2013年6月29日土曜日

土曜日の「あまちゃん」1週間分再放送を見ていたら1984の頃に戻りたくなり...松田聖子の曲を聞き返しています。

NHK朝の連続ドラマ「あまちゃん」は「大好評」ということで,本日はBSで1週間分の再放送を全部見てみました。実はこれまで,しっかり見たことはなかったのですが,途中から見ても十分楽しめました。

ドラマは,主人公が東京に出てアイドルを目指す,というフェーズ2に入っているのですが,主人公の母親役の小泉今日子もかつてアイドルを目指していたことがあり,それと現代が交錯するという重層構造になっていました。

というわけで,いきなり1984年の懐古シーンが出てきていました。この小泉今日子ですが,まさに1984年の小泉今日子そっくりで驚きです。本人が演じているのかと思ったのですが「リトルマエストラ」の有村架純さんが演じているようですね。そこで歌われていたのが「風立ちぬ」でした。声はさすがに本物の小泉今日子だと思いますが,松田聖子の曲を小泉今日子が歌う設定というのもなかなか面白いものです。

この「風立ちぬ」を聞いているうちに,1980年代に松田聖子の曲を聞きまくっていたことを思い出し,現在,松田聖子の「裸足の季節」から順番にシングル曲を聞いているところです。

我が家にある松田聖子のCD+LPを久しぶりに出してみると...結構ありますねぇ。
 
これだけあれば,松田聖子ファンであることを認めざるをえません。ただし,最後に松田聖子のCDを買ったのが1987年の「Strawberry Time」なので,既にこの時点から25年以上経っていることになります(その後,中古CDで後から買ったものも数枚あります。)。
 
1984年頃はクラシック音楽を聞く一方で,松田聖子を非常によく聞いていました。CDプレーヤーを買って,5枚目ぐらいに松田聖子の2枚組ベスト「Seiko Plaza」というのを買いました。2枚組で5000円でしたが,それでも当時は安い方でしたね。このベストは,松田聖子の輝けるシングル曲を集めたもので,「裸足の季節」から「ガラスの林檎」まで入っています。
 
その後は,大体,アルバムが発売されるたびに買っており,「Canary」「Windy Shadow」「The 9th wave」の後,一旦(?)結婚して引退ということになります。その他のアルバムも人から借りたりして全部聞いていました。
 
「風立ちぬ」については,リアルタイムではなく,1980年代中頃にLPレコードを中古で買った記憶があります(当時はLPとCDとカセットの併用時代でした)。このアルバムですが(上の写真の右上のLPです。こうやってみると顔のアップのジャケットばかり),A面(これは死語ですね)はタイトル曲を含め,全部大滝詠一作曲・編曲の,いわゆるナイアガラ・サウンドになっています。松田聖子は「白いパラソル」から松本隆作詞の曲ばかり歌うようになったのですが,この「白いパラソル」もB面に入っています。というわけで,松田聖子のアルバムの中でもターニングポイントになった独自の地位を占めるものだと思います。
 
....と書いているうちに聞き返したくなってきたのですが,残念ながら,現在,LPを聞ける状態にありません。このアルバム「風立ちぬ」の中では,「いちご畑でつかまえて」という曲が特に個性的です。転調の嵐のような曲ですが,本当に松田聖子にぴったりだと思います。
 
「あまちゃん」からついつい脱線してしまったのですが,数年に一度,1980年代の松田聖子をまとめて聞きたくなります。特にこの「風立ちぬ」はアルバムの全曲を聞いてみたいですねぇ。書いているうちに,「いちご畑...」以外にも「一千一秒物語」なども聞きたくなってきました。久しぶりにLPプレーヤーを使えるようにしてみるかな...。

2013年6月28日金曜日

本日は横浜まで日帰り。かなりのハードスケジュールで,疲れました。

本日は,仕事の関係で横浜まで日帰りしてきました。金沢から横浜の場合,米原経由の方が近いかもしれませんが,いつもどおり上越新幹線経由で出かけてきました。東京まで約4時間。東京から横浜までも東海道線で30分以上かかった(多分)と思うので,片道5時間ぐらいかかることになります。この辺が日帰りの限界かもしれません。

今回は横浜駅周辺に用事がありました。みなとみらい程ではありませんが,この辺りも海側のビルの景観にいろいろ配慮をしているようでした。

日産グローバル本社がありました。いちばん下の階は車のギャラリーになっていました。
JR横浜駅の海側の景観

東京に戻ってからは帰りの電車の時間まで,丸の内の丸善へ。
 
 
丸の内北口の天井です。夜だとさらに美しく見えますね。 
 
 
 東京駅を外から見たところです。
 
金沢に到着したのは,0:00過ぎということで,さすがに疲れました。
 
 
 
