2019年12月31日火曜日

元号が変わったのに加え,わが家的にも大きな出来事があった一年でしたが,無事,大みそかを迎えることができました。良いお年をお迎えください。

今年は元号が変わったのに加え,わが家的にも大きな出来事があった一年でしたが,無事,大みそかを迎えることができました。

今年は”日めくり”を完走できました。初めてかも。
夜にそばを食べることは分かっていたのですが...昼食はついつい,8番らーめんへ。家族連れを中心に大盛況でした。カウンターから,キビキビと働く人たちを眺めていると,なぜか元気が出てきますね。

夕食は,天ぷらソバ+なぜか鱒寿司+フライングで食べたおせち料理。


今年の大みそかは,大勢で過ごしていることもあり,色々な食べ物が出てきました。私が用意したのは,近所のドラッグストアで見つけたカルビーポテトチップス「へしこ風味」。少々,臭い感じではありますが,予想したほど変な味ではなく,癖になりそうな味わいがありました。

というわけで,良いお年をお迎えください。

2019年12月14日土曜日

21美で行われた「夕暮れおしゃべりツアー」に参加。開館15周年記念の「現在地:未来の地図を描くために」(2)の見所や鑑賞ポイントがよく分かる,楽しくてためにる企画でした

本日は夕方から金沢21世紀美術館に出かけ,友の会企画である「夕暮れおしゃべりツァー」に参加してきました。現在行われている開館15周年記念の展示「現在地:未来の地図を描くために(2)」の担当キュレーターの一人である山下さん,黒沢副館長と一緒に展示室を回り,解説を聞きながら作品を観るという企画でした。
そろそろ冬至ということで,「夕暮れ」というよりは「夕闇」ですね。
21美は12月下旬から,開館以来の大々的な改装工事のため,約1ヶ月間休館になります。今回は「しばらく見られなくなるので,最後にじっくり観ようかな」と思い参加してきたのですが,期待以上に面白い内容でした。現代美術の場合,解説を聞くと聞かないとでは,作品に対する印象がかなり変わるということを改めて実感できました。

館内ツァーの前のトークの時,副館長の黒沢さんは,「現代美術は,作品だけを切り離して鑑賞しても面白くない。気になった作品が出てきたら,作家名で関連情報を調べると面白く鑑賞できる」といったことを語っており,なるほどと思いました。このことは,多かれ少なかれ,美術以外の芸術にも言えると思います。作品についての「エピソード」や「情報」を楽しんでいるとも言えるので,あまり頭でっかちになるのも良くないのですが,現代社会でアートを楽しむためには重要なポイントだと私も思います。

その他,作品間のつながり,作家間のつながりを楽しむという要素もあるかもしれません。アーティストの名前とその特徴を覚えることがポイントなのかも,と思いました。ちなみに今回のトークで言及されたアーティストは次のような方々でした。

照屋勇賢,イ・ブル,田中敦子,アナ・メンディエータ,小谷元彦,泉太郎,清水晃,金氏撤平,草間彌生,マチュー・ブリアン,富本賢吉(21美所蔵でいちばん古いのがこの方の作品。1941年の作品です),曽根裕,エル・アナツイ...

館内ツァーでは,展示室1から展示室6までを巡ったのですが,「開館以来15年間,出したかったけれどもなかなか出せなかった作品」が21美としては,異例なほど沢山展示されていました。

今回のねらいは,作品の数だけでなく,「切り口の多彩さ」も見せたいということで,次のような切り口があると,解説を聞きながら感じました。
現代社会への風刺,身体を張って作った作品,ひたすらうるさい作品(会場にいけば分かります),素材にこだわった作品,表現技法にこだわった作品,伝統工芸に新しい視点を与えようとする作品...
解説を聞きながら鑑賞すると,アーティストは面白いことを考えているのだな(考えすぎ,こだわりすぎかも)と実感できます。

展示室の外の長期インスタレーションルームに飾られていた,クリス・バーデン作「メトロポリス」は,高層建築が密集する都市をイメージさせるような模型の間を沢山のミニカーが走り回るといった,作品です。通常は時間を決めて,ミニカーを走らせるのですが,今回は特別に動かしてくれました。大人でも(大人の方が?)じっと見入ってしまいますね。

交流ゾーンに展示されていた,安部泰輔「ざわざわ森」は,現在,21美に展示されているコレクションを古着やはぎれを使って表現し,壁面に貼り付けていくという21美へのオマージュ作品でした。今回のツァーに参加した後だと特に楽しむことができました。美術作品への「愛」のようなものを感じてしまいました。その点で,開館15周年記念にぴったりの展示だと思いました。
この作品全体としても,パトリック・ブラン「緑の橋」
のパロディ&オマージュのようになっています。
この「夕暮れ」企画については,企画展ごとに行っているようなので,都合がつけば,これからも参加してみたいと思います。

