2025年9月27日土曜日

NHK朝ドラ「あんぱん」最終回にちなんで「それいけ!アンパンパン:ベストヒット'96」というCDを久しぶりに取り出してみました

 NHKの朝ドラ「あんぱん」も昨日で終了。半年間楽しませてもらいました。

主人公・のぶは最後難病にかかりますが,亡くなって終わりとするのではなく,夫・たかしの尽力もあり,最後の数年間は「いきるよろこび」を持って生きることができた...といった終わり方にしていたのが良かったと思いました。「命をつないでいく」という「アンパンマン」のお話に合ったエンディングだったと思います。

というわけで,我が家に残っている,テレビアニメ「それいけ!アンパンマン」で使われていた音楽を集めたベスト盤を久しぶりに取り出してみました。「幼児はみんなアンパンマンが好き」という法則(?)どおり,我が家の子どもも大好きで,その流れで買ったものですが...30年近く前のものということに感慨を感じます。次の写真のとおり相当ボロボロです。

朝ドラの最後の方でも「アンパンマンのマーチ」は重要な役割を果たしていましたが,この曲のイントロのシンバルの鮮烈な音が聞こえると,「パッ」と画面を見てしまいますね。朝ドラの最終回前日では,「無事アニメがスタートできました」というシーンで使っていましたが,この明るい画面を見るだけで泣けてきそうになります。

歌詞カードにはこの曲に合わせて踊る
振付けも描かれていました。

このベスト盤に収録されているのは次のような曲です。すべて,やなせさん自身が作詞しています。


実はアニメ自体,私自身はあまり見たことはないのですが,ばいきんまんとかドキンちゃんといったキャラクターはお馴染み。それぞれに人気がありますね。

明るいキャラクターが多い中,一味違うのがロールパンナ。ドラマでは蘭子(Rの音が共通しますね)が担当。他にも色々なキャラクターが出てきましたが,「アンパンマン」の世界観と「あんぱん」の世界観がとてもうまく重なり合っていた(誰が誰のイメージか探すのも)のも面白かったと思います。

それにしても蘭子役の河合優実さんは良かったですね。助演女優賞だったと思います。何とも言えない「冷めているような燃えているような感じ」「昭和の感じ」は,妻夫木さんの抑えた演技ともども,ドラマ全体の中で明るいアンパンマンの世界の対旋律のようにずっと続いており,それが「見応え」を作っていました。

そして今田美桜さん。ドラマの最後に行くほどドキンちゃんに顔つきが似てきたように感じてしまいました。ちなみに次の「私はドキンちゃん」は,いずみたくさんの作曲です。


好むと好まざるに関わらず,色々な人たちが重なり合い,つながり合い,時にはアンパンパンのようなヒーローに救ってもらいながら,結構生きるのが大変な人生を生き抜いていく。ある意味メルヘンの世界なのかもしれませんが,その世界観は多くの人にとって,生きる力になっていると改めて感じさせてくれるドラマでした。

2025年9月25日木曜日

先日のOEK定期公演でトム・ボローさんがアンコールで演奏した、バッハ,J.S.「羊は安らかに草を食み」。大好きな曲を聴き比べしてみました。

 先日のオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)第496回定期公演で、ピアニストのトム・ボローさんがアンコールで演奏した曲が、J.S.バッハ作曲の「羊は安らかに草を食み(Schafe Können sicher weiden)」でした。もともとは「狩のカンタータ」と呼ばれている宗教曲に含まれるソプラノのアリアですが、とても親しみやすく美しい曲ということもあり、色々な形に編曲されて演奏されることも多い曲です。

個人的には、NHK-FMでかつて放送していた「あさのバロック」という番組のテーマ曲として聞いたのが印象に残っています。正確にいうとこのテーマ曲でこの曲を知りました。朝6時代の静かな空気にぴったりの曲で、それ以来、大好きな曲となりました。

このFM放送では、オリジナルの歌入りではなく、ソプラノの部分をヴァイオリンに変えた管弦楽曲版を使っていたので、この曲の管弦楽版を含む「バロック音楽名曲集」的なCDを買ってみたことがあります。それが次のCDです。

