2014年12月31日水曜日

越後湯沢経由(これが最後?)で東京・鎌倉に出かけてきました。路上観察をしながら代官山蔦屋書店と鎌倉の主要名所を一回り。

東京方面に暮らしている子供に会うために,12月27~28日に1泊2日で出かけてきました。用事は27日の夜だけだったので,残りの時間を使って,これまで行ったことのなかった場所に行ってきました。

金沢駅を27日の午前8:00過ぎに出発し,越後湯沢で上越新幹線に乗り換えました。

あれこれ改装の進んでいる金沢駅ですが,改札を入ったところに,いきなりセブン・イレブンのキオスクが出来ていました。列車の中で飲むコーヒーを買うのに便利そうです。
考えてみると,越後湯沢から上越新幹線に乗る機会も少なくなるだろう(皆無かも?)ということで,ついつい,鉄道・駅関係の写真を撮影してしまいました。
金沢駅に入ってくる「はくたか」

この列車に乗るのもこれが最後かもしれない...と思ったら越後湯沢駅には,こんなメッセージも出ていました。





雪の越後湯沢駅です。
 



さて今度は上越新幹線です。

いつものように車内では加賀棒茶。通販のカタログもついつい読んでしまいます。

東京駅に到着。すぐ隣のホームに新青森行きの東北新幹線「はやぶさ」が留まっていました。連結しているのを見ると,ついつい撮影したくなります(それほど珍しいものではないと思いますが,結構,撮影している人がいました。





東京駅の構内です。杏さんが金沢21世紀美術館のプールの中にいるポスターが出ていました。


夜まで時間があるので一度行ってみたかった代官山の蔦屋書店に行くことにしました。というわけで,渋谷駅へ。駅の構内には,箱根駅伝のポスターが多数貼ってありました。大変面白いデザインだったので,撮影してきました。







有馬記念のポスターも目立っていました。
今年亡くなられた,赤瀬川原平さんの影響で,街の中を歩く時は常に変なものがないか観察してしまうのですが,東京の場合,ポスターを見ているだけでも楽します。

渋谷駅は大規模に改装中で,東急東横線に行くのに結構手間取りました。東横線の駅の構内は,近未来的(?)な雰囲気でした。

路線の案内の色合いも大変鮮やか。

さて代官山駅です。

渋谷の雰囲気とは違い,高層ビルがなく,ちょっとローカルな感じがしました。渋谷や新宿などは人が多すぎるので,ホッとします。少し歩くと,蔦屋書店に着きました。
本,CDの販売+スターバックス等という構成でしたが,大変居心地の良い,センスの良い空間になっており,「長居したくなる」場所でした。

建物は3つに分かれており,それぞれが専門書店のような感じになっていました。

建物全体として木で出来た部分が多く,照明も落ち着いた感じなので,高級感があります。店内の至る所に椅子があるので,本を買わなくても,ゆったりと過ごすことができます。

通常の書店と違い,本の配列が独特な感じなので「お目当ての本」を目で探すのは大変そうでしたが,書架を眺めながら,偶然新たな本に出合うという楽しさがありそうです。雰囲気が良いので,衝動買いする確率は高そうです。

というわけで,私も買いたくなったのですが,あまり荷物を増やしたくなかったので,雑誌を1冊とCDを1枚買いました。CDの方は,店内の音楽の雰囲気に影響されて,蔦屋オリジナルの”Nachat Musik"というトミー・フラナガンのピアノ+αによるジャズのコンピレーションアルバムを購入。夜にコーヒーを飲みながら,本を読むというシチュエーション用のアルバム。実に良い感じです。

さて,その後ホテルへ。今回は分け合って調布市に宿泊。新宿から京王線に乗ったのですが,家族から預かってきたSUICAが大変重宝しました。

調布駅のホームの到着の時に流れる音楽ですが,いきものがかりの「ありがとう」でした。「何でだろう?」と思い調べてみると,NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」の舞台が調布市だということが分かりました。やっぱり何でも理由はあるものですね。

