7月24日は芥川龍之介の命日の河童忌です。それにちなんで,室生犀星記念館の展示「偉い友達芥川龍之介」を観てきました。チラシに「7月24日と25日の来館の方に記念品進呈」と書かれていたのに釣られたのですが,この2人の仲の良さが実感できる内容で,夏の暑さの中,しばらく昭和初期にトリップしてきました。
ちなみにいただいた記念品は,「河童忌の田端にひらふ蛍かな」という犀星の句の書かれた栞でした。恐らく,活版印刷で,文字の部分が凹んでいます。そして芥川龍之介の影のようなイラストが入っています。「カッパ忌にカッパン印刷の栞をもらった」と喜んでいます。
何とか文字の立体感が伝わるでしょうか? |
裏面にスタンプを押してきました。 |
芥川や犀星の直筆の手紙の展示が中心でしたが,少々意外に思ったのが,芥川の文字です。知的でモダンで神経質なイメージを持っていたのですが,文字の方は堂々と大きな毛筆ばかり。犀星の文字は,原稿用紙のマスの中にかっちり納まっているものが多く,好対照でした。
芥川は,犀星の「愛の詩集」を読んでから詩人としての犀星をとても高く評価し,その後,色々つるむようになったことがよく分かりました。関東大震災後の大正13年には,芥川は,疎開する感じで故郷に戻っていた犀星を訪ねて,金沢に来ています。森八の和菓子が好きとか,方言を入れた短歌を読んでいたり,芥川は,実はなかなかお茶目なのだなと思いました。自身で落書きのように描いた「自画像」(北原白秋が描いたという説もあるとのこと)もあったり,芥川に対するイメージが少し変わった展示でした。
せっかくなので,本日は,犀川沿いにある犀星の碑も観てきました。
犀川の右岸沿いに,犀川大橋から上流に向かいました。対岸には昔は魚屋さんのような料亭のような店があったのですが,なくなってしまいましたね。