PS. 「現在地」展については,映像作品などを中心とした(1)も並行して行われていたのですが,こちらについてのトークは終了済。こちらも参加してみたかったですね。

2019年11月30日土曜日

本日の午後からは良い天気になったので「窓ガラス断熱シート」なるものを購入して,窓に貼付。微妙に雑な仕事になりました。果たして効果はあるでしょうか。

本日は午後から天気がよくなってきたので,「窓ガラス断熱シート水貼りタイプ」というのを買ってきて,自宅の窓に貼ってみました。我が家は,結構窓が多く,冬になると寒いのですが,これまでほとんど対策を取って来ませんでした。色々な事情があり,もう少し冬の居住環境をアップさせる必要が出てきたので,とりあえず1か所で貼ってみて試すことにしました。

実は...先日(昨日だったかも),NHKのローカルニュースを見ていた時,ホームセンターを取材した話題で,この断熱シートが出てきて,山内泉アナウンサーが「我が家でも使っています」というのに,妙に反応したからでもあります(影響されやすいのです)。

ホームセンターに行ってみると,いちばん目立つところに置いてありました。今が旬の商品なのでしょうか。いくつか種類があったのですが,とりあえず大きさの合うものでいちばん安いものを購入(90㎝×180㎝で498円)。見たところ,どうみても緩衝材の「プチプチ」に見えますが,そう見えないようなデザインのものはもう少し価格が上がるようです。

作業は次のとおりです。
  1. シートを窓に合うようにカット。
  2. 窓を拭いてきれいにし,スプレーで水をたっぷりと吹き付ける。
  3. シートを貼る。
これだけの作業でしたが...正確カットするというのが少々面倒でした。最初に切ったものを当てて,大まかに切っていったら,微妙に小さくなってしまいました。最初の1枚は結構きれいにできたので,すべてしっかり計ってカットすべきでした。これが反省点です。



というわけで,とりあえず効果があるのかしばらく様子を見てみたいと思います。良い感じならば,さらに貼る窓を増やしていってみようと思います。

2019年11月3日日曜日

石川四高記念文化交流館で行われた「ひとりよみ『天守物語』妖恋の景」へ。おなじみ東雅夫さんが「天守物語」の後半を朗読+北村紗希さんの美術。朗読後は「天守物語」についての充実の講座。勉強になりました

本日は午後から,石川四高記念文化交流館で行われた,「泉鏡花没後80年記念 ひとりよみ『天守物語』妖恋の景」というイベントに出かけてきました。

このイベントは,石川近代文学館で開催中の「恋するいしかわ」という企画展の関連イベントとして行われたもので,金沢の文学関係のイベントではすっかりおなじみの,文芸評論家でアンソロジスとの東雅夫さんが,泉鏡花作の戯曲「天守物語」の後半部分を朗読するというものでした。
この廊下のいちばん奥が会場。雰囲気のある内装です。
東さんは,数年前,能楽師の安田登一座のメンバーとして,「天守物語」の金沢公演に参加されていましたが,それに味をしめて(?),どんどんと活動の場を広げているようです。朗読後のトークの中で,安田登一座の島根公演の稽古の際,多忙だった玉川奈々福さんの代理で色々な役割を読んでいるうちに,「朗読の面白さ」に目覚められたようです,

元々,東さんの声は大変良く通り,凜とした声や落ち着いた声などを見事に使い分けられますので,作品に関する豊富な知識と合わせると,この作品の朗読者として最適といえるのかもしれません。
窓の外にはいしかわ四高記念公園
今回は上述のとおり,姫路城の最上階に住む富姫と鞠つきをするために,東北地方の「お化け」たちを連れて,猪苗代から亀姫がやってくる,という前半は省略し,富姫と図書之助の恋愛物語となる後半が朗読されました。

今回のもう一つの目玉は,こちらも金沢ではお馴染みの型染作家,北村紗希さんが舞台美術を担当されていた点で,この作品の鍵となる,獅子頭が描かれた布に,要所要所でセリフや絵が投影されながら進むという形になっていました(ちなみに,今回,北村さん自身が投影の操作も担当されていました)。
布の右側に文字や絵が投影されていました。
さすがに朗読だけだと,鏡花のセリフは難解なので,北村さんの美術は,雰囲気を盛り上げるために大きな効果を上げていました。文字も全部切り抜いて作った(と確かおっしゃられていました)というのが驚きでしたが,このことにより,日本各地に伝わる民話の一種的な味も出ていた気がしました。

