2018年9月24日月曜日

昨日9/23はOEKの公演を聞くために大阪日帰り旅行。その前に中之島のレトロ建築めぐり+プーシキン美術館展へ。フランスを中心とした風景画の名作が勢揃い

9月23日は,9月の2回目の3連休の中日,ということでオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の大阪公演に出かけてきたのですが,せっかくの機会なので,午前中は大阪駅に比較的近い中之島付近を散策した後,国立国際美術館で行っていたプーシキン美術館展を見てきました。その後,JR福島駅近くのザ・シンフォニー・ホールまで歩いたので,結構,歩いたことになります。

個人的には,街歩きが好きなので(変なモノがないか路上観察してしまいます),全く飽きないのですが,少々頑張り過ぎたかもしれません。幸い,本務(?)のコンサート鑑賞に支障はありませんでしたが...昼食を食べる時間がほとんどなくなってしまいました。

まず,JR金沢駅。この日は全国的に絶好の行楽日和だったようです。

サンダーバードで行きました。2号車に乗ったので先端部分を撮影。

大阪駅。来るのは昨年の7月以来ですが,少々苦手な建物です。どこが出口かいつも迷います。

とりあえず,御堂筋を通って,中之島方面へ。


まずはマンホールのふたのデザインチェック。区によって違うような感じですね。

街路樹がかなり倒れていました。先日の大型台風の傷跡でしょうか。

しばらくすると堂島川に。

この辺りは,どっしりとした石で出来たレトロ建築の宝庫で,一度,散策してみたいと思っていました。まず,大阪市役所。これはレトロ建築ではないですね。

国際博覧会の誘致を狙っているようです。

中之島図書館。柱が立派ですね。今回は中に入りませんでしたが,中身にも結構関心があります。


ここにも倒木がありました。

中之島公会堂。今も使われているようですね。

こちらが正面でした。

東洋陶器美術館。レトロ建築ではありませんが,美術館として,今度一度行ってみたいものです。

ロボット関連の実験をしていました。関西らしいデザインです。

その後方向転換,御堂筋方面へ戻りました。日本銀行です。

これは御堂筋です。

大阪フェスティバルホールの入っている朝日新聞社のビル 3人組が窓掃除をしていました。かなり凄い状態だったので,思わず撮影。ちなみにこの日は,サイモン・ラトル指揮ロンドン交響楽団の演奏会を行っていたようです。

さらに西に向かうと科学館の案内。その隣が目的地の国立国際美術館でした。そういえば,8月に行った名古屋市も科学館と美術館が並んでいました。そういうトレンドなのでしょうか。




国際国立美術館ですが,意外なことに大半が地下という美術館でした。絵の保管状況としては,光が入らない空間の方が良いのかもしれないですね。



この日はインターネットで事前予約・支払済。この方法は結構便利でした。

展覧会の方は,モスクワにあるプーシキン美術館で所蔵する フランスの風景画が中心。フランスとロシアについては,バレエの世界同様,絵画の世界でもつながりが多いようです。

展覧会の公式サイト
http://pushkin2018.jp/

展覧会では次のような「章立て」で風景画ばかりが展示されていました。ほぼ年代順でした。

  1. 近代風景画の源流
  2. 自然への賛美
  3. 大都市パリの風景画
  4. パリ近郊:身近な自然へのまなざし
  5. 南へ:新たな光と風景
  6. 海を渡って/想像の世界

展示の雰囲気的にも,8月に名古屋市美術館で見た,「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」と登場する画家についても,似た印象でした。風景に特化している点が大きな違いですね。

以下,印象に残った作品を紹介します。展覧会の鑑賞法については,最近刊行された,青い日記帳『いちばんやさしい美術鑑賞』 (ちくま新書)の中で,「自分が評価するつもりで観る」という方法が書かれていましたが,私もこれがいちばんだと思います。

ブーシェ「農場」
http://livedoor.blogimg.jp/a_delp/imgs/1/9/1992ed17.jpg
透明な空気感がよいですね。

コワニエ/ブラスカサ「牛のいる風景」
https://twitter.com/pushkin2018/status/1028518653866594304
実物だとクリアな生々しさが印象的でした。

コロー「嵐」
https://cdn.4travel.jp/img/tcs/t/pict/src/54/18/56/src_54185630.jpg?1527801698
嵐が来そうなくすんだ雰囲気が良いですね。

クールベ「水車小屋」
https://imgc.allpostersimages.com/img/print/posters/gustave-courbet-water-mill-19th-century_a-G-13298070-8880731.jpg
荒々しいタッチのリアルな迫力

レルミット「刈り入れをする人」
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13547423.html
生活感が出ていますね。

ルノワール「庭にて、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木陰」
https://haveagood.holiday/events/947/images/6676
似たタイトルのもっと有名な絵もあります。いつもの色合いですね。

ロワール「パリ環状鉄道の煙(パリ郊外)」
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13549050.html
非常に大きな絵で,煙の質感がリアルでした。この絵の前で記念撮影などしてみたかったですね。