懐かしい名前ですが、カール・ミュンヒンガー指揮シュツットガルト室内管弦楽団の演奏が中心です。ただし...その中に入っている演奏ですが、どうも「あさのバロック」のテーマ曲の音源とはちょっと違う感じ。FMのテーマ音楽だと、通奏低音のオルガンが下降するフレーズを演奏するのですが(このフレーズがなぜか好きなのです)、ミュンヒンガー版には入っていませんでした。

「残念」というわけで、YouTubeで探してみました。私の印象では、次のネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団の演奏のような気がします。

https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=B1nyzGR3tUE

真偽はわかりませんが、マリナー版のオルガン担当の奏者が勝手に付け加えたのかなと勝手に想像をしています。この音源、中古CDなどで見つけたら入手してみたいと思っています。

さてこの曲のピアノ版ですが、今回演奏されたのはエゴン・ペトリという人が編曲したもので、ピアノ版の定番のような感じです。我が家にある音源は、今年5月のガルガンチュア音楽祭に出演した、實川風(じつかわ・かおる)さんがバッハの曲を集めたCDです。このアルバムにこの曲が収録されていたので聞いています。とても実直に演奏された安心して聴ける演奏です。


演奏後、サインもいただいています。

ちなみにこのCDですが、背の表記は次のとおり「實川風バッハ」。ヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ」のパロディのようで、そのネーミングセンスも気に入っています。

CDの背の部分にしか書かれていません。

ピアノ演奏版ではレオン・フライシャーがこの曲を演奏するのをテレビ(フライシャーの追悼番組)で見たことがあります。フライシャーは右手の故障のため「左手のピアニスト」として活躍していたのですが、リハビリで右手の機能も回復し、両手でこの曲を演奏したという演奏。この演奏ももう一度聞いてみたい気がします。

その他、シンセサイザー版バッハの先駆者、ウェンディ・カーロスが編曲したものも聴いた記憶があります。これも探せば音源がWebに乗っているかもしれません。

最後はオリジナル版です。ヘンスラーというレーベルから2000年頃にリリースされたバッハ全集の中に入っているヘルムート・リリング指揮のCDを持っています。この演奏はオリジナル楽器による演奏ではないのですが、例えば現代のフルートではなくもっと素朴な音のするブロックフレーテを使っていたり、バッハ時代に近い雰囲気を持った演奏だと思います。ソプラノはエヴァ・キルヒナーという方で、耳が洗われるような瑞々しい声です。

「狩のカンタータ」はBVW.208の方です



No.9が「羊は安らかに草を食み」です。

ちなみにバスはマティアス・ゲルネ。1990年代後半の録音ですが、この方は今では世界を代表する歌手になっていますね。その若き日の歌です。「狩のカンタータ」に先立って、ブランデンブルク協奏曲第1番の第1楽章と同じ音楽が序曲として収録されているのですが(上の写真のトラック番号です)、このカンタータ用に使われていたという説を踏まえて一緒に演奏しているようです。ホルンの雰囲気など狩の気分によく合っていますね。

というわけで、この曲、世界中で色々な人に愛されている曲のようです。今後も色々なアーティストがアンコールで演奏してくれるのではないかと思います。

2025年9月11日木曜日

追悼・吉行和子さん OEKの応援団でもあった吉行さんの語りで演奏された、岩城宏之指揮 武満徹「系図(ファミリー・トゥリー)」を久しぶりに聞いています。

 9月2日に俳優の吉行和子さんが亡くなられたという訃報がありました。吉行さんは、岩城宏之さんが音楽監督だった頃からオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の「応援団」として、プログラムにずっとお名前が掲載されていました。


ここ数年はOEKとの共演はありませんでしたが、グリーグの「ペール・ギュント」と武満徹の「系図」のナレーターとして実演を聴いたことを思い出します。このうち「系図」の方は次のとおりCD化されています。

三善晃さんの作品とのカップリング。
その曲でピアノを演奏している木村かをりさんのサイン入り。


この曲はもともとは大編成オーケストラのための曲ですが、この時は岩城さんがOEK用にアレンジした版で演奏されました。谷川俊太郎さんの詩は「むかし、むかし」で始まりますが、吉行さんのちょっとハスキーな声で聞くと、おばあさんが昔話を読み聞かせるような雰囲気になります。淡々とした中に温かみのある語りを聞くと落ち着きますね。岩城さん指揮もあっさり気味ですが、やはりその中に滋味深さが漂っています。個人的には、あまりにも情感たっぷりの朗読を聞くと...ちょっと引いてしまうようなところがあるので、この曲についても、「これぐらいの感じ」がちょうど良い気がします。というわけで、私にとってのこの曲の定盤がこの演奏です。

