鈴木大拙関係の写真や書などが展示してはありますが,非常に数が少なく,広々とした余白の方が目立つような展示の仕方でした。建物の雰囲気もモダンでクールな感じなので,金沢21世紀美術館と通じるような部分も感じられました。
展示されているモノの数が少ないからといって物足りないわけではありません。こういった博物館の場合,多くのモノにこまごまと解説付きで展示されていても,いちいち読む気にならないことが多いのですが,これぐらい少ないとしっかり,1点ずつ鑑賞しようという気になります(さらに細かい説明は,「ふるさと偉人館」の方におまかせということなのかもしれません)。各展示の横にキャプションがなく,別冊リーフレットを取って説明を読む形になっていましたが,このアイデアも良いと思いました。
その少ない展示を抜けると,四角い池のような場所に出ます。その中に瞑想でもできそうな場所があります。この雰囲気は,ちょっと金沢21世紀美術館のタレルの部屋に似ていると感じました。タレルの部屋の場合,窓のない部屋の天井だけが開いていることで,安心感と開放感の両方が味わえるのですが,大拙館のこの部屋の方は,同じような四角い部屋なのですが天井にあるのは丸い窓です。部屋の周囲は水に囲まれており,さらに外側に本多の森の景色が広がっています。冬になったら寒そうですが,この雰囲気はなかなか良いと思いました。本多町周辺に出かけることは滅多になかったのですが,こんなに静かな雰囲気だとは思いませんでした。
鈴木大拙館の思索空間 |
こちらは21世紀美術館のタレルの部屋 |
PS. この大拙館のロゴマークですが,QRコードみたいですね。冗談半分で,我が家のスマートフォンで読ませようとしてみたところ,「必死に認識しようとするけれどもうまく読めない」という感じになりました。機械には悪いことをしました。