で過ごしていたのですが,この大けやきの下で開催されていた軽業興行(サーカス)の記憶を基に「サーカス」という詩を書いたと言われています。次のような詩です。

幾時代かがありまして 茶色い戦争ありました
幾時代かがありまして 冬は疾風吹きました
・・・中略・・・
サーカス小屋は高い梁(はり) そこに一つのブランコだ 見えるともないブランコだ
・・・中略・・・
屋外は真ツ闇 夜は劫々(こうこう)と更けまする 落下傘奴のノスタジヂアと ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
擬音語が独特の印象を残す詩ですね。

さらには,室生犀星の生家もこのすぐ傍なので,幼少期,この境内を遊び場にしていたようです。

やはり大木のパワーはすごいものだ...と書いたところで...大変なことに気づきました!肝心の参拝をし忘れていました...。

その後,せっかくここまで来たので,西茶屋街も見てきました。家族とこの辺を歩くのは,本当に久しぶりだったので,色々と昔のことなどを思い出してしまいました。




帰宅後,自宅であぶりもちを食べてみました。
これはお守りです。