その他、色々OEK関連の資料を調べてみると、次の本の中にエッセーを書かれているのを見つけました。




「ペール・ギュント」の時の写真も掲載されていましたが、「9月6日=岩城さんの誕生日で、ハッピーバースデーの音楽を聞いたなぁ」と思い出しました。やはり、紙の本やCDなど、形のあるものの方が懐かしさが増すものですね。


2025年9月10日水曜日

露口茂さんをしのんで,グラナダ・テレビ製作「シャーロック・ホームズ」シリーズのオリジナル・スコアのCDを聴いています。そのつながりでケネス・シリトの演奏を探してみました

先日,俳優の露口茂さんが4月に亡くなられていたという訃報がありました。

露口さんといえば,やはり1970年代の人気ドラマ「太陽にほえろ!」の刑事役のイメージが強いのですが,さすがに50年も前の作品(このことにも驚いていますが)。我が家では,英国グラナダ・テレビ製作の「シャーロック・ホームズ」シリーズ(ただし,こちらも40年ほど前の作品ですが)でのシャーロック・ホームズ役の吹き替えの印象が強いですね。

このグラナダテレビ版は「本物感たっぷり」の雰囲気のある映像の素晴らしさに加え,主役ジェレミー・ブレットが唯一無二のはまり役。そしてその声を日本語に吹き替えていた露口さんの声も「これ以外考えられない」はまり役だと思います。現在に至るまで,NHKのBSなどで何回も何回も再放送されていますので,露口さんの声も永遠だと思います(考えてみると吹き替え版でしか観たことがないかも)。

最近気づいたのですが,我が家のCD棚にこの「シャーロック・ホームズ」シリーズの音楽を集めたCDがあるのを発見しました。私が買ったものではなく家族が買ったものだったので見落としていました。帯には「サウンド・トラック」と書かれていますが,データによると1987年録音。年代的には,放送で使っていた音源ではなく,オリジナル・スコアを使った独自の録音のような気がします。

番組のテーマ曲になっている,ヴァイオリンソロのメロディが何と言っても有名ですが(この曲のスコアが解説に付いているのも良いでですね),その他の曲もこのテーマのバリエーションのような感じで,「ホームズの主題による変奏曲」といった趣きがあります。ヴィクトリア朝の英国ムードに浸るには絶好の1枚だと思います。

さてこのCDで主題のヴァイオリンを演奏している人ですが,ケネス・シリト(シリートとかシリトーとか表記に揺れがありますが)という人です。「この名前とこかで聞いたことがあるな?」と思い調べてみると,ガブリエリ弦楽四重奏団の第1ヴァイオリン奏者だと分かりました。ガブリエリ弦楽四重奏団の演奏では次のCDを持っていました。



シア・キングバセットクラリネットジェフリー・テイト指揮イギリス室内管弦楽団,そしてガブリエリ弦楽四重奏団による,モーツァルトのクラリネット協奏曲五重奏曲を組み合わせた録音です。英国のHyperionというレーベルから出ているもので,録音時期は偶然ですが,ホームズの初回の放送が始まったのと同じ頃です。このレーベルは風景画などオーソドックスなデザインのジャケットが多いのですが(このオーソドックスな感じが気に入っています),このCDでのシア・キングのバセット・クラリネットの演奏もとても律儀で,安心して聞ける1枚です。

もう一つはヤナーチェクの室内楽を集めた録音。2枚組のCDでヤナーチェクの室内楽が全部聞ける,ということで買ったものです。まとまりが良すぎかなという感じはありますが,こちらも私にとっては定番の一枚。ケネス・シリトさんの独奏は,ヴァイオリン・ソナタの演奏で楽しめます。


というわけで....露口茂さんから遠く離れてしまいました。音楽を通じて色々なつながりを探し,辿っていくのは楽しいものです。

2025年7月27日日曜日

夏真っ盛りという感じになってきたので...映画『アメリカン・グラフィティ』のサントラ盤を聞いています。最後に流れるビーチ・ボーイズの「オール・サマー・ロング」の明るさの中のはかなさが耳に染みます