さて翌日ですが,一度,じっくりと見物してみたかった鎌倉に行くことにしました。大学生の頃,行ったはずなのですが...どうも記憶がはっきりしないのです。

翌朝8時代から行動を開始し,新宿から湘南新宿ラインに乗って鎌倉に向かいました。金沢発の首都圏往復フリー切符のフリー区間はかなり広く,ギリギリ鎌倉まで行けてしまいます。今回,鎌倉に行こうと考えたのは,この特典を一度使ってみたかったという思いもありました。

さて鎌倉駅に到着しました。

こちらのホームに流れていた音楽は...聞いたことがあるような,ないような曲で非常に気になりました。どうみても「昔からある曲」という雰囲気で,大変物悲しい感じの曲でした。到着した時に流れる曲が短調というのは,かなり珍しいのではないかと思います。というわけで調べてみると,童謡「鎌倉」という曲でした。

改札の方に向かうと,「東口」「西口」の案内が。

金沢駅でも話題になっていますが,確かに観光客からすると,どちらに行けばよいか迷いますね。鎌倉の場合,「鶴岡八幡宮」と「江ノ電のりかえ口」がポイントですね。迷わずに西口へ。

鎌倉駅の外観です。JRの鎌倉駅のとなりに江ノ電の鎌倉駅があります。どちらもこじんまりとした感じでした。上がJR,下が江ノ電です。

「ビブリア古書堂」シリーズの舞台も鎌倉のようですね。このシリーズは読んだことはないのですが,鎌倉の印象が残っているうちに,読んでみたいと思います。

おなじみ鳩サブレーの広告。ただし..ハトにえさを与えないでください,とのことです。



車止めには,なぜかカエルがいました(ついつい,路上観察になっていしまいます。)。

キャラクターが沢山描かれた列車がやってきました。座席にも沢山描かれていたので,親子連れは喜んでいました。


長谷寺に行くために,江ノ電長谷駅へ。改札に行くまでに踏切がありました。


その後,「まずは太平洋を見たい」と思い,海の方へ。

民家の間を抜けると...
すぐに太平洋が広がっていました。夏目漱石の「こころ」の最初に「先生」と出会うのがこの由比ヶ浜ですね。2人の中学生(多分)が海に向かって,石を投げているのが,「いい感じ」でした。それにしても,冬の日本海側では考えられないような好天でした。

その後,長谷寺へ。驚いたことに,SUICAで入場料を支払うことができました。傾斜地にあるので,山の上に上っていくような感じでかなり起伏がありました。ここからも海がよく見えました。




このお寺は十一面観音で有名です。
寺の前にあった,椨(たぶ)の木。人の横顔のように見えました。

さて,続いては大仏へ。長谷寺のすぐ近くでした。

こちらも大勢の人が来ていましたが,どの人も大仏の回りだとにこやかな笑顔になっていました。これが大仏の功徳かもしれません。
私もうれしくなっていろいろな角度から撮影。



後ろからだと心なしか哀愁があります。

「大仏用の草履」までありました。

大仏の門前町には飲食店や土産物店が多かったのですが,「オバマ大統領が来て,抹茶アイスクリームを食べました」という写真。そういえば,そういうニュースもありましたね。

その次は鎌倉文学館へ。ここも徒歩でいける範囲でした。
この建物はもともとは前田家の別邸ということで,金沢とも縁もあります。建物だけではなく,玄関までのアプローチも雰囲気たっぷりでした。

英国貴族の館とまでは行きませんが,守衛がいるような受付でチケットを買った後,曰くありげなトンネルをくぐって文学館へ。


赤いカーペットの玄関の扉を開けると...

きちんとした服装の年輩の男性が待っていました。ちょっと緊張してしまいましたが,貴族の館の執事という感じでしょうか。

建物の中へは靴を脱いで入らいといけないなど,かなり「敷居の高い」施設でした。展示の雰囲気も非常にオーソドックスで,かなりオールドファッションな印象でした。その「昭和から変わっていない」雰囲気は,今となってはかえって貴重なのかもしれません。

建物の外観はこのような感じで,とても美しい洋館でした。
眺めも良かったのですが...せっかくならば最上階も公開すればよいのにと思いました。


その後は,由比ヶ浜駅から鎌倉駅に戻りました。

由比ヶ浜駅付近にあったファミリーマートです。緑の部分が深緑になっているのは鎌倉ならではでしょうか。

鎌倉駅に戻った後,小町通りという商店街へ。大賑わいでした。

和紙製品の店。家族用の土産などを購入。

古書店。
 気のせいか岩波文庫とか講談社文芸文庫などの品揃えが多かったのは,鎌倉ならではでしょうか。徳田秋聲の「仮装人物」(この前の秋聲のシンポジウムで頻繁に言及されていた本)の文庫本があったので購入。