東さんは,21世紀美術館での公演では,最後の最後にいきなり登場して,「化け物」たちの世界を救うような,名工・近江之丞桃六の役ででしたが,今回も,そのお得意の部分を中心に,大変雄弁な語りを聞かせてくれました。「天守物語」は,恋愛ドラマであると同時に,「化け物の世界」と「現実の世界」との争いを描いているのですが,私にはこの「化け物の世界」が「何でもありのアートの世界=作りものの世界」の象徴のように感じられます。そのアートの世界を桃六が爽快に救ってくれる最後の部分が,大好きです。北村さんの美術が加わっても,語り中心だとやや分かりにくい部分はあったのですが,1時間弱の時間で「天守物語」の世界にしっかりと浸らせてくれました。
A5版サイズで手作りのパンフレットです

朗読の後,東さんは疲れを見せず,本職である文芸評論家に戻り(?),「天守物語」についての解説をされました。この日は無料だったのですが,「泉鏡花『天守物語』ミニ読本」という素晴らしいお土産もいただきました。ここに書かれている「「天守物語」関連年表」が,資料として素晴らしい内容で,どういう経緯で,「天守物語」が鏡花の代表作として,受容されていったのかが,大変よく分かりました。次のような説明がありました。

■桃六の役割について
  • 「天守物語」は,最後,突然,桃六が「デウス・エクス・マキーナ(注:一言で説明するのは難しいのですが,日本大百科全書オンライン版では「有機的な展開とは無関係な偶然的要因によって物語に決着をつける便宜的な技法」といったことが書かれています)として登場して終わる。桃六は,獅子頭の作者であるが,この獅子頭は100年以上前に作られたもの。つまり,この世の人でないことになる。妖怪たちのいる魔界を支配している大妖怪が桃六という位置づけ。
  • 鏡花は人間よりも妖怪の方が倫理観を持っているといった「妖怪至上主義」。そのことがこの作品にも表れている。
■「天守物語」の受容史
整理すると次のような感じになります。
  • 大正6年(1917) 「天守物語」を雑誌に発表するが,上演されず(当時,鏡花は新派の演劇の作家として知られていたが,内容にリアルさがない怪しい作品である「天守物語」は,新派のスタイルで上演することは不可能だったので)
  • 昭和26年(1951) 新派で初演され,評判も良かったが,その後しばらく上演されず。
  • 昭和30年(1955) 歌舞伎として中村歌右衛門が「天守物語」を上演。歌舞伎との接点が出来る。
  • 昭和44年(1969) 三島由紀夫と澁澤龍彦が対談の中で鏡花を評価したことが契機となり,怪奇幻想文学の側からの『天守物語』が再評価される。
  • 昭和53年(1978) 板東玉三郎が片岡孝夫と『天守物語』を演じ,大評判となる。その後,玉三郎はシネマ歌舞伎の中でもこの作品に出演している。富姫は,「天上の女性」的雰囲気と「お侠な芸者」的な雰囲気の2面を持ったキャラクター。「桜姫廓文章」などに通じるキャラクターで,玉三郎の当たり役になる。
  • その後,玉三郎は鏡花の「海人別荘」「夜叉ケ池」などにも出演。
  • 波津彬子さんが原文の味を活かした形で少女マンガ化。ちなみにこの日,波津さんも会場にいらっしゃっていました。
  • 鏡花の人気は今でも高く,読み継がれてる。
■「天守物語」のストーリーのオリジナルは?
  • 鏡花は江戸時代の説話などを参考にして,この作品に,「朱の盤坊」などの「ご当地妖怪」を入れている。これは,明治時代に柳田國男が復刻した活字本をもとにしたもの。柳田と鏡花は,「お化け好き」という点で接点があった。
  • 1910年柳田が『遠野物語』が発表した時,ほとんどの人が無視した中で,鏡花だけは大絶賛。
  • 柳田は,その後「獅子舞考」という論文を発表。これが「天守物語」のヒントになっている可能性あり。
というわけで,物語を朗読で味わったのに加え,「天守物語」についての色々な角度からの知識も得ることができました。今後も東さんの朗読+解説で,鏡花の名作を取り上げていく...というシリーズに期待したいと思います。

PS. 今回のお話を聞いて,東さんが編集した『文豪妖怪名作選』(創元推理文庫)も読んでみたくなりました。うつのみや香林坊店に沢山あるはず(サイン入り本もあるかも)...ということで買いに行ってみるかな?

