2014年6月28日土曜日

文具展で万年筆組み立て体験をしてきました。その後,21美の中村好文「小屋においでよ!」へ

数日前,食事中に前歯が欠けてしまいました。特に堅いものを噛んだわけではなかったのですが,どこもかしこも老朽化が進んでいるようで,ちょっとした拍子で欠けたようです。根元からグラグラという状況になりました。というわけで,歯医者に通っています。

朝一に治療を済ませた後,しいのき迎賓館で,うつのみや書店の主催で行っている「おもしろ文具の世界」という展示を見てきました。

次のような「万年筆の歴史」「鉛筆の歴史」のような展示はありましたが,どちらかというと「文具売り場そのまま」 という感じで,正直なところ,やや期待外れの面はありました(無料のイベントなので)。

その中で体験コーナーというのがあり,万年筆組み立てというワークショップを行っていたので参加してきました。定員20名でしたが,ちょうど全員埋まっていたようです。

今回は,筆記具メーカーのパイロットの担当の方が,初心者向けに万年筆組み立てを説明しながら,一緒に組み立てるというもので,出来た万年筆はもらえました(というか参加費1000円に含まれていました)。

組み立てた万年筆は,パイロットの新入社員の研修用の万年筆で,透明のプラスティック製胴体の非売品でした。ある意味,貴重かもしれません。作業自体は難しくはなかったのですが,初めての経験だったので写真で紹介しましょう。

これが組み立て前の状態です。

まずサヤ(キャップ)を組み立て。その後,ペンの先端の金属の部分をペンシンと呼ばれる部分に乗せ,クビという部分に入れました。作業としてはこれだけです。

ただし,その後,「ペン調整」という作業があり,ペン先を80度ぐらいのお湯に漬けていました。次のような「熱燗つけ器(?)」のようなものを使っていました。

その後,インクカートリッジを差し込むとじわじわとインクがペン先までしみこんでいきます。


1万円以上する本物の(?)万年筆の書き味との比較もしました。やはり書いていて気持ちよかったですね(こちらが主目的かも)。


ただし,今回作った(というか組み立てた)万年筆もケースに入れると,かなり立派には見えました。




せっかく作った万年筆なので,自宅に戻った後,今回の組み立て手順をこの万年筆で書いてみました。パソコンで書くよりも手書きの方がやはり楽しいですね。



 さて,この後,21世紀美術館に行き,中村好文「小屋においでよ!」の展示を見てきました。中村さんは「小屋好き」というのがよく分かりました。

ソローの「森の生活」に出てくる小屋とかル・コルビュジェや高村光太郎の小屋とか,それぞれ手書きの図面と模型・映像などを一緒にして展示していました。というわけで,万年筆の話題と「手書き」でつながりました。

見ているうちに「私も秘密基地(基本はこれか?)のような小屋に住んでみたい」と思ったのですが...現実的にはモノに溢れた生活をしているので難しいですね。別荘に一つ欲しい気はしますが....。

いずれにしても,「どうしたら小屋に住めるか?」と考えているうちに,モノを減らすことが第一だと感じた次第です。










2014年6月22日日曜日

すっかり気に入りました松山市。緩やかな丘陵状の城址。その周りを行き交う路面電車。レトロさと同時にゆるい華やかさのある道後温泉。2番目に住みたい都市かも。

今週は仕事関係で愛媛県松山市に出かけていました。仕事が終わった後は松山市内をあちこと巡ってみたのですが,すっかり気に入りました。

都市の魅力の第一のポイントは地形に起伏があることだと私は思っています。松山の場合,中央部に緩やかな丘陵上の松山城址があります。その緑を背景に路面電車が非常に頻繁に行きかっています。スピード的にはバスと同程度なのですが,その「変わらない」雰囲気が都市の安心感につながっています。

街中には,親しみやすさと賑わいを持った商店街が生きており,何より人の雰囲気に柔らかさを感じました。その上に子規,漱石,司馬遼太郎の文学作品のイメージ,道後温泉といった伝統のある観光スポットが重なり合います。

JR松山駅の雰囲気は非常にローカルで,金沢駅同様,自動改札なしですが,そういった部分も含め,旅情をかき立てるとても良い街だと思いました。

写真を沢山撮って来たので,それと併せて紹介しましょう。今回の旅行で,私は「かなりの撮り鉄」だということを認識しました。

今回は金沢→京都→岡山→松山 とすべてJRで移動しました。岡山まで新幹線で行った後,特急「しおかぜ」に乗り換え。


車窓からは瀬戸内海が見えるはずでしたが,この日は天候が悪く霞んでいました。実は四国に行くのは,生まれて初めてです。


特急「しおかぜ」ですが,特急といいつつ,四国に入ってからは単線を走っていたこともあり,結構時間がかかりました。すれ違いのため駅で待ち合わせというケースもありました。それと,カーブのたびに車体がかなり傾き,揺れていました。

