2017年11月12日日曜日

#石川県立美術館 で #東京国立近代美術館工芸館 名品展「陶磁いろいろ」を観てきました。本当に名品揃いという感じでした。

2020年に金沢に移転する東京国立近代美術館工芸館の名品展「陶磁いろいろ」が石川県立美術館で行われたので,観てきました。
展示の方は,タイトルどおり陶磁器の名品揃い。展示室は1室でしたが,学芸員の方の解説を聞きながら鑑賞したので,大変面白く楽しむことができました。

何よりも良かったのは,いろいろなタイプの名品を楽しめたことです。学芸員さんの話の中で「伝統的な技法で新しい形を表現」という言葉が何度も出てきたのが印象的でした。人間国宝の作品が多数含まれていましたが,その技と工夫と各種素材の見本市みたいなところがありました。

ちなみに「人間国宝」というのは,「重要無形文化財保持者」ということで,指定されるのは技術になります。今回は,その技術を持っている人の作品の数々が並んでいたことになります。

伝統的な陶磁の技法をベースにした上で次のような作品がありました。

  • オーソドックスな椀や皿
  • あえてチープな雰囲気にしたポップな作品
  • 機能的なデザインを持つ実用的な作品
  • 機能的ではないオブジェ的な作品
  • 生活の中に芸術をという民芸運動に基づく作品

陶磁器については,全く知識はないようなものですが,名は体を表すという言葉どおり,作品のタイトルを見れば,こういったタイプ分けが大体分かるなということが改めて分かりました。

作品の中には,金沢21世紀美術館で展示されていたような現代アート的な作品もあり,この美術館が金沢に移転した後は,色々な連携ができそうだなと思いました。

陶磁器の見方については,学芸員さんが言われていた「素材がなろうとしている形と作家が作ろうとする形のせめぎ合い」という言葉がポイントになると思いました。「陶器とは思えない」別の素材感を出している陶器がある一方で,その素材らしい質感を素直に出している作品があったり,色々な楽しみ方ができると思いました。

また,陶磁器については,作る過程で偶然性が加わることも多く,これを好む人とそうでない人がいるとのことです。そういった要素も含め,今回の展示では,結果として美しさの感じされるような質感を持った作品が集まっていると思いました。

ちなみに隣の展示室には,元々石川県立美術館所蔵の工芸品も展示されていました。こちらの展示も遜色がないなぁと思いました。

本日は快晴だったのですが,美術館の窓の外に見える景色も下の写真のとおり,絵のように美しかったですね。

金沢の美術館では,何といっても21世紀美術館が有名ですが,全般的に石川県立美術館の方がゆったりと楽しめ,「自分の家」のような感じでのんびりと過ごせるところがあります。色々な美術館があり,それをハシゴできるのは良いなぁと改めて感じているところです。

それにしても今日は良い天気でした。