PS.今回の朗読の小道具として使われていたのが「夜歩きする燭台」。東さんが名鉄エムザで購入したものとのこと。波津さんの情報によると,小松市出身の金工作家,河上真琴さんの作品とのこと。本日はLEDの蝋燭を使っていましたが,我が家にも一つ欲しくなりました。鏡花を中心にあれこれ広がっていくのがうれしいですね。
文学館の隣のアメリカ楓も美しく色づき始めていました。
PS. ちなみに我が家にも獅子頭ありました(目は青くないですが)。かなり前からずっとあるものです。調べてみると,「中島めんや」のものでした。一家に一個...とまでは行かないと思いますが,金沢市内の「獅子頭保有率」はかなり高いのではないかと思います。

2019年11月2日土曜日

本日の金沢は快晴。絶好の行楽日和。百万石まちなかめぐり もみじ2019の 「雲と雨と石垣と。」を中心に金沢市内を一回り。夜は21美へ

本日の金沢は快晴。絶好の行楽日和でした。11月最初の連休,ここ数年,春の花見に対応するように「百万石まちなかめぐり もみじ2019」と名付けて,しいのき緑地を中心に色ろなイベントを行っています。とても楽しい雰囲気でしたので,写真を中心に紹介しましょう。

本日の主役は青空でした。空を見上げながら歩いていると飛行機雲がとても沢山残っていました。空気が安定している証拠でしょうか?ついつい飛行機雲評論家になってしまいます。

どこか意思を感じさせるような飛行機雲。

太陽に近づいて曲がったのかもしれません。

しいのき緑地に到着。

イベントの看板。2日連続で行われます。明日も晴れて欲しいですね。

ご覧の通りの大変気持ち良い雰囲気の中,よい感じに賑わっていました。

もみじクラフトフェア「雲と,雨と,石垣と。」の総合案内の看板です。雨を降ることを想定したような,やや自虐的な(?)タイトルでしたが,良い意味で裏切られましたね。

この写真のとおり,「青空と,青空と,石垣。」でした。


各テントには次のような感じの看板が出ていました。まずは古本をチェック。

別の方角から撮影。海外の観光客の姿も沢山見かけました。

この古代エジプトのテントも興味があったのですが,長い列だったので眺めるだけにしました。

埴輪と縄文土器の絵の描かれたテント。気になるカレーを販売していましたが,昼食後に出かけたので,こちらも食べませんでした。店員さんは皆さん,銅鐸型の帽子をかぶっており,ものすごいインパクトがありました。

というわけで,このテントの奥で売っていたコーヒーを買って,芝生の上で一服。コーヒーの紙コップも銅鐸仕様。芝生の上の簡易テーブルも良いですね。

この紙コップは記念に家まで持って帰りました。いわゆるインスタ映えというやつでしょうか。逆さにした方が銅鐸っぽいですね。

家族へのお土産に買った洋菓子です。

コーヒーと一緒に食べてみました。外側か心地よい堅さ,中はとても柔らかく甘いお菓子でした(名前は忘れました...)。

さて,しいのき緑地のお隣の「アメリカ楓通り」は歩行者天国になっていました。紅葉を撮影している人が大勢いました。こういう光景を見ていると,休日気分が盛り上がりますね。
 似たような写真を次々と撮影してしまいます。
 紅葉と青空の取り合わせも最高でした。


いしかわ四高記念公園では,「いしかわの食のてんこもりフェスタ」というのをやっていました。

石川県内の各市町村のご当地グルメの屋台が沢山出ていました。こちらは11月2日だけのイベントでした。

その後は街中をふらふらと自転車でめぐりました。先日から気になっている,柿木畠の広見から見える協会。屋上の白い十字架と青空の取り合わせも良かったですね。ちなみに「つり荷の下に入るな」とのことです。

その後,尾山神社方面へ。鼠多門橋が半分ほど完成していました。

鮮明な写真ではありませんが,完成予想図です。工事途中の写真は後から見ると面白いかもしれませんね。

大手堀です。観光客はほとんどいなかったのですが,こちらの落ち着いた雰囲気も良い感じでした。

その後,一旦家に戻って夕食を食べた後,何となくふらふらと金沢21世紀美術館へ。土曜日の21美は夕方以降,空いてくるので車で行きました。金沢市の場合,休日の夜の道路は結構空いています。気楽に出かけられるのが良いですね。

開館15周年記念のコレクション展を全行っています。写真撮影OKでした。ヤン・ファーブルの「昇りゆく天地たちの壁」(玉虫!で作ったドレス),小谷元彦「ドレイプ」(ヤナギで作ったドレス(着れる人はいる?)」など,おなじみの作品が色々出ていました。
 入口は2か所に分かれていました。市役所側の展示スペースには,映像作品中心でした。本日は展示室11で上映したいたムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ「世界の終わり」を観てみました。大きなスクリーンが左右に分かれており,関係があるようなないような,2つの映像(一つはSF映画的)が並行して投影されており,「村上春樹の小説「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」と似ている?」と思ったりしました。
大岩オスカールによる,市民ギャラリー横の壁画はずっと残っているようです。このまま常設展示化しても良いかもしれませんね。

今回の展覧会の入口のサインです。映像作品が多いので,全部じっくり観ようと思うと時間がかかりそうです。

最後は,夜のしいのき緑地です。この風景もなかなか面白いですね。