JR松山駅に到着。「ようこそ」の看板。



つづいて,ゆるキャラのバリィさん。これは確か今治市のキャラのはずですが,お隣なので松山市のPRも担当しているのでしょうか。




 

翌日からは主に市内電車で移動しました。写真のとおり,伊予鉄道の旧式の電車は,ミカン色でした(北陸鉄道ともちょっと似ています)。


市内均一料金で160円でしたが,3回以上乗る場合は,1日乗り放題の1DAYチケットの方が得ということで,購入しました。次のように,年月日の部分を削り取る,いわゆる「銀はがし」になっているのが面白かったですね。


市役所付近からは松山城が見えました。結構高いところに見えましたが,江戸時代の人は毎日登っていたのでしょうか?金沢城よりかなりハードだと思います。まさに登城ですね。


そのうちに坊っちゃん電車がやってきました。夏目漱石の「坊っちゃん」(この小説名,小さい「つ」が入るのがポイントですね)の中にマッチ箱のような電車というような描写が出てくるのが由来です。思わず乗ろうとしたのですが...ここでは乗れませんとのことでした。残念。


大街道という市内の繁華街まで行った後,「秋山兄弟生誕地」へ。「坂の上の雲」の主人公,秋山好古・真之兄弟については,何といっても数年前NHKで放送された「複数年に渡る大河ドラマ」での阿部+本木のイメージが強いですね。非常にこじんまりとした建物でした。敷地内に「馬に乗った好古」の像がありました。


日露戦争後の地元での影響力については,好古の方が大きかったようです。

その後,「坂の上の雲ミュージアム」へ。こちらはかなり新しい建物で,安藤忠雄設計によるものです。雰囲気としては,西田哲学館と似た部分もありましたが,こちらの方が大規模でした。


秋山兄弟+正岡子規が主役


「坂の上の雲」の新聞連載の切り抜きイメージを壁面いっぱいに並べていました。


今回は作品の背景になるような,明治時代の初等教育に関する展示を行っていました。館内のカフェ付近に正岡子規の像がありました。子規といえば...国語の教科書によく載っている「▽」な感じの横顔のイメージがあるのですが,正面から見ると,「坂の上の雲」で子規を演じた香川照之のような雰囲気があります。それと,気のせいか同じ愛媛県出身であるサッカーの長友選手にも少し似ているかも。子規=香川=長友?


その後,松山城に登ろうか...とも思ったのですが,時間が無かったので取りあえず,ロープウェイ乗り場まで。ここには初代松山城主 加藤嘉明の像がありました。


ちなみにこれをゆるキャラ化すると,次のようになります。


「よしあき君」のような名前だったと思いますが,ちょっとキャラとしては弱いかもしれませんね。

次の日,せっかくなので松山城にも上ってみました。17:00頃になってしまったので,天守閣には入らず,行きだけロープウェイ,帰りは徒歩というコースにしました。



ロープウェイですが,ほぼ最終便ということもあり,乗車するお客さんは私だけ。坊っちゃんのマドンナ風のハイカラな衣装を着た若いお嬢さんが,私だけのために「よくおいでくださったなもし(合っているか不明)」と解説してくれる中,山の上まで登ってきました。せっかくなので一緒に写真まで撮ってしまったのですが...この写真は載せません。

昨年の「あまちゃん」でも,ご当地アイドルが方言で挨拶するシーンがありましたが,松山出身のご当地アイドルが「~なもし」などとゆるやかに語りかけてくれたら,ファンになってしまうかもしれません。

さて松山城ですが,次のような景色が見えました。晴れていたら海も見えたのではないかと思います。


天主閣はそれほど大きくありませんでした。看板の方が大きく写っています。


むしろ見所は,石垣かもしれません。


ここにもNHKドラマ「坂の上の雲」関連のスポットがありました。次のポスターの撮影場所です。



というわけで私も撮影してみたのですが...相当危険なことをしないと同じにはならないようでした。


帰りは歩いて市役所方面に降りることにしました。こちらの方は...山道でした。


普通の革靴を履いていたので結構苦労しましたが,15分程度だったので,行きはロープウェイ,帰りは徒歩でも十分だと思います(もう一つ,歩きやすいルートもあったようです)。