カリエ=ベリーズ「パリのピガール広場」
https://www.facebook.com/427301624356645/photos/a.435634903523317/472929126460561/?type=3&theater
絵本のような感じが◎

ベロー「芸術橋(ポン・デ・ザール)近くのセーヌ河岸、パリ」
https://scontent-nrt1-1.xx.fbcdn.net/v/t1.0-9/35760889_471794769907330_4964143206674464768_n.jpg?_nc_cat=107&oh=2784dffc4371c60b7830d1fefddf1285&oe=5C2B00C8
スナップ写真のような作品

コルテス「夜のパリ」
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=533734450375095&set=a.102767496805128&type=3&theater
赤色が何とも魅惑的でした。

マルケ「パリのサン=ミシェル橋」
https://haveagood.holiday/events/947/images/6678
塗り絵のような感じが良いですね。

モネ「草上の昼食」
https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/9668
今回の展覧会のいちばんの目玉作品。4分程度の解説映像もありました。マネの影響(マネに同名の名作がありますね。マネのマネ?)を受けて描いた,印象派のレッテルが貼られる前のモネの傑作。フォンテーヌブローの森の自然光の雰囲気が素晴らしいですね。

モネ「ジヴェルニーの積みわら」
http://blog.livedoor.jp/a_delp/2018-07-15_ClaudeMonet
モネは「睡蓮」だけでなく,「積みわら」も何枚か描いているようです。

シスレー「霜の降りる朝,ルーヴシエンヌ」
https://twitter.com/pushkin2018/status/959240608941395969
シスレーはインパクトは強くありませんが,どの絵も良いですね。

セザンヌ「ポントワーズの道」
https://images.dnpartcom.jp/ia/workDetail?id=PIA000013
ヴラマンク「小川」
https://cdn.4travel.jp/img/tcs/t/pict/src/54/18/75/src_54187523.jpg?1527801789
ヴラマンクがセザンヌの影響を受けて描いた作品ということで,2作品が並んでいました。

ギヨマン「廃墟のある風景」
https://twitter.com/pushkin2018/status/1008986175200083969
からっとした華やかさが良いですね。

ピュイ「サン= モーリスにある古代ローマの橋」
https://cdn.4travel.jp/img/tcs/t/pict/src/54/18/75/src_54187539.jpg?1527801789
こちもラテン系の明るい空気感が感じられます。

セザンヌ「サント=ヴィクトワール山の平野、ヴァルクロからの眺め」
https://twitter.com/pushkin2018/status/954239560128479232
セザンヌはこの山を何回も描いていますが,そのシリーズの中でも明るくて気持ちの良い作品。山の姿も美しいですね

セザンヌ「サント=ヴィクトワール山、レ・ローヴからの眺め」
https://haveagood.holiday/events/947/images/6680
同じ山ですが,全然雰囲気が違います。セザンヌの心境の変化でしょうか。

ドラン「海に並ぶヨット」
https://cdn.4travel.jp/img/tcs/t/pict/src/54/18/75/src_54187575.jpg?1527801789
明るくポップな感じが地中海的ですね

ゴーガン「マタモエ,孔雀のいる風景」
https://www.sankei.com/life/photos/180506/lif1805060024-p3.html
ゴーガンらしい色が良いですね。

ドニ「ポリュフェモス」
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13476709.html
ヘタ/ウマ,レトロ/モダンが合わさった感じが魅力的

ルソー「馬を襲うジャガー」
https://haveagood.holiday/events/947/images/6682
今回の展覧会のもう一つの目玉作品。絵本の挿絵のようです。作者は意図していなかったかもしれませんが,自然なユーモアが漂っていますね

展覧会場お最後の部屋だけ写真撮影可能というのも,名古屋と共通でした。

ミュージアムショップの方は,今回は時間があまりなかったので,家族への土産用のものだけ購入

美術館を出た後,今度はひたすら北へ。地図によると「なにわ筋」を北に向かえば,JR福島駅に至り,さらに進めば,ザ/シンフォニーホールに着くはず。それを信じてしばらく歩いてみました。



こういう初めての道を歩くというのは,少々不安に(時間通り到着できるのだろうか?)なりますね。そのうちにJR福島駅が見えてきました。

踏切もありました。

そのうちにザ・シンフォニーホールが見えてきました。この建物の前の街路樹も大々的に倒れていました。今回の台風の被害は相当大きかったようですね,


コンサートについては,以下のブログをご覧ください。

9/20の定期に行けなかったので,本日は大阪 #ザ・シンフォニー・ホール まで遠征し #川瀬賢太郎 指揮OEKを聞いてきました。筋肉質で引き締まってクリア,全身全霊を込めたベートーヴェン「運命」。さすがとしか言えない #小山実稚恵 さんのモーツァルト。大満足です。 

終演後は,JR福島駅からJRに乗り,大阪駅からサンダーバードで金沢に戻りました。非常にスムーズに列車に乗れたので,夜の7:30前に金沢に戻ることができました。

というわけで,せっかくなので,展覧会鑑賞とオーケストラ演奏会をセットにしてみました。大阪方面から同様のパターンで金沢に来るというのもありですね。是非,お試しください。