 
 




2013年6月22日土曜日

国宝薬師寺展へ。展示も良かったけれども,お坊さんは話が上手過ぎ。ついつい写経セットまで買ってしまいました。

北國新聞社主催塔の主催で石川県立美術館で行われている「国宝薬師寺展」の会期が明日までということなので朝から出かけてきました。

北國新聞によると「連日大賑わい」ということなのですが...本当にそのとおりでした。朝9:30の開館と同時に行ったのですが,既に列ができていました。

展覧会入口。この裏でお坊さんが曼荼羅の説明中でした。
今回の展覧会は薬師寺東塔の大修理にあわせての企画で,「聖観世音菩薩立像」,日本最古の彩色画「吉祥天女像」など国宝を数点含んでいるのが見所です。「吉祥天女」の方はかなり小さいもので,書かれている布の質感まではよく分からなかったのですが,暗~い展示室に1つだけライトアップするという展示方法がなかなか斬新で良い雰囲気を出していました。「聖観世音菩薩立像」の方は実に美しい像でした。こちらは前からも後ろからも間近から見ることができました。

何よりも良かったのが薬師寺のお坊さんのお話でした。まず,展覧会の入口に入ってすぐのところにあった曼荼羅の説明をした後,この「聖観世音菩薩立像」の解説をして頂きました。「横から見ると結構メタボでしょ」とか「「ボサッとしている」という言葉の語源も菩薩なんですよ」とか「この立像は後ろから見ても美しい。私たちも後ろ指を指されないような生き方をしましょう」とか,大変楽しい解説でした。

その後,美術館のホールの方で別のお坊さんがお話をしてくださるということで,こちらも聞くことにしました。

これはお話の後です。黒板を使って漢字の由来なども説明。

薬師寺のお坊さんのお話は面白いというのは,私が中学生の時に奈良に修学旅行に行った頃から言われていましたので,伝統として定着しているようです。今回登場した大谷徹奘師のお話もお見事でした。

まず声が素晴らしい!マイクなしでビシッとした声がホール全体に届いていました。徹奘師は高校生の頃から30年以上薬師寺にいらっしゃるとのことですが,今いちばん脂が乗っているという感じの切れ味の良いトークでした。

「最初にしっかり挨拶をしましょう。おはようございます」という最初の部分からお坊さんのペースでした。一般に「寺=坊さん=死」という連想があるが,薬師寺は死とは無縁の寺で,「心の学校」であること,「お経」というのは人生のガイドブックであること...大変分かりやすい話が続きました。次々と「良い言葉」が出てくるので,しっかりメモしながら話を聞いてしまいました。以下はその抜粋です。

続いて薬師寺が本家と言っても良い「般若心経」の話になりました。このお経は三蔵法師が日本に伝えたものですが,薬師寺はその直系なのだそうです。このお経は,「観自在菩薩」という言葉で始まりますが,これは一般に観音様と言われている菩薩のことです。「観自在」と言われたり「観世音」と呼ばれたりしているのですがが,その意味の違いが説明されました。

「観世音」は,「世の中の音をよく観る」という外に注意を向けることであり,「観自在」の方は,「自分の在り方をよく観る」という自分の命に目を向けることです。徹奘師自身の修行時代の苦労話と重ね合せ,「苦しいことであっても,自分で選んだことである。他人を指さすことばかりしていては何もならない。迷う前に覚悟をしなさい」といった,迫力のある言葉が出てきました。

そして,「かつて,家の中で覚悟をする場所が「仏壇」だったけれども,段々となくなってしまい...同じぐらいの大きさのテレビに変わってしまった。テレビをはじめ,色々な情報攻撃にさらされている現代社会では迷う一方で覚悟をする場所がなくなってしまった。「心の勉強」が必要」ということです。なるほどと思いました。

その「心の勉強」の方法として,(1)座禅,(2)念仏,(3)写経,(4)話を聞く,の4種類があり,特に薬師寺では,写経を広めているとのことでした。「写経をしている時間は,外側から内側に向かう時間。薬師寺の写経は紙を重ねてなぞるだけ。鉛筆でもいいんです。」ということで,最後は写経のすすめのお話になりました。

いちばん最後に薬師寺の名物管長と呼ばれた高田好胤師の「かたよらない心,こだわらない心,とらわれない心...」という言葉を皆で声を出して読み上げて30分ぴったりでお話が終わりました。