暑い 夏になると聞きたくなるアルバムというのがいくつかあるのですが,映画『アメリカン・グラフィティ』のサウンドトラック盤もその一つです。1970年代前半に作られた,この映画自体はしっかりと観たことはないのですが(これはやはりリアルタイムで映画館で見た方が良い映画だと思います),サントラ盤の方は何度も聴いています。


1962年のカリフォルニアの小さな町を舞台とした,4人の若者たちのエピソードを「オールディーズ・ナンバー」に乗せて描いた作品です。監督は「スター・ウォーズ」の前のジョージ・ルーカス,製作は「地獄の黙示録」の前のフランシス・フォード・コッポラ,出演は「ジョーズ」に出る前のリチャード・ドレイファスと映画監督になる前のロン・ハワードetcとその後,大物になる人たちが結集しているのですが(無名時代のハリソン・フォードも出ていたようですね),何よりも全編に流れる「懐かしのロックンロール」的な音楽と当時の若者ファッションが映画の魅力になっていると思います。映画の中にもアメリカ車が沢山登場しますが,このサントラ盤もカーステレオ(今は何と呼ばれているのか分かりませんが)で聞くのがいちばんはまる気がします。

最近,ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンが亡くなったのでその追悼の意味も含めて,特にビーチボーイズの曲に注目してみると,まず「サーフィン・サファリ」という曲が入っています。この曲になると一気にサウンドがカラッとした感じになります。

そして映画の最後のクレジットの部分で流れる「オール・サマー・ロング」。何も深いことを考えていないような明るい曲なのですが「映画の終わり」の気分と「夏の終わり」「青春時代の終わり」といった気分が青空の映像と重なり合い,妙に切ない気分になります。登場人物の「その後」も文字で示されるのですが,「ベトナム戦争で戦死...」といったことがサラリと示され,余計に青春時代の儚さのようなものが後に残ります。

その他次のような曲が2枚組で41曲入っています(時々映画内でも登場するDJの声も入っています)。



最近亡くなったコニー・フランシスの歌も入っていたかなと思い,確認をしてみたのですが,こちらは入っていませんでした。この人の明るい声(リアルタイムで聞いたわけではないのですが)も時々,無性に聞きたくなります。今度音源を探してみようと思います。

2025年7月12日土曜日

追悼アルフレッド・ブレンデル,ベートーヴェン,モーツァルト,シューベルト...ワインレッドのレーベルの1970年代の音盤はどれも良いですね。

 名ピアニスト,アルフレッド・ブレンデルさんが先月6月17日,94歳で亡くなられました。個人的な思い出としては,私がクラシック音楽を聴き始めた1970年代からCDを最もよく聴いていた1990年代までを中心に,ず~っとクラシック音楽の世界のメインストリームを歩んでいた「ザ・スタンダード」といった存在でした。

もちろん「ブレンデルだけ」の時代ではなく,レコード会社ごとに中心的なスター・ピアニストが今よりずっと鮮明に存在していた時代でした。ドイツ・グラモフォンのポリーニとアルゲリッチ,ロンドンのアシュケナージといった同様のピアニストが毎月のように新譜録音を出し,愛好家の方は「レコード芸術」を熱心に読んでいました(ただし学生だった頃はLPを買っていたわけではなく,NHK-FMのクラシック音楽番組でエアチェックという形でしたが)。そういった時代の空気感も懐かしく感じます。

ブレンデルさんの実演に接したことはありませんが,どの演奏もきちんと整っていて,「大学の先生」といった感じでした。全集(的)な録音の多さでは,アシュケナージと双璧だったと思います。今回の訃報をきっかけに,持っていたCDを色々と聞き返しているのですが,見事にワインレッドばかりになりました。今はなきフィリップス・レーベルは良かったなぁと懐かしくなります。

というわけでいくつか紹介しましょう。まずはベートーヴェンのピアノ・ソナタ。1970年代録音の三大ソナタと1990年代録音。すべて中古で買ったものですが,特に1970年代のベートーヴェンが良いですね。深さと軽妙さ,抒情性と構築感のバランスが素晴らしくて安心して楽しめます。1990年代の方は,良くも悪くも「頑固さ」が出てきている感じがします。



