本日は大晦日ということで,2025年に行われたクラシック音楽関連の公演を振り返ってみたいと思います。
私の場合,オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の公演を中心に石川県立音楽堂で聞くとのが「定番」で,今年も年間60日以上の実演を聞きました(ガルガンチュア音楽祭のようなケースもあるので,公演数にするともっと増えます)平均すると週1回以上何か聞きに行っている計算になります。常識(?)的に考えるとやや多過ぎるかもしれませんが,コンサートホールで生演奏を聴くこと以上に贅沢なことはないのでは思っています。
基本的に「生の音楽(マイクを通さない方通い)を聞ければ何でも良い」という面もあるのですが,その中でも特に印象に残ったものをいくつか上げて行きたいと思います。
OEKの定期公演では3月8日の沖澤のどかさん指揮,牛田智大さんの公演,3月20日の広上淳一さん指揮の公演がともに編成的にもプログラム的にも「OEKらしいな」と思わせる内容。広上さん指揮のベートーヴェンの7番での余裕たっぷりの演奏が素晴しかったですね。
5月15日のファンタジー定期では,人気ピアニストの角野隼斗さんが登場。グルダの協奏曲は,ジャンルを超えて活躍する角野さんのピアノにぴったり。大盛り上がりでした。
5月24日の鈴木秀美さん指揮の「天地創造」全曲公演。この曲の面白さを体感できました。このところOEKが宗教曲の大曲を演奏する機会が少なかったのですが,これを機会にバッハの大曲なども再度聞いてみたいものです。
6月21日のイェルク・ヴィトマンさん指揮の公演。メンデルスゾーン「宗教改革」の生き生きした表現が忘れられません。個人的にはこれが今年いちばん印象に残った公演です。
10月4日の川瀬賢太郎さん指揮によるマーラーの交響曲第4番。こちらはOEK初挑戦の曲でしたが,曲想的にもぴったりでした。OEKのマーラーといえば,11月末に高崎で行われた飯森範親さん指揮群馬交響楽団定期公演への参加も面白い試みでした。今度は石川県立に来ていただいて,マーラーの「何か」(6番とかどうでしょうか?)の合同演奏に期待したいと思います。
オペラやステージ公演では,何と言っても11月23日に行われた「高野聖」の再演が舞台の美術の素晴らしさもあって完成度の高い作品になっていました。鏡花作品のオペラ化をシリーズ化し,レパートリーを増やしていけば,将来的にはOEKの大きな財産になっていくのではと思いました。オペラ以外でも野村萬斎さんプロデュースによる,メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」2月22日の真冬公演でしたが)もオリジナリティ溢れる美しい公演。このシリーズも好調ですね。
4月末から5月上旬にかけてのガルガンチュア音楽祭の方も定着していますが,こちらの方はオーケストラ公演の方は,「幅広い聴衆向け」という感じになってきているので,私についてはアーティスト中心にチョイス。ファゴットのソフィー・デルヴォーさん,オーボエのシェレンベルガーさんなど注目のアーティストの演奏を色々楽しめましたが,中でも印象に残ったのが,ベテランピアニスト,エル=バシャさんのピアノ。ピアノの聖人といった落ち着きと完成度の高さをもった素晴しい演奏に感服しました。
現在,石川県立音楽堂コンサートホールの方はパイプ・オルガンの改修のため休業中で,代わりに邦楽ホールで特別定期演奏会が行われています。この試みも注目です。以前,交流ホールでOEK団員プロデュースによる「マニアックな企画」をよく行っていましたが,今回のシリーズをリニューアルしたようなマニアックなシリーズを邦楽ホールで行ってみても面白いのではと思います。
というわけで,OEKと石川県立音楽堂というソフトとハードを使って,いろいろなアイデアの盛り込まれた公演を楽しめた1年でした。能登半島地震からの復興が完全に終わっていない状況ではありますが,来年もまた,毎週のようにクラシック音楽を中心とした生演奏を楽しめるとよいなと思っています。
皆様良いお年をお迎えください。