昼食は,しらす丼の店で。至るところで,しらす丼を売っていたのですが,いちばん安い店で食べることにしました。どうも「小中学校の修学旅行生」をターゲットにした店だったようで,沢山の生徒の記念写真が飾られていました。

「石ちゃん」をはじめとした芸能人レポーターの写真もありました。

その後,若宮大路を通って鶴岡八幡宮へ。

鳥居をくぐって右側にあったのが,源氏池。
左側は平家池。
さらに先に進むと,本殿に向かう階段が見えてきました。初詣に向けて,屋台の準備も始まっていました。

結構急な階段です。
ここで,家族用にお守りを購入。

市内を一望できそうでした。
鶴岡八幡宮は,鎌倉という都市の核になっており,その境内は市民のための公園として親しまれている。そんな感じがしました。

さて,そろそろ帰りの列車の時刻を気にする時間帯になって来ました。。せっかくなので,北鎌倉の方にある建長寺と円覚寺に頑張って出かけることにしました。JR鎌倉駅に戻ると効率が悪い気がしたので,そのまま徒歩で建長寺に向かいました。

境内に居た警備員さんに尋ねたら,建長寺まで徒歩で10分ほどということだったのですが,かなり交通量の多い道路だったので,これまでの「古都」の印象が吹き飛びそうでした。

さて建長寺に到着しました。

鎌倉時代,鎌倉の禅寺の中から5つを鎌倉五山として選び,禅宗の進行を図ったのですが,そのランキングの1位が建長寺です。中高校生の頃,日本史で習ったことのある名前ですが,大変立派なお寺でした。鐘楼は国宝に指定されているそうです。
実際に座禅も可能のようでした。
もう少しゆっくりと庭園を眺めていたかったのですが,円覚寺にも行く予定なので,この辺で切り上げました。
円覚寺までも徒歩で行きました。さすがに午後からずっと歩きどおしなので,この辺になると疲れてきました。

円覚寺ですが,こちらはJR北鎌倉駅のすぐ隣にありました。これだけ駅に近い名勝というのも珍しいかもしれません。
この写真のすぐ右に円覚寺の参道がありますというわけで,列車の発車時刻の結構ギリギリまで円覚寺に居ました。

こちらも鐘楼が国宝になっていましたが,建長寺のピリッとした感じと比べると,ランキング2位ということで,もう少し親しみやすい雰囲気があると思いました。


非常にローカルな感じのJR北鎌倉駅。ここからJR東京駅へ。

というわけで,午前9:00過ぎから15:00頃まで,やや駆け足ながら,鎌倉市内の主要名所を一通りめぐってきました。海と山が近く,かなりの部分歩いて回れる点で,金沢と似た部分もあると感じました。とても親近感の湧く街でした。

鎌倉は,明治以降,多くの文学者が活動の拠点としてきた場所ですが,個人的には数年前に亡くなられた音楽評論家の吉田秀和さんが,鎌倉市のどういう場所に住んでいたのか関心があります。吉田さんの書いた文章と音楽とを楽しめるような場所が鎌倉にできれば,きっと大勢の音楽ファンも関心を持つのではないか,と思います(水戸市の方が相応しい?)。

28日は,その後,上越新幹線と「はくたか」で金沢に戻ったのですが,「帰省ラッシュ」の日と重なってしまい,「はくたか」の方は指定席を取れませんでした。自由席の方も超満員で,越後湯沢から直江津までは立ったままとなってしまいました。

越後湯沢に着く前に弁当を食べました。「深川めし」というのを買ってみたのですが,おいしかったです。




直江津を過ぎたあたりで,ようやく座ることができたので,車内販売でコーヒーを購入し,蔦屋書店で買った雑誌を読みながら金沢へ。


鎌倉でさんざん歩いた後だったので,かなり疲れましたが,久しぶりにゆっくりと観光らしい観光(やや路上観察が多かったですが...)をできた1日でした。