あまりにもお話が上手かったので,帰り際に「一度やってみるかな」と2000円を払って写経セットを購入してしまいました。書いて薬師寺に送ると,納めてくれるそうです。

お経に加え,著書も売れていました。見事な「実演販売」でした。
終わってみると「入場料の半分以上は薬師寺のお坊さんへのお布施?」という感じになってしまいましたが,たっぷりと楽しめた展覧会でした。

その後,美術館を出て,広坂を下りました。
朝降っていた雨が上がり,新緑がさらに美しくなっていました。
21世紀美術館を横目に見て,バスに乗りました。

 
「まちバス」で武蔵が辻まで行きました。100円でした。
バスの中にも薬師寺展のポスターが。「ちょっと金沢まで。」は北陸新幹線PRのキャッチコピーです。
その後は金沢市内で食事と買い物をしました。そして,ついつい気分が良くなって,変なものを買ってしまいました。無印良品で歯ブラシ立て,うつのみやで「大人の鉛筆(タッチペン付き)」というのを購入しました。組み合わせるとちょうどよい感じでした。


これで写経してみようかなと思います(先日,銀座で買った8Bの鉛筆を使うか迷うところですが)。

金沢駅の地下のもてなしドーム下では中古CD市をやっていたので眺めてみました。フランチェスカッティのヴァイオリン,ブルーノ・ワルター指揮によるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲,オイストラフのヴァイオリン,オーマンディ指揮によるシベリウスのヴァイオリン協奏曲を組み合わせた輸入盤CDを380円で売っていたのでついつい購入してしまいました。

今日は薬師寺のお坊さんの話を聞いて,結構元気が出ました。話が上手過ぎて,「乗せられたかな?」というところもありましたが,悪くはないと思います。この元気を維持できるように,早速,「鉛筆で写経」をしてみようかと思っています。

写経セットです。高田好胤師の言葉が書かれていました。
 
紙を重ねて般若心経をなぞるだけです。手本は取っておけるので別の紙で繰り返し使えそうです。
 

2013年6月7日金曜日

東京出張のついでに歌舞伎座に行った後(ただし歌舞伎は見ず),銀座・有楽町の文房具店めぐり

現在,仕事の関係で東京に来ています。今回はかなり重い仕事なのですが,宿泊するとどうしても空き時間ができるので毎回東京に出張するたびに「どこか」に出かけてしまいます。

いつもはコンサートに行っていたのですが,今回は銀座・有楽町方面に行くことにしました。まず,何より新装オープンした歌舞伎座を見てみたかったからです(先週土曜日の嵐の出てくる番組で歌舞伎座特集をやっていたのに影響されております)。歌舞伎の1幕席に行ってみたい気もしたのですが,そこまで元気がなかったので,歌舞伎座の後ろに出来た,ビルに上るだけで済ませました。

歌舞伎座前です。歌舞伎座は歩道を歩いていると「いきなり」現れるのでびっくしりますね。以前の歌舞伎座の記憶はないのですが,外から見る限りでは変化がないように思えます。

ただし背後にはこういう感じで高層ビルが立っていました。意外に圧迫感がないのは考えて設計されているからでしょうか。続いて,嵐の番組でやっていたとおり,5階まで登ってみました。
土産物店です。歌舞伎役者の生写真があるのが歌舞伎座らしいところです。ただし,商品はイマイチだった気がします。やはり歌舞伎座の客席の方に入った方がグッズや食べ物なども面白いものがあったのかもしれません。それでもお土産は買ってしまいましたが....
この「歌舞伎の3原色」の色合い(定式幕の色)を見るだけでうれしくなりますね。ついつい漆の紙でできたブックカバーも買ってしまいました。

その後,5階の庭園と石川五右衛門が出てきそうな屋根の見学コースへ。嵐の番組に出てきた場所ですが,ここもイマイチだったですね。ただし,写真のとおり結構人が大勢いました。

さて,その後は銀座商店街をあちこち歩き回りました。自分自身,つくづく”観察”が好きだなぁと思います。商店街の看板を見るだけでうれしくなって,次から次へと撮影してしまいます。こういうのが典型的な”お上りさん”というのだと思いますが,個人的には全く気にせず(こういうのを”旅の恥はかき捨て”というのでしょうか),商店街を歩き回ってきました。

まずは和光の時計塔。5時ちょうどを指しています。次の説明にあるとおり,ウェストミンスター式のチャイムが鳴り渡っていました。http://www.wako.co.jp/clock_tower/

ヤマハ楽器です。今回は入りませんでした。

資生堂。もちろん入っていません。資生堂パーラーが向かいにありましたが,こちらも入っていません。
今回の目当ての店の月光荘です。非常に分かりにくい場所にありました。

