ここ数年,10~11月頃にかけて,金沢市内にある文学館を4つめぐると記念品をもらえる「文学のまちを歩こう。」というイベントを行っています。ラ・フォル・ジュルネもそうですが,”ハシゴ”して回る
ことが好きな性分なので昨年に続いて,今年もやってみました。ちなみに入場料ですが,「ワンデイパス」を買えば,500円で済みます。
今回ですが,11月9日の金曜日の午後,休日出勤の代休をもらえたので午後からのんびりと自転車で6か所めぐってみました(余談ですが,「午後から休み」というのは良いものですね。1日休みよりも好きかも知れません。)。
スタートは,徳田秋声記念館。この日から企画展「泉鏡花といふ男」という展示が始まっていました。今年は,泉鏡花文学賞制定40周年記念ということで,鏡花関連のイベントをいろいろとおこなっているので,秋声記念館でも鏡花を取り上げたようです。ライバル関係にあった鏡花についてのコメントなど,興味深いものがありました。
続いて泉鏡花記念館へ。こちらでは,特別展「泉鏡花×中川学 絵本「化鳥」原画展」をやっていました。鏡花作品には幻想的なイメージがあるので,映像化されることも多いのですが,この「化鳥」という作品も読みたくなりました。
その次は,すぐ近くにある金沢文芸館へ。この館は...数合わせのために行ったようなものですが,個人の家の書斎のような雰囲気がなかなか良いですね。
その次も「通りがかり」だったのですが,寺島蔵人(くらんど)邸という武家屋敷に行きました。この建物は,ただの個人の家だったのですが,数年前に金沢市に移管され,文化施設として観光客も入るようになったものです。私自身,中に入るのは今回が初めてでした。庭が見所なのですが,まだ紅葉はしていないようでした。
続いて広坂方面へ。自転車だと大して時間は掛りません。中央公園横の街路樹の紅葉が見頃になっていました。
ただし,地面に落ちた葉っぱの方が好きだったりします。
中央公園の中にも入ってみました。ずーっと前に次の写真のアングルで絵を描いたことがあるのを思い出して,同じ構図で写真を撮ってみました。外国人に話しかけられたことなどを思い出します(なぜか日本語でほめてくれました)。もちろん当時は,背景の石川近代文学館にはガラスのエレベータはありませんでした。
その次に金沢能楽美術館にも立ち寄ったのですが...写真を撮り忘れていました。
その後,一気に犀川大橋を渡り,室生犀星記念館まで行きました。この館では,企画展「小説家犀星の誕生:瀧田樗陰コレクションから」をやっていました。中央公論の編集者だった瀧田樗陰という人の影響力についての展示でした。犀星には限りませんが,文学作品については,この編集者の力というのが大きいですね。
ここで4館を制覇したので,記念グッズの「絵はがき帖」をもらいました。各記念館の絵はがきを束ねたものです。ちょっとレトロな本の装丁がデザインされていたり,なかなか面白いものでした。次のような感じです。
その後,再度,犀川を渡りました。かなり暗くなってきていたので照明が点灯し始めていました。
最後はお馴染みの金沢21世紀美術館で締めました。ただし...写真に写っている脚立は展示物ではありません。丁度展示作品の入れ替え中でした。11月下旬からの新しい展示が始まったら,また観に来ようと思います。
以上で半日の金沢市内ツァーを終えました。かかった費用は500円だけでした。この日は快晴ではなかったのですが,雨は降っていなかったので,こういう場合は,自転車がいちばんですね。費用的にも時間的にも効率的です(健康面でも)。
金沢市には,大きくない美術館や博物館などの文化施設がかなり分散しており,運営の面では非効率的と言われかねないのですが,こうやって街歩きと組み合わせることができるのは大きなメリットだと思います。
こういう企画がないとなかなか地元の文化施設に行く機会はないので, 1年に一度ぐらいはハシゴをするのも良いものだと思います。
(参考)ちなみに昨年は次のようなツァーをしました。
http://oekfan.blogspot.jp/2011/10/blog-post_11.html