2016年9月11日日曜日

石川県立美術館と金沢21世紀美術館の展覧会がスタート。ただしこの日は空の雲が主役だったかも。

9月になると金沢市内の美術館では,新しい展覧会が始まります。9月10日(土),県立美術館と金沢21世紀美術館の両方ともで,新しい展覧会が始まったのでざっと観てきました。

まず,石川県立美術館へ。

始まったのは企画展示「近代美術の至宝:明治・大正・昭和の巨匠」で,明治以降の洋画,日本画,工芸の各分野で活躍した巨匠たちの作品119点を集めたものです。名前を聞いたことのある作家の作品や石川県立美術館で所蔵している名品などが勢揃いし,非常に見ごたえがありました。


まずは,開会式へ。今年から友の会に入っているのですが,招待券が届いたので出かけてきたものです。オーソドックスな開会式で,テープカットなどを行っていました。

その後,作品を鑑賞しました。作品数は116点ということで,それほど多くないので,各作品をじっくりと楽しめるのが良いと思いました。

今回ざっと観て,まず良いなぁと思ったのは,次の2作品でした。

堂本印象「木華開耶媛」。これは今回の展覧会の目玉の作品で,ポスターでもメインに使われているものです。実物を見ると,ほんのりと暖かみのある色合いが素晴らしく,アルカイックな雰囲気が漂っていました。

洋画の方では,小絲源太郎「獺祭図」(だっさいず)というのが印象に残りました。色々なものが並べられた静物画なのですが,暗いトーンの中にクリアに浮かび上がる静物が非常に意味深な感じです。

ちなみに「獺祭」という言葉を調べると次のとおりです。

1 《「礼記」月令から》カワウソが自分のとった魚を並べること。人が物を供えて先祖を祭るのに似ているところからいう。獺祭魚。おそまつり。うそまつり。

2 《晩唐の詩人李商隠が、文章を作るのに多数の書物を座の周囲に置いて参照し、自ら「獺祭魚」と号したところから》詩文を作るとき、多くの参考書を周囲に広げておくこと。

2の意味になると思うのですが,どこか知的でミステリアスな雰囲気の漂う作品でした。

この展覧会は,時間があれば是非もう一度観てみたいと思いまうs。

石川県立美術館の外観です。この日は,雲の形が大変面白かってですね。見上げるたびに変化していました。



続いて金沢21世紀美術館へ。

途中通った広坂交差点でも空を見上げてみました。

この日からコレクション展2が始まりました。




一部撮影OKでした。塩田千春さんの作品。

志賀理江子さんの写真の部屋。印象的で鮮やかな作品が強く目に焼き付きました。
 

10月からは「Boundary between Kogei and Desdign」という新しい展覧会も始まるようです。

粟津潔さんの関係の展示も含まれていました。

さてこの日ですが...雲を測る男同様に,私も空ばかり見ていました。
 

「雲を支える男」という感じですね。

しばらくすると...本当に雲を測る感じになりました(撮影する角度で何とでもなるのですが...)。


レアンドロのプールも相変わらず賑わっていました。

タレルの部屋から観る雲の具合も良い感じでした。

こうやって見ると,21世紀美術館内には,寺社仏閣の中にいくつか名所があるのと同じような感じで,いくつかチェックポイントがあり,それぞれの知名度が上がっている点が人気を集めている秘密なのかもしれませんね。

外に出てみると,10月から始まる「金沢21世紀工芸祭」という,金沢を舞台とした大型工芸フェスティバルのシンボルのようなオブジェが登場していました。 

プレイベント的にテントや店も多数出ていました。このイベントも本格的に始まったら,いくつか参加してみたいと思います。

というわけで,これからは,「美術の秋」の方も楽しんでいきたいと思います。