画材屋さんですが,文房具関係の本にもよく名前が出ているので,今回行ってみました。非常に狭い店で,私には珍しく,店員さんと会話をしてしまいました。普通の店の店員さんの接客とは違い,素人っぽい感じなのですが,何というか「商品に対する愛(?)」のようなものが溢れており(,そういうのに私は弱いですね。),ついついあれこれ買ってしまいました。


すべてこの店のオリジナルグッズで,8Bの鉛筆(色々な濃さが自在に出せるんですよ)と皮でできたキャップ(使い込むと色に味が出てきますよ)とハガキサイズのスケッチブック(いろいろ厚さがあります)と手の形のキャップ(ネクタイピンにしている人を見たことがあります)を買ってしまいまいした。他にオリジナルのバッグも良さそうだったのですが,キリがないので,今回はこれでやめておきました。



どう見ても「やらと」ですね。店の前を右から左に通り過ぎただけです。左から右に通り過ぎれば「とらや」と読めるのかもしれません。

ライオンビアホールです。以前,金沢の柿木畠にもありましたね。この店はかなり以前に一度入ったことがあります。

鳩居堂です。この店には入ってみました。外国人が大勢入っていました。外国人向けの旅行ガイドなどにはしっかり書いてあるのだと思います。欲しいものはありましたが,何も買わずに出てました。

これは特に意味はないのですが...スケベニンゲンという大胆な名前の店の前を通ったので撮影しました。オランダの都市の名前のはずですが,パスタの店のようでした。


これは歌舞伎座に行く途中で見かけた店です。昭和の臭い,というか昭和の音のする店で,「岸壁の母」みたいな曲をずっと掛けていました。


有名な文房具店の伊東屋です。表通りに赤いクリップの出ていた店は現在改装中で,一つ裏通りで仮店舗で営業中でした。この店が仮店舗かと思ったら,これはK.ITOYAという,ちょっと高級な文房具を集めた店でした。万年筆のマークが目印です。一種の文房具の美術館のようなものですね。

こちらが伊東屋の仮店舗です。仮店舗とはいえ大変立派な店で,ついつい長居をしてしまいました。


店頭でメーカーの人が新製品のPRをしていたのでついつい買ってしまいました。「A4の紙を横に入れて畳んでもしわになりません」。実は旅行中にこういうのがあると便利だと思っていたところなので,購入してしまいました(実は,アイデアグッズ関係も大好きだったりします)。その他,家族への土産を少し購入しました。ちなみにファイルに挟んであるのが,文房具関係の雑誌記事のコピー(「聖地巡礼」などと書いてあります)とレシートです。レシート入れにちょうど良い感じです。


さて,すっかり日が落ちてしまいました。松屋デパートを見てみると,不思議な色合いになっていました。

アップルの店があったので撮影。写真で見ると一瞬,月のように見えますね。

その他,有楽町駅の近くのルミネの中の店でも一見パスポート風のブックカバーがあったので購入(どうもブックカバーがコレクションになりつつあります)。


その他,ロフトや無印良品も有楽町駅のすぐそばにあったので,寄って来ました(実は,これは別の日に行ったのですが)。このロフトのMOLESKINEコーナーは大変充実していましたが,やはり高いので「見るだけ」にしておきました。


さすがにこれだけ歩くと疲れます。宿に戻った後,缶ビールを飲んだのですが...つまみもついつい歌舞伎になってしまいました。

たまに東京に来て,文房具店巡りをするというのは,足の運動にもなるし,なかなか良いものです。実はもう一軒行ってみたいところがあったで,次回機会があれば再挑戦してみたいと思います。




2013年6月2日日曜日

金沢都ホテル地下の旧ロキシーで映画「野生の証明」を観てきました。その後,百万石行列の利家(松村雄基)も何とか見ることができました。

本日は金沢市祭の金沢百万石まつりのメインイベント,百万石行列が午後から市内で行われました。晴れ過ぎなかったので,最高の見物日和だったと思います。行列にはロンドン五輪で金メダルを取った女子柔道の松本薫選手など,石川県関係のオリンピック出場選手が参加することもあり,例年通り金沢市内のメインストリートは大勢の人でにぎわっていました。


ただし,私の方は取りあえず行列見物はせず,金沢都ホテルの地下にかつてあった映画館,ロキシーが2日限定で復活するということで,映画を観てきました。上映されたのは,金沢でロケを行った「野生の証明」でした。


↓このイベントです。
http://www.hokkoku.co.jp/subpage/OD20130601501.htm

ロキシーは香林坊の映画街から離れたところにあったのですが,20年ほど前ぐらいまでは,年に数回はこの映画館で洋画を観ていました。何を観たかまでははっきり覚えていませんが,ケヴィン・コスナーの「ダンス・ウィズ・ウルブス」とかをこの館で見たような気がします。

