美術館の前の通りです。緑がきれいでした |
日展を観に行くのは,3年ぶりのことです。主に洋画や日本画を中心に充実した作品をたっぷり観てきました。日展の作品の場合,比較的オーソドックスな具象画が多く,「きれい」「本物みたい」「緻密だ」という感じで,分かりやすいのが良いですね。
若手作家の作品は気合いが入っているのが目に見えて分かるような作品が多く,大家の作品については余裕や軽みがあり,個性が自然に出ているようなものが多いのではないかと思います。個人的には,深さや密度の高さの感じられる作品が好きです。そして,結果的には各種入選作にそういう作品が多かったと思います。反対に発想やコンセプトが安易な作品は「イマイチ」と感じます。
県立美術館の休憩コーナーから見る緑。気に入りの場所です |
展示室では,丁度,石川県出身の日本画の出展作家さんが,日本画コーナーの作品の解説をされていました。解説を聞きながらだと,「着目ポイント」を教えてもらえるのが良いですね。日本画の場合,洋画の場合以上に,絵の表面の肌触りのようなものが多彩で,どういう素材を使って,どれくらい厚く塗るか,薄く塗るかがポイントなんだなと思いました。
具象的な作品が多いと書いたのですが,かなり幅は広く,具象的なものから,デザインに近いものまで,淡い色合いからカラフルなものまで,色々な作風が混在しています。その中から好みの作品を探すのがこういう展覧会の楽しさでしょうか。
個々の作品では,解説者の方がいわれていた,森美樹の「羽音」という作品のフレスコ画を思わせる独特の清潔なムードが良いと思いました。
https://nitten.or.jp/artwork/exh170109
洋画では,ナカジマカツの「樹海」という作品の,女性のリアルな表情が背景の中からグッと浮き上がってくる感じが目を引きました。
https://nitten.or.jp/artwork/exh170285
熊谷有展のオレンジ色の点描作品がすごいと思いました。
https://nitten.or.jp/artwork/exh170198
展覧会を観た後,成巽閣に行ってみました。
前田家の梅鉢の家紋が入っているのを見つけました |
今回行こうと思ったのは,入場無料になる券を持っていたからなのですが,時々行ってみるのも良いものです。縁側(何と呼ぶのでしょうか?)にドカっと座って庭を眺めるというのは,結構贅沢な気分になります。
2階の方は群青色の天井の群青の間が有名です。それに加えて,窓から眺める景色もとても気持ち良いものでした。
昼間はのんびりと過ごしていたので,その分,夕方から金沢百万石まつりに参加してきました。日頃,能を観る機会がないので,金沢城公園で毎年無料で行っている,百万石薪能を観てきました。
兼六園も入場無料でした |
この五十間長屋の前で行われました |
子供たちによる「前座」の舞台の後,火が入れられました。 |
オリンピックの聖火同様,本物の火には何か力がありますね。 |
能の「葛城」の方は,鳴り物+地謡入りということで,まずは金沢城内に響く音が良いなぁと思いました。演目の方は,葛城山を通りかかった山伏と女神の話です。女神の羞恥心のために岩橋の架橋が遅延している...ということで,どこか泉鏡花の物語にでも出てきそうなキャラクターだなあと思いました。終盤になって,面を付けた女神が豪華な衣装で出てくるというのも,何とも言えずドラマティックです。この「静かなドラマ」というのが良いですね。
中入り前 |
中入り後 |
# 能の写真については,肖像権があるので,「写真コンテスト」以外には利用不可とのことでしたが,何と言っても,いわゆる「インスタ映え」するイベントなので,やや小さめにして掲載してみました。
良く見えませんが,結構大勢のお客さんが入っていました |
兼六園下の土産物店の店頭に貼ってありました。 現在アイスショーのため金沢に来られているようですね。 |