モーツァルトについては,ネヴィル・マリナーとのピアノ協奏曲全集の方がスタンダードかもしれませんが,個人的に思い出深いのは,「トルコ行進曲」付きのソナタの録音。私が中学生の頃,FMで初めて聴いた(録音した)のこの曲の演奏がブレンデル盤でした。美しい完成品といった感じの模範的な演奏だけど冷たい感じもなく,聞き飽きない演奏だと思います。

シューベルトについては,「レコード芸術」誌での「曲ごとにベスト盤を競うような企画(こういう企画自体,懐かしいですね)では,ブレンデルのシューベルトはいつも上位でした。甘くなり過ぎない,真面目さの漂う抒情性はシューベルトにぴったりかもしれません。持っているのは即興曲集。これも1970年代にFMで聴いた記憶があり,後からCDで買ったものです。しゃきっとして崩れないけれども,堅くなりすぎない美しさがあるのが良いですね。


そしてシューベルトピアノ五重奏曲「ます」クリーブランド弦楽四重奏団(の中の3人+コントラバス奏者)との共演ですが,カバーの写真を見ると,1970年代の大学生と先生(ブレンデル)といった雰囲気。確かレコード・アカデミー賞を取った盤だったと思いますが,シャキッとした推進力のある,いつまでも新鮮で生きの良い「ます」です。


結局のところ,私がクラシックを聴き始めた1970年代後半の録音ばかりになってしまいましたが,私に取ってのブレンデルはそれらの録音とともに「永遠に不滅」なアーティストです。昔を振り返ることが多い年代になってきましたが,そう考えるとやはり形のある音盤の方が愛着がわきやすく,オリジナルのジャケット写真というのは重要だなと感じます。少しずつ「整理」することは必要ですが,音盤集めは一生続くのかなと思います。

2025年6月15日日曜日

本日は金沢駅もてなしドーム地下広場で行っていた音盤市へ。CDで「持っていない」曲を中心に3枚購入。思いがけず演奏者のサインも入っているものにも遭遇。

 本日は金沢駅もてなしドーム地下広場で行っていた音盤市に出かけてきました。今回はCDで「持っていない」曲を中心に3枚購入しました。会場は次の写真のような,いつもながらの感じでした。


1枚目は「古典派鍵盤音楽の巨匠たち」。ウィーン古典派(多分)の色々な作曲家の「世界初録音」の小品などを集めたCD。演奏はスティーヴン・ベックという方で,音色からするとフォルテ・ピアノを演奏しています。


心地良く聞ける,素朴な感じの音楽がずっと続いているので,「少々単調かな...」という面はありますが,軽やかな音に部屋が満たされる感じが魅力です。サティの音楽同様の「家具の音楽」といった感じで,楽しんでみたいと思います。


次はシャルル・デュトワ指揮モントリオール・シンフォニエッタ(モントリオール交響楽団のようです),ジューン・アンダーソンのソプラノ,チェリーチア・バルトリのメゾ・ソプラノによる,ペルゴレージのスターバト・マーテル。この曲,聞いたことがあるような,ないような曲だったので,一度聴いてみようと思い購入しました(価格が500円以下だったこともあります)。


曲の最初の部分しか聴いていないのですが...美しいですね。一緒に収録されている「サルヴェ・レジナ」とA.スカルラッティの同じく「サルヴェ・レジナ」。これらは曲名さえ聞くのが初めて。これからじっくりと聴いてみようと思います。

最後はコルネリア・ヘルマンのピアノによる,シューマンの幻想小曲集とブラームスの8つの小品,op.76を中心としたアルバム。ヘルマンさんについては,数年前のガル祭でシューマンのピアノ協奏曲の実演を聴いて以来ファンになったのですが...ジャケットの写真と目があったので購入といった感じです。

収録されている曲もよく見ずに買ったのですが,シューマンの小曲集もブラームスの小曲集もどちらも8曲。シューマンのアラベスクを中心にシンメトリカルな構成というのが良いですね。ピアノの音も何とも言えず魅惑的です。そして...ヘルマンさんの直筆サインが入っていました。時々こういうことがあるのも中古音盤の面白さです。


前の所有者からの引き継ぎではありますが,愛聴盤になりそうな予感がする1枚です。