久しぶりに行ってみて懐かしくなりました。現在は都ホテルのセミナーホールとして使われているようで,結構きれいで,椅子も座り心地が良かったですね。スクリーンはこういう感じでした。

さて映画の方ですが,「野生の証明」は,金沢でロケが行われ,しかも,百万石パレードのシーンが出てくるということで今回選ばれたようです。有名な作品なのですが,実は今回見るのが初めてでした。大変楽しめました。

舞台は東北地方の山奥の村です。自衛隊の中の「特殊工作部隊」という架空の組織にかつて属していた高倉健。家族や集落の人たち全てを気が狂った父親に殺害されてしまった薬師丸ひろ子(これがデビュー作だったと思います)が主な登場人物です。狂った父親が幼い薬師丸ひろ子まで斧で殺害しようとしたところを健さんが救うのですが,その時に父親は健さんに殺害されてしまいます。その場面を見てショックを受けた薬師丸ひろ子は記憶喪失になります。その後,特殊部隊を抜けた健さんは保険の外交員になり,薬師丸ひろ子の育ての親として暮らし始めます。

健さんはいつもどおり「暗い過去を持った寡黙で強い男」という役柄です。2人は東北地方の中都市でつつましく,それなりに幸福に暮らしているのですが,中野亮子演じる,地方紙の女性記者が健さんと一緒に土地の有力者と暴力団との関わりについて,保険金の絡む不審死事件をきっかけに暴いたところから急転していきます。

健さんは,地元の有力者からも,警察からも,そして「特殊部隊」という組織自体を隠さないといけないので,自衛隊からも追われることになります。一言でいうと,権力や暴力に立ち向かう「ダイ・ハード」的なタフな男の話なのですが,ここに「お父さん!」と呼びかける薬師丸ひろ子が加わることで,ちょっとウェットな感じになります。

最後の方は,これでもかこれでもかと健さんは追い掛け回されるのですが,ほとんど一人で立ち向かい,生き残っていきます。途中,夏木勲演じる刑事と「男の友情」が芽生えたり,特殊部隊の松方弘樹との一騎打ちが出てきたり...目が離せません。

最終的には,健さんに思いを寄せていた記者(中野良子)も,友情が芽生えた刑事(夏木勲)も,そして,悪夢のような記憶をよみがえらせたにも関わらず最後に「お父さん」と呼んでくれた薬師丸ひろ子も死んでしまいます。

最後の方は戦車にまで追いかけられ(冷静に考えるとちょっと大げさすぎ?),それに健さんが立ち向かって言って終わるのですが,強い権力に対する怒りが,寡黙かつ強烈に爆発するような感じで描かれており,非常に迫力がありました。

ちょっと荒唐無稽なところもありますが,何よりもキャストが素晴らしく,大物同士の演技のぶつかり合いをしっかり楽しめます。東映映画ということで,特に暴力団のメンバーの迫力が印象的でした。特にナンバー2役だった成田三樹夫のニヒルさが最高でした。

金沢のことを書くのをすっかり忘れていましたが,見る人が見れば「金沢だ」と分かる部分がいくつかありました。東北地方の中都市という設定で,名鉄丸越百貨店から三国連太郎が百万石パレードを見下ろすようなシーンがありました。その他の山奥のシーンももしかしたら石川県内だったのかもしれません。

この映画が作られたのは,私が中学生だった頃なのですが,久しぶりに昭和時代の映画館で昭和時代の映画を楽しむことができ,大満足でした。

以下,ロキシー付近を写真で紹介しましょう。

ポスターです。これは見覚えがあります。

当時の新聞広告。現在は映画の広告は新聞では見かけなくなりましたね。

映画のロケ地についての説明です。横安江町商店街も使っていたとは驚きです。


この企画では,「男はつらいよ」で唯一金沢が出てくる「柴又慕情」も上映されました。吉永小百合がマドンナ役です。これはDVDで観たことがあります。赤い字が「昭和」という感じです。

ロキシーの外観です。この雰囲気も懐かしいですね。

都ホテル地下街の入口です。ちょっと場末な雰囲気がかえって魅力的です。

その後,地上に出ました。百万石パレードは行ってしまった後でした。

しかし,行列の後を自転車で追ってみたところ,金沢市役所前ではまだパレードは終わっていませんでした。利家を何とか見ることができました。

明日は金沢城にミッキーマウスが現れるようですが,さて,どういうことになるでしょうか?