平地に戻った後,振り返ると次のような感じでした。こういう景色は他にはないですね。


お隣に,モスクか?という変わった外観の建物がありました。県庁のようです。


市役所駅から市内電車に乗りました。電車が交錯するシーンを見ると,ついつい撮影したくなります。今回は3台が一緒にいたので嬉しくなりました。


電車で松山市駅へ。市内にはJR松山駅とは別にもう一つの交通のターミナルとして,伊予鉄道の松山市駅というのがあります。金沢市でいうと片町・香林坊付近に私鉄の駅があるような感じです。

高島屋の屋上には観覧車が。これにも乗ってみたかったのですが...さすがに一人で乗るのも寂しいので,今回は省略しました。


松山市駅付近には銀天街というアーケード街もありました。


雰囲気としては,新潟市内の古町商店街と似ていると思いました。金沢市にはこういう場所はないのですが,ここもまた良い雰囲気がありました。


商店街の中程に明屋書店といういかにも地元で歴史のありそうな書店がありました。何といっても看板の筆跡に迫力があります。


明屋と書いて「はるや」と読むようです。新潟の古町アーケードにも似た感じの書店がありますね。こういう書店は大変魅力的です。

自分へのお土産代わりに1冊購入。実は,包装紙代わりのブックカバーが目当てでした。


愛媛県のことをもっと知りたくなったこともあり,「愛媛県謎解き散歩」という読みやすそうな本を購入。


さて最後に「旅行の締め」として道後温泉へ。これもまた市内電車で行けます。


20分ほどで到着。空はかなり夜空になっていました。


道後温泉駅です。


駅の正面から温泉街が始まっていました。ここもアーケード街です。


アーケードの隣にはランドマークにもなっている飾時計。隣には足湯もありました。オンセンナートというイベントをやっていたようで,背景の照明が少しアートっぽくなっていました。


さて,アーケードを抜けると,道後温泉の本館が見えてきました。日本最古の温泉ということでしたが,見た感じ神社のようでした。


浴室にはいろいろと分かれていたのですが,今回は取りあえず公衆浴場である「神の湯」の「階下」にだけ入って来ました。通常は400円程度なのですが,割引券を持っていたので300円で済みました。


ただし,やはりこの階下だけだとやや物足りないかもしれません。基本的に一つの浴槽だけなので,30分も掛からずに出てきました。浴室の壁には「坊っちゃん遊泳禁止」という札が貼ってありました。確かにやや深めの浴槽だったので,泳げそうではありました。

本格的にレトロな温泉を楽しむには,「階上」の施設の方に行くべきなのでしょう。外から見るだけでも,明治時代の雰囲気が伝わってきました。


温泉の外の雰囲気は,とても良いと思いました。夜だったこともあると思いますが,商店街全体が幻想的な感じに見え...ついつい土産物を複数購入しました。

まずは一六タルト。


 隣の店では「ゆずドリンク」を100円で飲めるようになっていました。風呂上りに一杯飲んできました。


続いて,じゃこ天。さつま揚げのようなものでしょうか?金沢に戻った後,お酒と一緒に楽しみたいと思います。


続いて,みかん関係。ポンジュースをモチーフにしたお菓子があったので購入。マクドナルドもミスタードーナツもそうですが,橙色というのは購買意欲をそそります。


ちなみに「愛媛県では蛇口をひねるとポンジュースが出てくる」という伝説的なシーンには出会いませんでした。どこかそういう場所はあるのでしょうか?

坊っちゃんのキャラクターを模した像もありました。湯上りの人たちが一緒にたたずんでいました。右から,坊っちゃん,マドンナ,赤シャツだと思いますが,いちばん左のキャラクターは誰?


道後温泉駅に戻り,市内へ。駅のトイレのサインも,どこかマドンナ風でした。


今回はもちろん「仕事」で出かけてきたのですが,3泊もしたこともあり,松山市にすっかりはまってしまいました。

この文章は,帰りの「揺れる特急(岡山まで3時間)」の中で書いています。

松山市の人口は金沢市よりも多いのですが,市内電車の雰囲気どおり慌ただしい感じがなく,とても良い街だと思いました。金沢からJRで出かけるのはかなり大変でしたが(乗り換え時間を含むと7時間ぐらいかかりました),機会があればまた行ってみたいものです。広島から船で行くというのもありかもしれませんね。