2012年7月12日木曜日

九州は「これまで経験したことのないような大雨」

梅雨も終わりに近づいているのか,このところ全国的に大雨になることが多くなっています。今日は,熊本県などで記録的大雨になったようです。

今回,この「記録的大雨」を表現するために使われたのが,「これまで経験したことのないような大雨」という言い方です。この表現は,最大級の表現ですが,厳密に考えると,不正確な表現だと思います。

まず,誰にとって「経験したことがない」のか?がよく分かりません。全国を転々としている気象庁の人なのか,熊本県にずっと住んでいる人なのか?80歳の老人か?14歳の中学生か? ベテランの気象庁の職員が「こんなの経験したことないですよ」というのと子供が感じるのとでは結構感覚は違うと思います。

それと,仮に来年,熊本県がかなりの大雨になったらどういう表現になるのか気になります。「昨年ほどではないが,かなりの大雨」といった表現になるのでしょうか。

厳密さと分かりやすさを両立させるのは難しいと思いますが,個人的には,同じ県での前回の同レベルの大雨と比較して,「○○県ででは○年ぶりの大雨」ぐらいの言いまわしの方が落ち着きます。何も限定なしで「これまで経験したことのない」となると,いくらなんでも大げさ過ぎる気がします。

ただし,映像を見る限り,今回は「本当にすごい大雨です」ということを伝えたかったのだと思います。石川県は比較的,大雨の災害の少ない県ですが(雨の日は多いですが),今回,災害に合われた方にはお見舞いを申し上げたいと思います。