2016年10月1日土曜日

#とと姉ちゃん 最終回 常子,ととに褒められる。目的を持って日常を積み重ねることで,多くの困難を乗り越えていったドラマでした

本日は半年続いたNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の最終回でした。今回も全回を観たのですが,最初から最後まで安定感のある,安心して楽しめるドラマになっていました。

このところの朝ドラのパターンとしては,「最終回の1回前」に「感動のクライマックス」が来て,最終回は,テーマ曲を最後に流しつつ,少し違った開放感を感じさせる形にするというのが多いですね。「とと姉ちゃん」もそんな感じでした。

昨日,花山さんが亡くなってしまったので,本日はサプライズゲストという感じで,「とと」が夢の中の設定で登場。このことによって,ドラマ全体にさらにがっちりとした枠組みができていました。

ドラマの最初で,ととから「常子に家族を守って欲しい」と願いを託された結果が最終回の「常子,よくがんばったね」というセリフにつながっており,「ものすごくうまくまとまった」という満足感が広がりました。この2つの間に国民的雑誌作りに向けた壮大なドラマが組み込まれていた形になります。

# ただし,この場面での「とと」はあまり涙ぐまない方が良かったかな,という気がしました。

その後,「3つの家訓」の短冊(これはちょっと真似してみたい気がします)を机の中にしまうシーンも心に染みました。

このドラマで目立っていたのが,誰に対しても敬語を使っていた点です。本日の「とと」と常子の会話を聞いて,そのことを再認識しました。この家族内敬語というのが,3家族同居の大家族でも続いています。この「親しき仲にも礼儀あり」というのがこのドラマの隠れたポイントで,そのことにより,3姉妹とも良い人間関係を築いているのかなと思います。

このドラマを通じて感じたのは,日常をしっかり生きることの素晴らしさだけではなく,その素晴らしさを自然に継承していっている点です。「かか」の精神は鞠子が引継ぎ(かんぴょう巻きが暗示),花山さんの精神は美子が引継ぎ(昨日の「額が曲がっていないかチェック」の動作が暗示),常子の精神は(多分)たまきが引継ぎ...という感じがしました。そして,彼女たちが作る雑誌もずっと続く...。そういったことが一体となって,「これからも大丈夫」という安心感につながっていました。

微笑ましかったのは,俳優たちの年齢差です。恐らく,鞠子の子どもの「たまき」役の吉本実憂は,実際は「おばさん」に当たる美子役の杉崎花よりも年上のようです。調べてみると,次の順番になります。

高畑充希 1991年生まれ
相楽樹 1995年生まれ
吉本実憂 1996年生まれ
杉崎花 1997年生まれ

美子の場合,ドラマの中では「末っ子」感が必要なので,やはりいちばん若さのある俳優が相応しかったと思います。

朝ドラについては,脇役の中から次の主役が出てくるパターンが多いのですが,きっと次の中から新しい主役が出てくるのだと思います。
http://www.nhk.or.jp/totone-chan/cast/?ref=gnav
この中では,ドラマ「重版出来!」にも出ていた蒔田彩珠に注目しています。

ドラマ全体としては,向井理はどうなった(この人の役割がいちばん消化不良な感じでした)?大地真央はどうなった?鶴太郎はどうなった?星野さんはどうなった?赤羽電機はどうなった?...など重要人物の消息が気になる部分があり,その点はちょっと物足りない部分もあったのですが(「大物」感のある登場人物が多過ぎたのかもしれません。),そういった点も含め,昭和史を庶民の視点から結構壮大に描いた,とても良いドラマだったと思います。