2013年7月14日日曜日

NHK「100分de名著」 今月はプラトンの『饗宴』  書棚にあった文庫本を見てみると

この1年間ぐらい,NHK「100分de名著」を録画して毎回見ています。日本・世界の古典的な作品を25分×4回に分けて読み解く番組で(余談ですが,この「読み解く」という言葉は,最近とてもよく使われている気がします),「気になっているけれども読んだことのない古典」への絶好のガイドとなる良い番組だと思います。

今月はプラトンの『饗宴』を取り上げています。愛の神・エロースについての討論(饗宴という言葉がシンポジウムの語源)という内容ですが,それが段々と「知への愛=Philosophy」にへとつながっていくような感じです。

レナード・バーンスタインのヴァイオリンと弦楽オーケストラのためのセレナードという曲はこの作品を題材として作られているのですが,『饗宴』には少年愛にも触れている部分があるので,中々意味深かもしれません。

というわけで,我が家の書棚にある新潮文庫版の『饗宴』を久しぶりに引き出してみたのですが...文字が細かいですねぇ。1970年代後半に買った感じですが,なかなか読む気になりません。

驚いたのは,文中の所々に赤線が引いてあることです。読んでいたとすれば高校生の頃ですね。ただし,「本当に読んだのだろうか?」という感じで全く記憶に残っていません。

その線をパラパラと眺めてみると,この前の回にキーフレーズとして取り上げていた,「知と無知の間には,その中間の状態がある」とか「愛の神は善悪美醜の中間にあるもの」といった部分に線が引いてあり,我ながら良いところに引いていると感心しました(結構終盤に出てくるので,きっと全部読んでいたんですねぇ)。

もう一度読み返すかは迷うところですが,最近では新訳も出ているので,今回のシリーズを見た後に,もう少し活字の大きな版に買い替えてみても良いかなと考えているところです。